客船にあまり興味のない人でも、もしかしたらこの絵の船の名前をご存知のかたもいらっしゃるのではないでしょうか?
イタリア、ラウロ・ラインの客船、アキレ・ラウロ(23113、1947年建造)です。
1985年、パレスチナ・ゲリラにハイジャックされ、人質が1名死亡するという痛ましい事件で一躍有名になりました。バート・ランカスター主演でTV映画にもなっています。
実はこの船、この事件以前にも2度の火災事故、2度の衝突事故(そのうち一回は相手の船が沈没)を起こすと言うトラブルの多い船としても有名でした。
もともとはオランダの客船ウィレム・ルイスと言う名前で、1939年に起工したものの、第二次大戦のため完成はなんと8年後、1964年にはラウロラインに売られて改装され、このすがたになっています。
その後来日もしたことがあるようですが、いつごろなのかはよく分かりません。
例の事件のあと今のMSCの前身であるスターラウロ社に移籍、1994年、またしても火災事故を起こして沈没、2名の死者を出し、その波乱に満ちた生涯を閉じています。
わたしとしてはこの船のこういった数奇な境遇もさることながら、その船体のデザインに強く興味を惹かれます。
当時としては実に珍しい、プロムナードデッキより下につるされた、たくさんの救命艇。やたら前方に位置する、とがった2本のファンネル。
一目見たら忘れられない、独特なスタイルをしています。
決してオーソドックスなデザインではないのですが、前衛的な美しさがあり、なんとなくわたしの好きな船のひとつなので筆を取ってみました。
PUNIPさん、絵も上手ですが、船に関する情報が豊富ですね。yotajiiさんとお二人には感心します。 神戸のまつ
まつさん、実はわたしの場合、客船の知識はある程度古い船に限定されていて、最近の海外のクルーズ船のことは本当はよく知りません。たいていこういう記事はいろいろな資料を調べまくって書いています。
最近、古いネガを整理していましたら、懐かしいアキレ・ラウロ号の
ネガを見つけました。
もう大分、以前で、殆ど記憶に残っていなかったのですが、
ブログにアップしました。
トラックバックさせて頂きました。
よろしくお願い致します。
シドニーのJamesです。
しばらくです。
この船、私が大学時代の1971年にメルボルンで皿洗いをしていたころ、イタリア人の移民者を乗せて来豪していました。
移民政策が飛行機に移ってからは、しばらくはオーストラリアにはきませんでしたが、確か1995年位に突如としてシドニー起点の南太平洋クルーズを始め、この船でイタリアから移民してきたイタリア人に人気がありました。
その後ヨーロッパにもどり確かカナリー諸島で火災を起こし沈没したと聞きました。
懐かしいです。
船おじさん、トラックバックありがとうございます。
生アキレ・ラウロを目撃しているんですね。うらやましいです。
jamesさん、詳しい解説ありがとうございました。
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