わたしの好きな東京の名所に東京ディズニーシーというテーマパークがあります。なかでもお気に入りは客船好きなだけに、アメリカンウォーターフロントにあるSSコロンビアという「豪華」客船。1930年代のニューヨークの港を意識した町並みの大きなランドマークになっています。
もちろん中に入れて,2つある雰囲気のあるレストランで食事も出来、プロムナードデッキを通って船首までいくとお約束の「タイタニックごっこ」が出来ちゃいます。(船尾には行くことは出来ないので、船尾からぶら下がる「裏タイタニックごっこ」は出来ません)
この船首楼甲板にあるキャプスタンにもたれかかって、のんびりしている手すりの向こうは広い海、ほんとうに船旅をしている気分が味わえます。
船のデザインや煙突、カラー、船名などが英国キュナードの船の意匠に似すぎているなんていう人がいますが(わたしです!)そんな堅いことはいいっこ無し、純粋に20世紀初頭のニューヨークの港と船の雰囲気を楽しみましょう。
さてそれではこのSSコロンビアとはいったいどんな船なんでしょう?ちょっと調べてみたいと思います。
人づてに聞いた話ですが、スタッフの人にこの船の素性について尋ねると決まって「この船はかつて本当に大西洋航路を走っていた船です」と答えるそうです。
もちろん私は恥ずかしくて絶対に聞けません。子供たちに愛嬌をふりまいているミッキーマウスにむかって「あなたは本当のねずみですか?」などと誰が聞くことができますか?
船の近くに貼ってあるポスターなどによるとこの船はU.S.steamshipという名前のアメリカの船会社が所有する北大西洋航路の客船で、あと2隻の姉妹船があるみたい。
船名の前にSS(スチーム・シップの略)と付くところを見ると主機関は蒸気タービンと思われますが、具体的な主要目のデータは一切明らかにされていません。そりゃそうだけどね
せめて船の大きさが知りたくて、調べてみたがどうしても分からません。現地で歩数とかで測ってみようかとも思いましたが、残念ながら船尾まで行くことが出来ず断念しました。
そこで一計を案じてクルマのナビでディズニーシーを表示し、最少縮尺(10メートル)にして画面に定規を当てて測ってみました。なんて私は頭がいいんだ!・・・と言うか超ヒマ人。
そうしたところ、この船の長さは約130メートル、幅は25メートル前後であることが判明しました。さあ、少しずつこの船のなぞが解けてきたぞ!
まてよ、このサイズかなりおかしくないですか?
船を早く走らせようとすれば出来るだけ細く長くが基本。
それに較べこの船は、長さを見ると1万トンそこそこの船のサイズなのに対し、幅は2万トンから3万トンの船と同じだけあります。つまり上から見るとものすごくずんぐりむっくりの船なわけでこんなスタイルでは燃費ばっかりかさんで早く走ることは出来ません。双胴船なら別ですけど・・
しかも船のサイズとしてはその当時の北大西洋航路の船としてはずいぶんと小さく、特に長さが短いので、かなり荒天時のピッチングがはげしかったと思います。
本当の船であることが事実だとすると、大型化、高速化競争が激化して行ったこの頃、営業的にはかなり苦戦を強いられたのではないでしょうか?
ライフボートの数は右舷10隻、左舷はなぜか9隻の合計19隻、ただしボートの大きさ自体がめっちゃ小さいので、おそらく一隻に20人も乗ればいっぱいになってしまうでしょう。
タイタニック後のデザインなので、ボートは定員分備えているとして、380名定員、乗客はその6割として200人ちょっと、う〜んやっぱり採算はむずかしそう・・・。
とまあこんな感じに自分なりにこの船を分析してみました。
以下におさらいでわたしが勝手に考えたこの船の主要目を記しておきます。
S.S.COLUMBIA
U.S.steamship(米国)所属 船籍ニューヨーク 1932年建造
総トン数16827トン、 全長128メートル、 全幅24メートル、 喫水7メートル
主機蒸気タービン2機、 航海速力14ノット、乗客定員220名 乗組員150名
ね!こうやって書くといかにも本当の船みたいでしょ!
日本にもディズニーの船がやってきたらいいですね。夏休みのショートクルーズとかだったら結構乗客が見込めると思いますよ。
そうなった素晴らしいのですが・・・日本にはディズニーファンがたくさんいるわけですし・・でもディズニー側としてはかなりのリスクを伴いますよね。波高い北太平洋を日数かけて越えてくるとなると二の足を踏むと思います。そうなると日本船でのディズニークルーズがいいですよね。瀬戸内海限定のワンナイトクルーズとか・・・。
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