コスタ ビクトリア イタリアの廃船業者へ
今週家内がどこかのニュースを見て「ヴィクトリアがスクラップになるみたいよ。」と教えてくれた。その時は、私も仕事で忙しく半信半疑で聞き流していたが、週末になって時間が出来たので調べていたら、思った以上に大きな決定の始まりのようである。
コスタの親会社カーニバルは、90日以内に6隻を処分することを決めており、コストビクトリアはその第一船のようだ。Marine Traffic(*)で調べてみると、イタリアのリボルノ郊外、ピオンビノ(Piombino)の港に係留されている。イタリアのニュースによると、ジェノバの廃船業者San Giorginoに送られる前のチェックに入っているようだ。San Giorginoは、あのConcordiaをスクラップ処理した会社で、ニュース記事によると、
the only Italian company listed in the Register of Environmental Ship Reclamation & Recycling Facilities and able to carry out green ship recycling projects
つまり、イタリア国内で唯一の環境保全対策を施して廃船処理ができる会社に認定されているようだ。
(*) https://www.marinetraffic.com/ja
IMO; 国際海事機関に登録されている船の位置を始めとした、運行情報を掲載するサービス
ピオンビノでのチェックを終えると、San Giorginoのクルーによって、ジェノバに運ばれ廃船になるのであろう。
状況説明会
6隻のうち1隻がビクトリアなら、残りの5隻はどの船でどうなるのか気になるが、まだハッキリしていない様子。各情報発信者が推測しているが、カーニバルのファンタジークラスが可能性が高そうな論調が多い。
カーニバルのウェブサイトでは、6隻売却のニュースは出ていないが、2020年2Q(4~6月)
の業績に関する説明会が今月10日に計画されている。
2Qの業績説明では、6隻の処分と、今後の資金計画が発表されるのかもしれない。何れにしても、業界トップのカーニバルを持ってしてこの状況であり、改めて厳しさを感じている。当分カーニバルを含む各社の状況を見ていく必要がある。
ビクトリアの思い出
コスタビクトリアは、日本での就航も複数年なされていたことから、ご存知の方も多いと思う。私も船型が好きで、日本での定期就航が確定する前の2016年GWに乗船した。今でこそ、日本での定期就航が定例となったコスタだが、2016年はまだ日本マーケットに慣れておらず、アジアマーケットを意識した演出が少し空回りしていた印象がある。旅行記にも簡単に書いていた。
懐かしい思い出だが、古い船が予定より早く引退してしまうことは残念極まりない。操業出来ない中で、コストの垂れ流しを少しでも軽減する措置は判るが、それ以外に、新造船も多くの竣工が予定されており、マーケットが回復するまでの、船舶過剰が気になるところも背景にあるのであろう。何れにしても船らしい7万トンクラスの引退に寂しさを感じる。
このニュースには私も驚きました。
今のところ最初で最後のコスタで、今でも連絡を取り合っているクルーやゲストと出会った思い出の多い船なので非常に残念です。
90日で6隻売却。欧米の会計年度でいう、3Q(7〜9月)に資産圧縮する事が更なる融資の条件になっているのではないかと思います。米国でカーニバルの株価は下がっているのですが、どうしようもない倒産寸前という感じではないので、10日の発表は重要なのだと思います。HORIZONとVICTORIAという特徴ある船が廃船になるのは悲しいですね。
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