バーで音楽を楽しんだ後は、再びデッキ14に戻って先ほどお会いしたクルーズ船の経済効果の調査のために乗船した方と一緒にお話をさせてもらいました。
ビュッフェからピザと飲み物をゲットしてデッキでお話をさせてもらいました。
今回のクルーズには、経済系の大学生の人達が約20名ほど乗船されているようでして、船内でセミナーや講習会を受講しながら、クルーズ船が日本経済にどのような効果をもたらすのか等の研修をしているんだとか。確かに近年、日本発着や寄港の外国籍のクルーズ船は増加し、クルーズ船が寄港することによる地元への経済効果(例えば中国人観光客の爆買い)等の報道もされたりと、クルーズ船のもたらす経済効果について注目されてきていると思います。
今回は、日本のクルーズ旅行の今後の展望を考えてみましょう。
まず、日本人自体のクルーズ旅行客の需要ですが、ゆるやかに上昇しているとは思います。
ただし、今のところ、クルーズ旅行自体が爆発的に需要が増えることはないと思います。
これには主だった要因がいくつかあると思うのですが、まずひとつは「クルーズ旅行がお金持ちの旅行手段であると言う印象が強い」ということ。
これは旅行代理店等が「クルーズ旅行=お金持ち・引退後の華やかな旅行」というイメージ戦略でマーケティングをしてきたということが主だった要因じゃないかと思います。
これに対してアメリカ・ヨーロッパではクルーズ船旅行は大衆旅行の代名詞のひとつとなっていて、フロリダ半島や地中海では、1泊や2泊で50ドル~といった格安な航路も多く存在します。
日本ではクルーズ旅行のお客さんは高齢な方が多いですが、海外では10代・20代の方も多く乗船しています。近年の外国船の日本航路参入で、クルーズを専門で取り扱う代理店も少しずつ安い航路のマーケティングにも着手している印象はありますが、まだまだ高級路線に主眼を置いている感が強いのは確かです。
さらに挙げられる要因として「日本人は長期のまとまった休暇を取りにくい」という社会性・国民性が挙げられると思います。これは特に若い人に多い傾向で、GWや秋のシルバーウィークも仕事がある(これは私自身もそうですが)などでクルーズ旅行のような長期(5日~10日間)の休みが取れない。というわけです。
そんな中、最近インターネットのビジネス記事にこんなテーマが取り上げられていました。
「踊り場に来たクルーズ船ビジネス、異業種からの黒船参入で衝撃走る」
(元記事はクリックで表示されます)
こちらの記事では、中国発のクルーズ旅行客が減少に転じたためクルーズ利用の外国人訪日客が減少、日本でのクルーズマーケティングは今後転換が求められる。と書いてあります。
また家電通販大手のジャパネットがクルーズ業界に参戦し、激震を与えたことも記事になっています。
こういった記事などを読んだ上で、私なりに今後のクルーズ業界を盛り上げるために何が必要なのかを考えてみました。あくまで素人の考えなので、そこはご了承ください。
◇クルーズ船の受け入れ態勢の早急な整備◇
はっきりと申し上げると、日本という国単位で考えた場合、海外の大型クルーズ客船を受け入れるための環境整備は大幅に他のクルーズ先進国に対して遅れをとっていると思います。
東京では2020年に東京国際クルーズターミナルが開業しますが、こちらに係留可能なのは22万トン級までのクルーズ船1隻で、複数のクルーズ船の発着には対応していないように見えます。
現在、複数のクルーズ船を収容できる港は横浜港がありますが、大さん橋埠頭にはベイブリッジを潜ることができない大型船は進入不可、大型船が着岸可能な大黒ふ頭は元々が貨物港のためかなり質素な場所にあるうえに横浜までの交通利便性が悪いといったデメリットがあります。
私の住んでいる神戸港も同時に受け入れ可能なクルーズ船は中ふ頭と神戸クルーズターミナルの2隻まで、中ふ頭は大型客船は進入できない(コスタ・ネオロマンチカ等の中型船は着岸実績あり)などのデメリットがあります。
台湾の基隆ですら、10万トンオーバーの大型クルーズ船を同時に2隻入港させることができるので、環境整備という面ではまだまだ見直しの余地があります。
個人的には最大で3隻程度の22万トン級の大型クルーズ客船が着岸可能な埠頭の改修か新設を、どこかの自治体が国と一緒に実施してくれないかなと思っています。
その際に埠頭からの交通アクセスの整備も念頭に置いて欲しいと思います。
これは「クルーズ客船から下船してくる1隻あたり5000人程度の乗客を」「円滑に輸送することができる交通手段と施設の整備」です。
これを港を保有する地域の交通会社との連携や、地元のバス・タクシー会社と連携すれば、大きな経済効果も期待できるのではないかと思います。
◇クルーズ客を地元で受け入れるための体制作り◇
多くの経済評論家の方々が指摘していることですが、日本のクルーズ船寄港地での受け入れ態勢には地域格差が大きく表れてしまっています。
私が過去3回乗船しただけでも、入港時に地元の観光協会の人達がボランティアガイドを実施したり、地元の特産品や観光地を積極的にアピールしたりしているところもあれば、なんの音沙汰も無い場所もありました。
個人的には金沢港での入港時の加賀友禅大使の方々のお出迎えや、出港時のお見送りなどが印象深いのですが、こういった「おもてなし」をきちんとできている地域と、していない地域の地域格差は今後益々広がると思います。
クルーズ船で上陸する乗客の方々は現地の方々の暖かい歓迎は絶対に印象に残りますし、また行きたいなと思うようになります。クルーズ船での寄港地滞在時間は基本的に半日程度なので、この短い時間で如何にリピーターになってもらうかのアピールが重要です。
寄港地の港にお出迎えやお見送りのイベントを実施し、船会社のツアーを利用しない個人観光の人達向けの観光案内や独自ツアーの作成。地元の商店街のおいしいお店をマークした地図を配布・・・などなどできることは多くあります。
こういうアピール姿勢がまだまだ足りないと思います。
私の地元神戸もお見送りは盛大に実施していますが、もっとのびしろはあると思います。
◇クルーズ旅行=お金持ちからの脱却◇
これに関しては、本当に少しずつではあるものの、各クルーズ会社努力していると思います。
日本のクルーズ船は高級路線でいかないと採算が取れないと思うので(10万トンを超えるような大型船ではなく、サービスも高級志向)日系船との差別化を図っていくしかないと思います。
実際のところ、ロイヤル・カリビアンやMSCクルーズ、コスタ・クルーズ等の会社はネット媒体でのアピールに力を入れ始めており、インフルエンサーとなるブロガーやYoutuberの方を熱烈に募集するなど、日本の若年層向けのアピールにかなり熱を入れています。
先日ですが、有名YoutuberのヒカルさんがこのMSCスプレンディダに乗船し、内部の様子をアップしていました。
◇日本人はもっと長期休暇を取れるようになりましょう◇
( ゚д゚)<おいい!!
( ゚д゚)<そこんとこほんま頼むぞおおお!!!
( ゚д゚)<進め働き方改革うううう!!!!!!
~つづく~
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