クァンタム・オブ・ザ・シーズともお別れの日がやってきました。
下船は毎回後ろ髪引かれる思いですが、シンガポールクルーズに関しては
「またいつでも乗れちゃうし」
という気持ちがあるからなのかあっさりしたものです。
1年で3回も乗っちゃうくらいの航路だもの。
このクルーズは今までとのクルーズとはまた違ったインパクトがあるものでした。
人生において、いくつかある大きな別れと結びついてしまった旅ではありましたが、今までのクルーズの中で最大の「プライスレスな時間」を過ごせた旅でもありました。
きっとこの航路にはまた戻ってくるでしょう。
朝6時、船は間もなくシンガポールに着岸です。
反射する街明かりが綺麗で都会に帰ってきたなーという実感がわきます。
まだ下船は始まっていないのにがらーんとしたデッキ。
みんなどこに行っちゃったのかな?
ペナン島で一緒だったコスタフォーチュナも帰港しています。
船からのこの眺めこそシンガポール発着クルーズならでは。
1枚くらいシンガポールの街をバックにした写真が欲しいと言われたので両親も記念に1枚。
出港は見られなかったけど入港は見られたからまぁいいか。
朝食後は部屋の荷物をピックアップして下船待機所のTwo70へ。
最終下船は10時。
下船してもこれと言って計画はないので最後まで船に居ようねと話していたけど、あまりにも誰も居なくて申し訳ないくらい。
結局9時ごろ下船をしました。
最後にコーディネーターのYさんとお別れ。
わざわざ見送りに来てくれました。
やっぱり今回は乗客が少ないので混みあうことが無くすんなりみんな降りてしまった模様。
Yさんとは今回久しぶりにゆっくりお喋りする時間があり、お互いクルーズが、そしてロイヤルカリビアンが大好きなんだなぁということを再確認。
C19の影響を受けた今回の航海、改めて色々と考えることもありましたがクルーズはやめられません。
前回はひたすら待つ羽目になったマリーナベイクルーズセンターも列がほとんどありません。
案の定、父は指紋検査で引っ掛かり時間がかかって何とか入国。
Eアライバルでの入国は簡単で良いけど、指紋の読み取りができない場合はどうしても時間がかかっちゃいます。
小型スーツケースしかないけれど、それぞれ引っ張って観光するのも邪魔なので港のストレージサービスに預けました。
1個S$10で3個預けるとS$2の割引です。
引き取りは16時が最終です。
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今回は街までMRTを利用します。
暑いー!
やっぱりシンガポールは暑いです。
でもこの青空と緑豊かな景色を見ると「南国って良いなー」という気持ちに一瞬だけなるんです。
せっかくだから記念撮影!と2人並べたけど、「コスタは座礁した会社だからいやだなぁ」と渋る父。
母のマーメード柄の可愛らしいTシャツは数年前にどこかの船で購入したロイヤルカリビアンのお土産Tシャツ。
小柄な母のサイズに合わせたら女児用しか無くてラブリーな柄になってしまった。
日本では恥ずかしいけど、シンガポールならOKなのだそう。
折角ここまで来たし展望デッキに行こうと誘ってフェリーターミナルの屋上へ。
思いっきり雨雲かかってます。
どうやらちょっと前まで土砂降りだったみたい。
クァンタムが見えなーい!
このながーい道のり。
屋根があっても暑くてヘトヘト。
ターミナルでアイランドホッピングの案内があったけど「大きい船を降りたばかりで小さい船に乗るなんて興味ない。」と一蹴され午後の目的地は離島ではなくなりました。
マリーナサウスピア駅からMRTを利用。
ロシアから来たご婦人にチケットの買い方を教えてあげました。
小銭をたくさん出してきて買ってくれーって。
券売機使ったことないのかな?
裏側からサルタンモスクに到着。
正面に回るために横道を歩きます。
シンガポールらしい町並みが出てきました。
トルコで見かけたようなレストランが登場。
テーブルのタイルとモザイクランプが可愛らしい!
アラブストリート到着。
エジプト出身の客引きが熱心に営業。
ごめんね、お腹空いてないのですよ。
どーん。
天気が悪くて残念。
でも雨降ってないし、刺すような陽射しが無いだけマシかな?
父は完全にクルーズ腹になりました。
多分ピザ食べすぎ。
そのままひたすら歩いてリトルインディアへ。
健脚な両親なのでこちらはヘトヘト。
歩いて回るのが楽しいんじゃないか!と二人ともどんどん先を目指します。
歩くことが目的なのか、目的地に到着しても中に入るでもなく「フーン」と外観を見て終了。
まぁ、街歩きってそんなもんだよね。
日本にない景色、似ている景色を見て一喜一憂です。
ランチはせっかくのリトルインディアだから本場っぽい所でカレーを食べたいという父の希望でカレーとなりました。
母は若かりし頃にバックパッカーでインド&ネパールを回っており、本格的なスパイスフードを50年ほど前に経験済み。
父は母の作るスパイスたっぷりインドカレーに慣らされて、日本でもインド料理のお店にはよく行くので本場の味が気になった様子。
で、いかにも本場っぽいインド人が手で食べて、店をのぞくとギョロっと大きな目でこちらを見るような食堂があるので「ここにしようか」「あっちにしようか」と声かけるものの「ここはちょっと」と渋る父。
要するに「本場っぽいけど小綺麗な店」じゃないと冷房も効いて無さそうで嫌なんだとか。
我儘っす。
その辺の八百屋で「このあたりにお薦めのれレストラン無い?」と聞いたところ、こちらをお勧めされたのでここで決定。
父が選んだのはこちら。
ベジタリアンメニューです。
野菜や豆のカレーが7種類とサツマイモのスープにココナッツミルク。
父、本場の辛さにやられて撃沈。
サツマイモのスープだけが美味しかったそうです。
(と言いつつ半分くらい食べてた)
私と母はこちらのセット。
私はチキン、母はエビ。
辛いけどウマい。
近所の会社からランチタイムで来てるような人で賑わう本場なお店でした。
店を出ると
「はー、辛かった。本場はダメだ。」
と負けを認める父。
やっぱり船のピザが恋しい?
とりあえずもう荷物だけ受け取りに行っちゃおう!と再び港へ。
乗船待ちで賑わってたターミナル内もすっかり静かになっていました。
今度は荷物を持ってフラトンホテルへ。
春節モードは終了していました。
ここでのティータイムは至福の時間。
甘党の両親はケーキセット。
でもカレーを半分しか食べられなかった父は物足らないのだそう。
結局クラブハウスサンドを完食してました。
完全に胃袋がクルーズサイズにアップしています!!!
私はしっかりカレーを頂いたので紅茶だけで十分。
空港まではMRTを利用。
鉄オタで地図好きの父はガラガラの車内で座ることなく地上区間ではひたすら車窓を楽しんでました。
地図で見た知識を延々と披露する父の横に行く母。
多分なーんも聞いちゃいないでしょう。
でも楽しいのかな?
今回は「行っトク!シンガポール」の特典で無料でラウンジが利用できたので出発まではラウンジで過ごします。
それにしても蒸し暑かったー。
まずはシャワーを浴びてサッパリ。
軽食を頂いて出発までのーんびり。
よく考えたらジュエルを見に行けば良かった。
でもこの時は暑くて疲れて「ようやく帰れるー!」と思っていたのです。
搭乗ゲートに移動。
はて。
お土産は全部ここでいいや、と大量に買ったBengawan Soloの大きい紙袋が見当たりません。
そうです。
ラウンジに置いて来ちゃったんです。
もう戻るの面倒。。。
気が緩んでたんだなぁ(泣)
順調なフライトで成田に到着です。
やっぱ国際線は成田が良いわ~!
成田エクスプレスで新宿まで戻り、両親とはここでお別れ。
2人とも「まだまだ乗ってたかった」というほどクルーズにドハマり。
やっぱりいいよね~船旅は♪
週末は写真を整理して、翌週は鑑賞会でもしようかな?
興奮冷めやらぬうちに両親は留守番していた夫にあれこれ話したいはず。
Bengaawn Soloで大量購入したのに一つも無くなってしまった今回のお土産。
GAMA様で買ったこれだけ。
GAMAで知り合ったご夫婦にお薦めして貰ったものです。
別れは突然やってきました。
帰国してたった5日。
乗船日から10日しか経ってないのに父が永遠の旅立ちをしてしまいました。
最初で最後だよ!なんて言って誘った今回の船旅。
まさか本当に最後になってしまうだなんて。
寄港地観光も大いに楽しみ、好きなものを食べ、潮風に吹かれながらタバコを吸い、ジャグジーに入って日焼けもして大満足だったシンガポールクルーズ。
「船乗りになるのが夢だった」なんて言ったこともある旅好きな父が、山ほど撮った写真も見ずという何とも呆気なく新たな旅に出てしまいました。
写真はどれも笑顔で後半になるにつれて真っ黒。
大満足で思い残すことがなくなったのか、苦しまずに寿命を迎えたようでした。
直前まで元気だったので母が深いショックを受けていますが、
「またいつか父が楽しんだ船に乗ろうね」
と宥めて次のクルーズを狙っている悪い娘です。
最後に楽しそうな笑顔の写真が沢山残してくれたのがせめてもの救い。
MRTで窓に張り付いて外を見る姿を見て
「まるで子供みたいだね。本当に電車が好きなんだね。」
と母と話していましたが、あれは目に焼き付けたんだなぁと思うと泣けてきます。
棺には大好きな時刻表と船のパンフレット、そして好きだった葉巻を入れてお別れしました。
今頃、船か電車に乗って旅を楽しんでいることでしょう。
実はこのクルーズ。
私たちが下船した日のクルーズが最後となりその後は全てキャンセルとなってしまいました。
今なお収束の見込みが立たないC19のパンデミックの影響です。
父は何と強運の持ち主なのでしょう。
中国人ゼロの静かな船内で、カジュアル船ながらクルーとゲストが1対1に近いくらいの手厚いサービスを受けられるだなんてラッキー過ぎです。
旅好きの父の影響を思いっきり受け継いだ私なので、旅好きの父の供養は旅をすること。
C19が落ち着いたらまた旅に出ようと思っています。
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