※あくまで私見ですので、予めご理解の上、読み進め願います
11月15日、日本国際クルーズ協議会(JICC)より、「国際クルーズ運航のための感染拡大予防ガイドライン」が発行され、来春からの外国船籍のクルーズ船運航再開が報道された。
これを喜ばしいニュースと受け取る方も多いとは思うが、私は大いなる不満と不可解さを拭いきれない。
それは、僅かに1箇所、
「18歳以上の乗客の95%以上は、2回接種の1次予防接種を受ける。」
これに尽きる。
自分の身に照らして現在の実際の状況を平たく言うと、
「ワクチン接種を受けていない私は23年5月のダイヤモンド・プリンセスに乗船できない。」
「21年8月に2回接種までを終えた(3回以降未接種)私の連れは、23年5月の航海に乗船できる。」
…何か違和感を感じないだろうか。
例えば、出航日から逆算して180日以内にブースト接種まで受けた人は乗船できる…そんな条件であれば納得も出来るし諦めもつくが、21年に接種した2回目接種の抗体が23年以降も有効と見なされるというのは、巷で頻繁に用いられている「エビデンスがない」とはならないか。
なんでもこのガイドラインは厳格なオーストラリアの基準をファウンデーションとしたものらしい。
が、最近(22年12月現在)のオーストラリアでの状況はどうだ。
●マジェスティック・プリンセスが、船内で800人の新型コロナ陽性
●クイーン・エリザベスで400人の乗船客が陽性
●セレブリティ・エクリプスが300~1,500人(推定数にはメディアにより諸説あり)の陽性者を発生させてシドニーに停泊中
95%以上のワクチン接種を義務付けたガイドラインの結果がこれである。
片やほぼ100%の稼働率で、乗船条件やワクチン条件もほぼ撤廃されている北米や欧州での運航はどうか。
私が知りえている限りでは、仮にクルーズ船内で陽性者が発生しようとも、ある意味「多く存在する感染症の中の一つ」と位置づけられ、新型コロナにだけフォーカスしての報道はされていないように見受けられる(少なくとも大々的に報じられたものを探すのは難しい)。
このオーストラリアでの状況を
「3年前から何も学んでいない。またクルーズ船の悪夢を繰り返すのか。」
と批判する人も多いが、それは違う。
学んでいないのは、今でも新型コロナウイルスを「未知の殺人ウイルス」の様に摺り込まれたまま3年前から時が止まってしまい、ワクチンが安心安全の免罪符だと思い込んでいる人々です(注:私はワクチン反対派ではありませんw 興味がないだけですww)。
残念ながら、来年2月のスペクトラム・オブ・ザ・シーズのシンガポール発着クルーズをキャンセルしました(規制の問題ではなく、外国で陽性判定された時の隔離のリスクを考えての事です)。
そして、このままの規制であれば、来年5月のダイヤも乗船できません。
4年越しでクルーズ船に乗れなくなってしまうのです。
もう何度リザーブとキャンセルを繰り返したかも忘れてしまいました(苦笑
このままだとコスタ同様、アジア市場から一時退避するクルーズブランドが発生する可能性も無いとは言えず(クルーズ船乗員全員のワクチン3回接種も必須とされたガイドラインなので)。
国内クルーズ再開のニュースが、結局クルーズ再開の障害にならない事を祈って、筆を置きたいと思う。
【'22.12.13追記】
プリンセスクルーズの日本発着クルーズのガイドラインは、JICCガイドラインよりも更に厳しく、18歳以上では、ワクチン3回接種が義務とされました。
このまま改訂されなければ、連れも乗船できなくなりました(苦笑
ご卓見、読ませていただきました。
コロナはまだまだ未知の病、という事で、クルーズを全面的に開放した欧米でも、感染者の急増で船内ではマスクの着用を再び推奨する方向とも聞いていますが、現状はどうなのでしょう?
なお、私はワクチン絶対派ではありませんし、お上の言う事は嘘が多いと思っていますが、おまじないの一種と思って規定通りの回数を接種しています。
junさん、コメントありがとうございます。
豪州のクルーズではマスク着用が復活しました。欧米ではあまり聞きませんが、私も正しい情報を知り得ていません。
クルーズファンにはご高齢の方も多く、ワクチンを接種している人も多いと思われるので、ワクチン2回条件が障害になる人は少ないかもしれませんね。
結局日本人だけではなく、欧米やアジアからのクルーズファン復活~導入が日本周遊を再活性させるものだと思いますので、欧米ではワクチン接種条件などもほぼ撤廃されている中、インバウンド需要の停滞がクルーズ会社側のアジア運航に都合の悪い判断をされたくないな、というのが本音です。
コスタクルーズは中国需要の回復が見込めず、早々に2023年のアジア撤退を決めましたしね。
悩ましい限りです。
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