大型クルーズ船が相次いで中国から撤退
”2017年6月にノルウェージャンクルーズラインが中国市場進出のために上海、天津を母港にしノルウェージャン・ジョイを就航させた。
「開場のファーストクラス」とうたい中国人が満足する設備、ショップ、サービスを整え、ミュージカルなどのエンターテイメントも充実さえたが、今年7月ノルウェージャンクルーズラインは2019年4月から中国航路からアラスカ航路へと航路変更することを発表した。”(引用:Yahoo!ニュース『DIAMOND ONLINE』2018.11.9)
撤退の理由は「ノルウェージャン・ジョイは中高年客が多く船上での2次消費が少なく経営的に厳しくなった」と中国メディアは報道している。
韓国入国が難しくなり低迷期に突入へ
また2017年以来、韓国への寄港が難しくなり中国国内のクルーズ船市場は低迷期に入り、加えて外国客船が次々に新しい船を配船してきたことも急速に競争が激化した理由とも考えられる。
中国船の韓国への入国が厳しくなった理由としてTHAAD(高高度防衛ミサイル)もあるのではないでしょうか?
(中略)高高度防衛ミサイル(THAAD)の在韓米軍配備に反発する中国が昨年、中国人観光客の韓国への渡航などを規制する「限韓令」を出して以降、急激に落ち込んだクルーズ観光産業は今年もなかなか良い兆しが見えないと報じた。( 引用:Record China2018.3.8)
THAAD問題に反発し中国人を乗せたクルーズ船が韓国に寄港しても中国人の下船が全くなかった、というニュースもありました。韓国側も中国から日本、台湾、香港などでのプロモーションを進めているということです。
”中国市場の撤退を余儀なくされたのは、ノルウェージャン・ジョイだけではない。2017年11月に、プリンセス・クルーズのマジェスティック・プリンセス号も中国市場を離れ、オーストラリアクルーズ市場に移ると発表した。また、今年3月には、中国の豪華クルーズ船会社、天海郵輪の天海新世紀号(SkySea Golden Era)も、携程中国旅遊網とロイヤル・カリビアンの合併会社に売船された。”(引用:Yahoo!ニュース『DIAMOND ONLINE』2018.11.9)
クルーズ船の中国市場撤退理由は他にも?
食べ残しやマナーが原因か
”米クルーズ大手ノルウェージャン・クルーズライン(NCL)はこのほど、中国人観光客専用の豪華客船ノルウェージャン・ジョイ号について、2019年4月に中国市場から撤退すると発表した。同船は2017年6月28日、上海港でデビューしたばかり。中国撤退について、同客船を利用した中国人ネットユーザーは、中国人利用客、特に中国「大媽」(中国の50代~60代の女性)の食べ過ぎとマナー問題が原因だと推測する。”(引用:EPOCH TIMES 2018.10.16)
これに対しノルウェージャン・クルーズラインのアンディー・スチュアート社長兼CEOは「中国は良い市場だが、アラスカほどではない。我々は最大のクルーズ会社ではないので、チャンスを見定めた上で船を配置しなければならない」と旅行情報メディアに答えているとのこと。
船に戻らず不法滞在者となる恐れも
”滞在期間は最長30日間なので、船に戻らないからといって、すぐに不法滞在とはいえないが、ビザ(査証)なしで入国審査を通過できる制度を悪用したことには変わりない。しかも、その後も戻ってこなければ不法滞在者となる恐れもある。この問題は無視できない。”(引用:Yahoo!ニュース『DIAMOND ONLINE』2018.11.9)
クルーズ船撤退問題とは別ですが、日本でもクルーズ船で上陸しクルーズ船にも戻らない中国人がここ2年で約4倍に増えているということです。
中国人にショートクルーズが人気の理由
先日参加したクルーズポート・セミナーでのお話によると、日本人同様中国人も『長期の休みが取りづらい』理由からショートクルーズが人気となっているそうです。
シンガポール発着のクルーズも5-6日のものが多いのも納得です。
また船会社の自主クルーズというものがなく、運行のほとんどが旅行会社のチャータークルーズで成り立っているというのも中国でのクルーズの主流なのだそうです。
クルーズ船などでの『大量の食べ残し問題』は中国人だけの問題ではないと思います。ハーモニー・オブ・ザ・シーズに乗船した時も何度も残念な光景を目にしました。
もともと中国人の食べ残しは「十分いただきました」というマナーであるとも言われていますし(真偽はいかに?)…。撤退するクルーズ船もあれば今後中国に配船予定のクルーズ船もあるので減っているようでトータルでみるとそうでもないのかもしれません。
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