ユカタン半島のマヤ遺跡
中南米のユカタン半島は、マヤ文明の遺跡があふれているところ。
石造りの大きなピラミッドや神殿などのほかに、石灰質の地質から生まれる「セノーテ」と呼ばれる泉が多くあり、そこが聖地とされています。
セノーテは数千ヵ所あるともいわれ、観光地化しているところも多くあります。 古代文明では、生贄の乙女や宝物を投げ込んでいました。
今回の寄港地コズメルでは、セノーテで泳げるというエクスカーションもあり、私たちの大いなる期待がかかるイベントでした。
いくつかあるエクスカーションの中から選んだものは、コバのピラミッドに登り、セノーテで泳ぐというもの。 ピラミッドも数多くありますが、観光客に登らせているところはあまりありません。
保存のためと、急こう配で危険性が高いからです。
例えば、有名なチチェンイッツァのケツァルコアトルのピラミッドは登れません。
コズメルに上陸後、すぐにもう一つフェリーに乗り換えて、プラヤデルカルメンに移動します。 コズメル自体は島ですから、ユカタン半島のピラミッドに行くための移動で、寄港地観光のほとんどの人がそこへ向かうので、自然に流れていくとフェリー乗り場に迎えます。
そこから30分ほどで着いて桟橋から上がったところにガイドさんがたくさんいて、自分のチームを探します。
とても分かりにくくて、何度も聞いてやっと出会えました。
8人しかいないグループで、こじんまりしています。
ガイドは中年の元気なおばさまで、いわく、ここからドライブが遠いし、大変忙しいツアーだから、トイレ休憩なしと。 なのでみんなで、パブリックトイレへ向かいます。 チケットをガイドさんからもらっていくと無料ですが、本来は有料のようです。
そこから街の中をぬけて、駐車場のピックアップへ向かいますが、タックスフリーなのか、安いのか、銀座や青山原宿かと思うほどブランドショップが軒を連ねています。 リゾート感はあります。
そこから、車に乗り込んで今日も簡単なランチを渡されました。
可愛いロープと紙袋に入った、ハムサンドとクッキーとスナックとバナナに、小さいペットボトルの水です。  とにかく、ゆっくりできないから適当に食べてねと言われガイドさんの解説に耳をかたむけながら、車は進みました。 というより、ビュンビュンです。
市街地は多少の混雑がありましたが、郊外に出ると飛ばします。 なんでも、依然、帰りが遅れてクルーズのキャプテンに叱られたそう。
地域や歴史の解説のほかに、ピラミッドやセノーテでの過ごし方も話してくれました。
コスタマヤの人気のない遺跡に行った後で尋ねたコバのピラミッドは、それはそれはにぎわっていて、駐車場も広大だし、人がたくさんです。
そして天気の良いメキシコは、暑い暑い。
ピラミッドに向かうゲートの前で全員にペプシをごちそうしてくれました。 何しろ熱いでしょと。 みんなで一息入れて(ドライブが2時間以上でした)ゲートに向かいます。
コバのピラミッドは、その遺跡の地域がとても広くて、たくさんの遺跡があるのですが、その中で登るので時間がないから他のものはほとんど見られないと言われました。 ピラミッドまでも歩くと30分以上かかるから、タクシーに乗るか、もしくはレンタル自転車を使うように言われ、タクシー?と思っていましたら、なんと人力のタクシーで、席を据えた荷台を自転車で引っ張るものでした。
若手の4人組がレンタル自転車で行きましたが私たちはタクシーで。
本当に人が多くてタクシーも自転車も行き交って危ないようなところを走り抜けます。
ハードな遺跡見学
着いた所から5分ほどの場所にあるピラミッドに登りました。 以前マヤの遺跡は訪ねたことがあり、ピラミッドにも登りましたが、ここはとんでもない急こう配です。
登りは何とかなりますが、下りがとても怖くて、階段の真ん中に取り付けられたロープをつかんで一段ずつしか降りられません。   これでは時間がかかって他には行けないわけです。
ようやっと降りてきたら、背負っていたナップザックの裾が破けていたほど。 一段ごとに石段に当たっていたので擦り切れたのです。
そのあとは待たせていたタクシーで戻ります。
みんな登ったので汗まみれ、いい運動でした。
ご褒美のセノーテ
その後、またしても車中の人ですが全員休憩して次はセノーテ。 ですが本当にたくさんあるので、運転手が間違えてしまい、ちょっと時間ロスでした。
無事についたところはひなびたところでお客はほとんどいないし、シャワー(入る前に浴びる)もすいてるし、荷物のロッカーもなく、 お庭風のベンチで、ガイドさんが番をしてくれました。
良く写真で見かけるようなセノーテではなく地下にあって木製のらせん階段を10mほどの深さまで降りていくと真っ暗な洞窟の中に泉があって、明かりと桟橋が取り付けられているので、そこから泳ぎに入ることができます。
深さは3m~5mくらいあるように思いました。
小さい小魚がいくらか群れをつくっている他は生き物は見当たりません。
最初に入ったときにいたお客もすぐ帰って私たちの貸し切りで40分くらい入っていました。
薄手のドライスーツのジャケットと、水着の上に借してくれるライフジャケットを付けて入ります。
足元は岩が転がっていたりしますが深いので、足は裸足でも平気でした。   水温はさほど冷たくはありませんが、水は滑らかな感じです。
水中眼鏡でのぞいても人骨や宝はもちろん見えませんでした。
でもこれがきっとたいまつなどで照らされて儀式をしていたら、かなりのミステリアスな風景だったと思えます。
このあたりの暑さで、カメラの調子が悪くほとんど写真が取れなかったのが残念でした。
でも、ピラミッドの暑さは吹っ飛んで、身体的にはいい気持ちでした。
終わったあとは、急げやいそげで港へ向かい、帰りのフェリーの時間に間に合うようにドライブです。
船の出港が15時半なので結構な強行軍でしたが、貴重な体験はできました。 コバにしてもセノーテにしてもふつうのメキシコツアーではいかないようなところですので、クルーズならではでしょう。
ユカタン半島にはまだ未発掘の遺跡がたくさんあるとも聞きました。
古代の繁栄は素晴らしいものだったのかと興味は尽きません。
カリブ海のクルーズは海ばかりでなくカルチュアルなことまでも楽しめます。 次はグランドケイマンで、エイに挨拶にいくつもりです。
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