寄港地での移動や観光についてお聞かせください。
リスボン
出港日前夜に到着し、予約したタクシーで中心部に向かい、ロシオ駅にあるホステルに宿泊しました。翌日は公共交通の1日券を購入し、ベレン地区までバスで移動。ベレンの塔と発見のモニュメントは外観のみ、ジェロニモス修道院は内部も見学しました。前回訪れたときより数倍観光客が増え、開館前からチケット購入の大行列。結局45分ほど並んでやっと中に入ることが出来ました。その後近くの有名な老舗カフェで焼きたてのエッグタルトを食べたあと、路面電車で中心部に戻り、ケーブルカー(グロリア線)に乗ってアルカンタラ展望台へ。サンジョルジェ城などのパノラマを眺望しました。その後ロシオ駅から地下鉄に乗り、サンタ・アポローニア駅へ。そこから歩いてすぐの港から、シルバー・クラウドに乗船しました。出港時は、徐々にブルーからピンクに変わっていく空の下、テージョ川をくだって4月25日橋をくぐり、やや遠くの岸に発見のモニュメントやベレンの塔を見ながら、ゆっくりとリスボンの町を離れました。
寄港地観光:自分で
移動手段:バス・電車・タクシーなど
移動時間(片道):30分未満
移動費用(片道):1,000~2,000円
ポルト
ポルトガル発祥の地とされる古都ギマランイスへのバスツアーに参加しました。ここも前回訪れたときより観光客はだいぶ多かったと思いますが、無骨なイメージのギマランイス城や、壁にはられたカラフルなタイルと木組みが特徴的なかわいらしい家々が建ち並ぶ古都の風情はそのままで、懐かしく散策を楽しみました。
寄港地観光:船会社のショア・エクスカーション
所要時間:4~5時間
費用:無料
ア・コルーニャ
早朝、岬の先端にあるサン・アントン城を眺めながら、三日月状の美しい湾に入港。この日は世界遺産の町サンチャゴ・デ・コンポステーラへのバスツアーに参加しました。あいにくの雨でしたが、観光のメインは大聖堂の内部なのでそんなに困ることはありません。ここも2回目でしたが、観光客の多さは比較にならないほどでした。ボタフメイロという大きな香炉を振る儀式の行われる、日曜正午からのミサに参加しましたが、座りきれない人で大聖堂内はいっぱい。聖サンティアゴの像にふれる通路も、ミサで聖体として配られるせんべいにも大行列でした。ランチには、大聖堂の横にある修道院を改装したパラドール内でスペインオムレツや生ハム、タコのフライなどのタパスをつまみながら、ガリシア地方の民族舞踊を鑑賞しました。その後、再びバスでア・コルーニャに戻り、世界遺産で世界最古の現役灯台、ヘラクレスの塔の見える駐車場で停車し、写真撮影。野花が咲く緑の丘にぽつんとそびえる石造りの灯台と海を見渡しました。ア・コルーニャについては、昔知り合ったスペイン人から「とてもきれいなところ」と聞き、ずっと訪れたいと思っていました。「ガラスの街」と呼ばれるその名の通り、壁一面に白い枠のガラス窓を並べたモダンな建物が続いていて、瀟洒な景観を作り出していました。
寄港地観光:船会社のショア・エクスカーション
所要時間:5時間以上
費用:無料
ヒホン
この日はコバドンガ湖へのバスツアーに参加しましたが、朝から雨が降り、コバドンガ湖への道路に霧が発生して閉鎖されたため、結局コバドンガ湖へは行くことができませんでした。それは残念でしたが、最初に訪れた、サンタ・クエバ・デ・コバドンガ(コバドンガの聖なる洞窟)には、洞窟の先の崖を穿ったところにコバドンガの聖母像を祀る礼拝堂があり、そこから見下ろす紅い石灰岩で作られた美しい教会、雨霧に煙る山や滝などの風景はとても見応えがあり、訪れる価値があったと思いました。その後、湖の代わりにカンガス・デ・オニスの町を散策し、ローマ橋に登ると、少し晴れて来て、行くことが叶わなかった山々を遠くに見ることができました 。ランチは、修道院を改装した近くのパラドールで。アストゥリアス地方のリンゴを使ったガスパチョやタコのカルパッチョ、名物の白インゲンの煮込みなどがきれいに盛りつけられ、美味しいローカルワインとともに供されました。帰りはヒホンの町をバスでパノラマ観光し、時計塔などの美しい建築物があるラボラール大学を見学した後、船に戻りました。
寄港地観光:船会社のショア・エクスカーション
所要時間:5時間以上
費用:無料
ビルバオ
グッゲンハイム 美術館見学と旧市街散策ツアーに参加しました。美術館は、チタン板を貼り付けた、うねるような曲面と石灰岩の対比が印象的な建物です。開館前の9時から10時までは貸し切りで、大きな犬のトピアリーや巨大蜘蛛の彫刻、迷路のような巨大な造形物など、現代アートの数々を見ることができました。その後旧市街近くまでバスで移動、出窓やバルコニーのデザインが美しい建物が続く旧市街を散策し、ヌエバ広場を囲むように集まっているピンチョスバーのいくつかをのぞきました。実際に味わう時間がなかったのが残念でした。
寄港地観光:船会社のショア・エクスカーション
所要時間:4~5時間
費用:無料
ボルドー
朝、シルバー・クラウドはジロンド川を遡り、有名な水鏡のあるブルス広場から数百メートルという街の中心部にある港Port de la Luneに停泊しました。この日は、ワインシャトーGrand Cru Classéの見学とミシュラン星付きレストランでのランチツアーに参加 。シャトーでは、有名なボルドーの赤を生み出す技法を聞き、ワインテイスティングをしました。その後、2017年のミシュラン1つ星を獲得したというDu Prince Noirへ。期待していたような正統派フレンチではなく、前菜の緑のスープなど、参加者が「??」と思うような一風変わった前衛料理(シェフは若いスペイン人)で、美味しかったのは、最初に出されたパンと脂がとろけるような生ハム、そして1番印象に残ったのは、デザートの苺タルトでした。帰り際に古いレジスターをたたくとキャッシュの代わりにキャラメルが入っていて、お土産にもらえたのがおもしろかったです 。
夜は 、船で知り合ったご夫妻2組とラ・テラッサでディナーをご一緒した後、水鏡の夜景を見るため小雨の中ブルス広場へ。20~30分間隔で出る噴水と霧で2cm程度に張った水面に、川と反対側にある、ライトアップされた元証券取引所の壮麗な建物が逆さまに映り込む美しい夜景で有名です。人が歩いて渡ったり、風が吹いたりしてなかなか鏡のようにはなってくれず、結局夜10時の終了まで粘り、なんとか満足いく写真がとれました(フォトギャラリーに掲載しています)。
ボルドー2日目の午前中は、サンテミリオンからスタートするサイクリングとワインシャトー訪問ツアーに参加しました。小雨がたまに降るような曇り空で心配しましたが、高台から見下ろすサンテミリオンの石造りの街並みはしっとりと風情があり、また、ブドウ畑の間を走り抜けるサイクリングも気持ちよく、十分楽しむことが出来ました。ツアーの最後には地元経営のシャトー、ラ・ドミニクを訪問し、ワインテイスティング。バスでボルドー市街に戻る頃にはすっかり晴れて青空が見えていました。船でランチ後は、ボルドーの街を散策。重厚な建物が続く街並み、アールヌーボー様式のアーケードやステンドグラスが美しいサンタンドレ大聖堂などが印象に残りました。
寄港地観光:船会社のショア・エクスカーション
所要時間:4~5時間
費用:無料
ベル=イル=アン=メール(ル・パレ)
オイスターテイスティングツアーに参加しました。ベル・イルは「美しい島」という意味で、ブルターニュ地方最大の島です。船はル・パレの港の沖に錨泊。ツアー開始前にテンダーで港に行き、町にある、モザイクの装飾が美しい教会を見学しました。ツアーでは、最初にバスで島のちょうど反対側にある、コットン岬へ。見下ろすとこわいぐらいの高く垂直な崖下の海に、モネが描いたことで有名な尖った黒い岩が並ぶ、迫力のある風景が見られます。その後近くのリゾートホテルに行き、青い空と海を見渡せる広いテラスで、地元の新鮮なカキとバゲット、ブルターニュのバターと白ワインを賞味。美しい入り江を見下ろす絶好のロケーションも相まって、シンプルながらも忘れられないランチタイムになりました。
寄港地観光:船会社のショア・エクスカーション
所要時間:3~4時間
費用:無料
ドゥアルヌネ
船は、発音がむずかしいこの町の沖に錨泊。テンダーで港に向かい、カンペール とロクロナンへのバスツアーに参加しました。カンペールはブルターニュ地方の文化を色濃く残す町で、オデ川とステール川に囲まれた旧市街には、ステンドグラスが美しいゴシック様式のサン・コランタン大聖堂や、1階から順に上の階に行くほど前にせり出していく独特の木組みの家が並んでいます。所々に城壁も残る町を散策し、活気あるマーケットや、広場で行われていたサーカスも見ることが出来ました。次に訪れたロクロナンはフランスの美しい村に選ばれていて、スレート屋根の石造りの家々と教会の建つ広場の中央には古い井戸もあり、中世で時が止まったような雰囲気があります。その 広場の一角にあるレストランでランチタイム。地元産のシードルを飲みながら 、名物のガレットづくしのメニュー(前菜 塩バター、メイン 卵とハム、デザート 塩キャラメル!)をいただきました。食事の後は、村と周辺の散策へ。坂を下った村はずれにある小さな 礼拝堂を見学し、林の中を進んで菜の花畑を遠くに見晴らす通りを抜け、脇の小道から、元の広場に戻りました。ル・ギロウというベーカリーの大きなクイニーアマン(ブルトン語でバター菓子)もお土産についていて、ブルターニュ地方のグルメと文化を満喫した一日でした。
寄港地観光:船会社のショア・エクスカーション
所要時間:5時間以上
費用:無料
サン・マロ
モンサンミッシェルへのツアーに参加しました。この日も錨泊でテンダーでしたが、参加者数に対して運営方法がわるく、集合は9時半でバスの出発は11時過ぎ、モンサンミッシェル近くの駐車場に到着したのは12時半頃でした。超巨大な駐車場から専用バスに乗り換えて橋を渡り、モンサンミッシェルへ。残念ながら完全な引き潮で、島のまわりには砂地がひろがっていました。バスも参道も大混雑、修道院 に入るにも行列でしたが、ガイドさんがなにがしか係員と相談し、専用通路から優先入場。内部はひんやりとして涼しく、美しい回廊や食堂、牢獄だったときに使われた巨大な滑車などを見学しました。感激するほどではありませんでしたが、島と修道院が一体化してひとつの岩山になったような不思議な景観を間近に体験するために、やはり一度は来てみて損はなかったかな、と思います。この地方にはめずらしいという、雲ひとつない青空の下、荘厳というより元気いっぱいな感じのモンサンミッシェルをまぶしく仰ぎ見て、帰路につきました 。
寄港地観光:船会社のショア・エクスカーション
所要時間:5時間以上
費用:無料
ル・アーブル(パリ)
この日はル・アーブルの町から徒歩30分ほどのところにある商業港に停泊。朝、がんばって町まで歩き、少しだけ雰囲気を味わった後、港に戻り、フェカンとエトルタへのバスツアーに参加しました。最初に訪れたフェカンの町には、ベネディクティンと いう薬草のリキュールで有名なベネディクト派修道院があり、修道院の見学とリキュールの試飲をしました。世界中 でニセモノが製造されていたらしく、日本も含む、ニセモノコレクションの展示がおもしろかったです。次に向かったエトルタの町では、駐車場から15分ほど歩いて、木組みの家が立ち並ぶ通りを過ぎ、モネを始め、多くの画家たちが題材にしたことで有名な白い断崖を見渡せる砂浜へ。切り立ったアヴァルの断崖、エトルタの針と言われる白い岩やアーチ状の岩を見ることができます。崖の白い岩肌とビーチの白い小石が太陽をまぶしく照り返し、スカイブルーの空に、うっすらともやがかかったようにみえるほどでした。ル・アーブル出航後、船からみた日没の風景は、ピンクと薄いブルーの空にぼんやりと遠くに船が浮かび、まさにモネの描いた絵画のようでした。
寄港地観光:船会社のショア・エクスカーション
所要時間:4~5時間
費用:無料
ロンドン(タワーブリッジ)
早朝シルバー・クラウドはテムズ川に入り、川を遡って7時半頃に標準時で有名なグリニッジを通過、ロンドン五輪に合わせて完成したロープウエーの下を通り、8時半頃にはタワーブリッジに接近。下の跳ね橋をあげたタワーブリッジをくぐり抜け、ロンドン塔とテムズ川をはさんで反対岸に係留されたHMベルファスト号に、横付けに停泊しました 。ロンドンの町へ出るためには、まずHMベルファスト号に乗り移り、甲板を通って、市が運行するテンダーに乗換え、ロンドン塔のすぐ近くの川岸にあるタワーミレニアムピアに移動する、という手順を踏まなければならず、ロケーションは最高ですが、出るのにはけっこう手間がかかりました。この日は、ロンドンパノラマバスツアーに申し込んでいましたが、入国審査などに時間がかかり、出発は予定より1時間超過して11時、道路も大渋滞で、主なランドマークの前を通り過ぎるのに2時間要し、結局私たちも含めたほとんどの乗客が、停車した国会議事堂近くでそのままバスを降りました。ロンドンの象徴ともいうべきビッグベンが、改修のために布で覆われ、その存在もわからないような状態で、ちょっと寂しかったです。その後、地下鉄を使って、ビクトリア&アルバート美術館と大英博物館を見学し、船に戻りました。
シルバー・クラウドからは、夕焼けから夜景まで、刻一刻と移り変わる、タワーブリッジやロンドン橋、ロンドン塔などのテムズ川沿いの美しい風景を、堪能することができました。
翌日は朝8時に、予約しておいた日本人ドライバー兼ガイドの運転するタクシーでコッツウォルズへ。バイブリー、アッパー&ロウアースローター、ノーントン、チッピングカムデンを巡り、途中、コッツウォルズらしい一面の菜の花畑や、緑・黄・茶のパッチワークのような丘、羊の群れなど、目にとまった所々で、写真ストップをしてもらいました。イギリスの物価に合わせて料金は高いですが、同日19時の飛行機で帰国という限られた時間のなかで、荷物を気にせず、見たいところを効率よくまわれて、とてもよかったと思います。
寄港地観光:自分で
移動手段:バス・電車・タクシーなど
移動時間(片道):90分以上
移動費用(片道):10,000円以上
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