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クルーズマンズではじめよう
なぜ、今回のクルーズを選ばれましたか?
我が国の古代史にも貴族の舟遊びの記録があるように、古代ギリシャやエジプト文明の時代から王侯貴族は川や湖、波静かな海で船の旅を楽しんでいた筈で、昨年行ったナイル川クルーズからクルーズの原点はやっぱりリバークルーズでは、と確信しました?
そこで、今年こそヨーロッパのリバークルーズに行こうと探していて見つけたのが今回のドナウ川クルーズでした。
ポイントは、オーストリアのウィーンとハンガリーのブダペストに寄港すること。
ヨーロッパの有名都市であるアテネ、ローマ、ロンドン、パリには複数回、アムステルダム、ブリュッセル、リスボン、コペンハーゲン、ストックホルム、サンクトペテルブルグにも行っているのに、中世から近世にかけて大帝国を築いたハプスブルグ家のウィーンを見ていないとは片手落ち。
さらに、ドナウの真珠ともいわれるブタペストにも行くのだからこの航程が一番と決めました。
なお、ヨーロッパのリバークルーズ船に乗るのは初めてなので個人旅行は諦めツアーにしました。
ルフトナー・クルーズの人気エリア
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お食事、ダイニング
レストランは2階にあり、小型なリバー客船なので狭いだろうと予想していたのですが思っていた以上に広く、明るさも十分で、船が今年の新造船ということもあって非常に綺麗でした。
席は1回制の自由席でテーブルは基本的に円形の6人掛けと4人掛け、2人掛けは無いようでした。
食事の形式は朝食が完全ビュッフェスタイル、昼食はスープや2~3品から選択するメインディッシュの注文後にサラダだけはサラダバーに取りに行く形、ディナーは前菜、スープ、温野菜、メイン、デザートをそれぞれ2~3品から選択する形でした。
飲み物はコーヒー、紅茶に朝のジュースとディナーのハウスワイン(赤と白)が無料でした。
料理の質は、見た目に綺麗な品が多くて食感も悪くないのですが、全般的に塩味が少々強く感じられた上に味付けが単調な品が多いような気がして、BC級グルメの私でも高品質とは思えなかったのでA級グルメの方には多分不満が残ったでしょう。
なお、昼食は3階のパノラマバーというラウンジでも品数は少ないもののブッフェ形式で提供されていて、味も悪くなく、クルーズの後半、私たちはここで昼食を取りました。
サービス、スタッフ
ほとんどのスタッフはキチンとした挨拶をしてくれ明るい雰囲気なので全般的には好感を持ちましたが、きちんとした対応をするレセプションスタッフに比べてレストランのスタッフはディナーの注文を取る場合もテーブルの担当者によって差が大きく、早めに揃っているテーブルの注文が後回しにされたり、飲み物の提供が遅れたりしていて、個人差が大きいと感じました。
また、ウィルカムカクテルパーティーやお別れパーティーも頑張っているスタッフに比べて高級船員は形式的に軽く流すという感じでサービス精神が今一つ感じられませんでした。
お部屋
海側キャビン
2階のシュトラウスデッキの部屋でしたが、細長い船体のせいかこれまでに乗船した海のクルーズ船に比べるとかなり狭く、寝心地は良かったベッドの幅も少々狭いように感じました。
一方、新造船のせいで室内の全てがピカピカの上、シャワー設備は固定とハンドの両方が付いていて非常に使い勝手が良く防水もしっかりしていてこの点は大満足でした。
また、旅行社が我々日本人用に手配した結果という湯沸かしポットも置いてあって助かりました。
なお、洗面所のアメニティーは最低限で歯磨きセットやブラシ、カミソリはありません。
さらに、窓はパンフレットでは開閉可となっていましたが、どうみても開けようがなく説明書もないためそのままにしましたが海と違って窓ガラスに塩がつかないため下船まで結構綺麗でした。
船内の施設、アクティビティ
海のクルーズ船よりも数段小型の船体に美容室やマッサージルームまで有って上手く配置するもんだと感心したぐらいですが、やはりどこか無理があり、後部のアマデウスクラブというラウンジ奥に有るプールはどうみても子供用、フィットネスルームは窮屈で器械が2~3台有るだけ、ショップはウィンドーに展示されている品をスタッフに注文して見せてもらう形式、バーの酒の種類も見た限りではそう多くありませんでした。
でも、前部3階のパノラマバーと呼ばれるラウンジは明るく広々と感じましたし、サンデッキには操舵室以外の突起物が無いので狭さは感じませんでした。
また、パノラマバーでは夕食後にピアノ等の演奏が行われていました。
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パッサウ
前泊したミュンヘンを出発後、添乗員氏よりパッサウの乗船場が一杯で係船出来ないため少し上流のLindarというところから乗船するとのアナウンスがありました。
実際、通過したパッサウには10隻を越えるクルーズ船が並んでいました。
なお、添乗員氏の話しでは、こういう事はリバークルーズで良くあるそうで数年前には渇水のため予定していた場所まで船が上がって来れずバスで下流まで下って乗船したこともあるそうです。
メルク
朝、船はメルク対岸のエンマースドルフという場所の船着場に着きバスに10分程乗って18世紀に建設されたという世界遺産のメルク修道院に行きました。
修道院はドナウ川を見下ろす崖の上に建つ立派なバロック建築で現在も学校として使われているとか。
豪華な装飾の礼拝堂や手書きの書籍を中心に10万冊の蔵書が有るという図書館等の館内見学後は30分程の自由時間となり、私たちは可愛い商店が並ぶ坂道を下って崖の下まで行ってみましたが、下から見上げる修道院も見事でした。
その後、再びバスに乗ってエンマードルフに戻り、ワイナリーを持つホテルでオーストリアワインの主流という白ワインの試飲を楽しみ、歩いて船に戻りました。
なお、出港後、直ぐにドナウ川クルーズのハイライトであるヴァッハウ渓谷を通過しました。
渓谷といっても、両岸に崖が迫るような日本的な渓谷とは全く違う風景でしたが、両岸に次々に現われる教会や古城、色鮮やかな民家、広いワイン畑は夢のような景色で実に見事でした。
ウィーン
船のウィーン滞在時間は24時間なのに着岸場所は中心部から5km以上北のNubdorf。
ヴァッハウ渓谷を通過した夜、ウィーンの船着場に着くと直ぐに船会社のエクスカーションであるクラシカル・コンサート「サウンド・オブ・ウィーン」に出発。
バスで30分程走って着いたところは市立公園の敷地に有るクアサロンというところで、大勢の観光客が来ていました。
音楽的な事は分りませんが、サロンオーケストラの演奏にあわせてオペラ歌手の歌唱やバレリーナの演技があり、休憩時間にはスパークリングワインのサービスも有りましたから費用対効果は悪くないと思います。
翌日はツアーにセットされている半日観光に参加、リンクと呼ばれる環状道路をバスで走りながら主な建物の紹介を聞いた後、オペラ劇場の裏で降り、王宮からウィーンの繁華街というコールマルクト通りとグラーベン通りを歩いて抜け、シュテファン寺院の前で自由時間に。
事前にツアーの離団書を提出していた私たちはそこで離団、王宮に戻って王宮宝物館と蔵書20万冊以上という図書館を見学してから英雄広場で一休みしながらガイドブックで行き先を検討。
その結果、他の名所を見るには時間的にカフェでの昼食は無理と諦めてトラムの駅にあった売店でホットドックを買い、モーツアルト像の有る公園のベンチで食べてから国立オペラ劇場まで行きました。
劇場では内部見学ツアーがある筈と時間を確認すると幸運にも15時に日本語のツアーがあります。
そのとき時計は13時、これなら世紀末芸術の傑作が集まるというベルヴェデーレ宮殿まで行けると頑張って歩いて宮殿に到着。
宮殿では美しい庭園を見ながら上宮にある絵画館に行き、クリムト作品等を慌ただしく鑑賞しました。
その後は急ぎ足で国立オペラ劇場に戻り40分程の見学ツアーに参加、帰りはトラムに乗って船着場近くまで行き、ドナウ川岸を歩いて帰船しました。
日暮れや帰船時間との競争でバタバタの観光でしたから皆様にお勧めはできるようなものではありませんが、ウイーンが世界的な栄華の街ということだけは体感できました。
ブダペスト
ドナウ川の大曲りを抜け南下した昼過ぎに国会議事堂やくさり橋を過ぎた自由橋の船着場に到着。
以前に来た事のある方はそこが中央市場に近い事から昼食もそこそこに買い物に行かれたようですが初めての私たちはツアーの半日観光に参加。
バスで街の中心部を抜けて英雄広場を下車観光した後、くさり橋を通ってドナウ川西岸のブダ地区にある王宮の丘に行きました。
王宮の丘ではステンドグラスが美しいマーチャーシー教会を見学したり土産物屋で買い物をして日暮れれを待ち、屈指のビュースポットといわれる漁夫の砦へ。
鮮やかにライトアップされた国会議事堂やくさり橋を眼下に見ながら歩きましたが大変な人出でした。
その後、時間に余裕があるとの事で予定になかったゲッレールトの丘まで行きました。
ここも結構な人出でしたが、その夜景は王宮の丘とドナウ川を見下ろす感じで漁夫の砦とは異なるブダペストを見た気がしました。
翌日の午前中はバスで1時間弱の郊外にある牧場に行って馬車に乗ったり、特産品の試食を行ったり、ハンガリー固有という動物を見たりしましたが、何といっても圧巻だったのは騎馬のショー。
私もこれまでの旅行で何度か騎馬のショーを見ていますがここのは別格で、4頭立ての馬車が疾駆するのも、馬がお座りするのも、横乗りの女性が自在に馬を操るのも初めて、さすが騎馬民族の末裔の国と感激しました。
ブラチスラヴァ
ブダペストを午後に出港した船は再びドナウベントというらしい大曲りを抜けて、翌朝、高台にプラチスラヴァ城がそびえるスロバキアの首都ブラチスラヴァに着きました。
この街、チェコとスロバキアに分離した新しい国の首都のせいか情報が少なく、インターネット検索で何人かの旅行記を見つけ読んだところ、ある人は「2時間も回れば十分な街」と酷評。
そんな街ってはどんな街と思いつつツアーバスに乗ると、街中を抜けて行ったのはアメリカやイギリス大使の公邸が有り、中国大使公邸が出来て景観が遮られたという高台。
そして、次に行ったのは内部は博物館になっているというブラチスラヴァ城でしたが、我々は外観と城壁の展望台からドナウ川流域の風景を見ただけでした。
その後、バスで船着場の近くまで行って下車し中心街を徒歩観光となりましたが、1時間程でそれも終わり、出港時間まで自由時間となりました。
その自由時間の間、私たちもですが多くの人が土産を買っていました。
それはドイツやオーストリアよりも物価がかなり安いせいか低額の品物が多いためで、私が買った国の紋章とBratislavaの文字の入ったキャップはわずか€7.0-。
今どきのヨーロッパで結構しっかりしているキャップが1,000円程度で買えるとは驚きでした。
リンツ
いくつかのロック(閘門)を通過してドナウ川を遡上していた船が昼食を食べている最中に着岸した場所がオーストリア第3の都市というリンツでした。
ここでは旅行社の観光は無いとのことでしたが、初めての人がほとんどのため添乗員の一人が街の中心部まで道案内してくれました。
そこから私たちは自由行動をしたのですが、意外だったのはこの街が結構大きく路面電車とトローリーバスが頻繁に往き来する予想以上に賑やかな街だった事です。
ただ、残念ながら日没までの時間が3時間程度しかなかったため、大聖堂の見学と名前にひかれてモーツアルトという通りを歩いて見た以外は、ショーウィンドーが可愛いデコレーションで飾られていたお菓子屋さんでコーヒーとケーキを食べただけでしたが時間があればもう少し歩いてみたい街でした。
予約・手配に利用した事業者の対応や利便性はいかがでしたか?
これまでもベストワンクルーズを何度か利用していたので、このクルーズも同社のホームページで見つけてメールで問い合わせをしました(同社の場合、基本は電話やFAXでなくメールでのやり取りのようです)。
問い合わせへの回答は即日で良いのですが、空きが有ると見積りと同時に予約手続きを早急に進めないと直ぐに満室になるというような督促めいたメールも来ます。
予約を入れると1週間以内に予約金を振り込むようメールの添付ファイルで予約確認書と予約金の請求書がこれも早々に来ます。
支払いは現金だけのようでクレジットカードは使えませんし、こちらから連絡を求めない限り入金の確認連絡もありません。
そのため私は担当者宛に振り込んだ旨のメールを送って返信をもらいました。
残金の請求は予約金請求書に90日~60日前を目安に案内と記載されていますが、今回のクルーズでは32日前でした。
これは今回だけでなく以前のクルーズでも似たようなもので90日前を大きく過ぎても来ないので少々不安になりこちらから督促したこともありますが、今回はエクスカーションについて問い合わせして回答をもらったツアーの主催会社(クルーズプラネット)を信じて督促しませんでした。
が、流石に1か月前になっても来なかったら何かトラブルが発生だとドキドキでした。
また、残金の確認連絡も来ませんので私は予約金と同様、担当者にメールして返信をもらいました。
そのため、最終案内が来るとホッと一安心するのは他の旅行会社でも一緒ですが、今回の場合は某旅行会社の倒産事件があった後ということもあり本当にほっとしました。
なお、これは今回のクルーズでの感想で以前はもっと親切丁寧な対応でしたから会社の体質が変わったのかも知れません。
今回のクルーズは、どのような方にオススメですか?
リバークルーズの良さは海のクルーズと違って、船がほとんど揺れないことと反航する船が多く常に陸上の風景が見えるのであまり退屈しないことでしょうか。
そういう意味では、万人向きでどなたが乗ってもそれなりに楽しめるクルーズだと思います。
ただ、出発の数日前にツアーの添乗員氏から入った電話で、羽田空港からの同行者は何名位ですか、と聞いたところ50数名と言われて思わず絶句!私らは中止します!と言いそうになった程、大人気のコースのようで、そのせいか今回のツアーの参加者は私よりも高齢の方が多かった上にクルーズに関してもベテラン揃いでしたから、クルーズ自体が初めての方が私どもと同様なツアーで行く場合は話題についていけるか一考が必要でしょう。
また、船も小型のため天候に恵まれればサンデッキでくつろげて良いのですが、雨天の場合は過ごせるパブリックスペースが限られますし、スタッフに英語は通じても日本語は通じませんから、語学に自信のない方は部屋で過ごせる物を用意するなどそれなりの準備が必要だと思います。
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