日本船とチルドレンルーム

何気なく本年度版の日本クルーズ客船ぱしふぃっくびいなすのカタログを見ていたらチルドレンルームが廃止されているのに気がつきました。

先日リニューアル工事が行われていて、プールサイドが木甲板になったり、エステ＆マッサージサロンが追加になったのは知っていました。

木甲板はうれしいことですが、エステ＆マッサージのほうは全く興味が無かったので、どこに設置されたのかすら気にも止めてませんでしたが、このチルドレンルームを潰して設けたとのことです。

どの企業も不採算部門は切捨てて、よりニーズの高い、儲かるものを拾い上げるのは世の常ですが、わたし個人としてはとても残念な気がします。

以前わたしが飛鳥に乗った時、一番ネックになったのが当時まだ幼かった我が子の事でした。小さくても大事な家族の一員、是非連れて乗りたかったのですが、ご存知の通り飛鳥には建造当時から子供を受け入れてくれる専用施設がありません。

旅行会社に相談したところ「大丈夫ですよ。小さいお子さん連れて乗られる方もたまにいらっしゃいます。船側でも面倒を見てくれます」とは言うのですが、子供室がないということはやはり子供にとっても、周りのほかのお客様にとってもあまり望ましい環境とは言えません。

わたしが他の客の立場なら子供が奇声をあげて走り回るラウンジには長居はしたくないですし、子供の立場だったら大人ばかりで何の遊び場もないところでずっと過ごしたくはありません。親の立場としても落ち着いてクルーズを楽しむ事は到底できません。

誰にとっても幸せな結果になることはないと判断したわたしたち夫婦はやむなく子供を預けて、二人で一晩の船旅を過ごしました。

以前、このブログの記事で飛鳥のクルーズ体験があまり印象に残る楽しいものではなかったと書きましたが、その原因のひとつに子供と一緒に楽しい船旅を分かち合えなかったからかもしれません。

その後、ぱしふぃっくびいなすにチルドレンルームがあると知り、「この船なら子供をつれて乗れるね」と話しながらも、結局家族でのクルーズは実現しないまま、わたしの子供のチルドレンルームの必要な時期は過ぎ去ってしまいました。

ぱしふぃっくびいなすは他の日本船より、価格も比較的安く、親しみやすい雰囲気を売り物にしている船で、そういった意味では欧米のカジュアルクルーズにいちばん近いのかなと思っていたのですが、今回の改装でそれが少し薄れてしまった気がします。

おそらくこういう施設を設けたものの、稼働率はかなり低かったのでしょう。子供づれでクルーズを楽しもうと言う発想自体がもともと希薄な日本では、ある意味仕方がないのかもしれません。

日本人のクルーズ人口の高齢化が指摘される現在、本当に老若男女全ての人がクルーズを楽しめる時代の夜明けはまだまだ先だと感じさせる、今回のぱしふぃっくびいなすの改装でした。

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上の写真は太平洋フェリー、きそのキッズルーム（１５）です。他の太平洋フェリ−の船には存在していません。わたしが乗ったときは１０月の平日と言うこともあり、２，３人の子供しかいませんでした。