1999年の引退ですから、そんなに昔の船ではないのですが・・
元商船三井客船の新さくら丸(最終時の総トン数19811トン、1972年建造)の建造当時の姿です。
いまでは考えられない話ですが、昔、日本の商品を船に乗せて世界の港を廻って売り込もうという、巡航見本市船というものがありまして・・
初代は戦前の生き残り貨客船の日昌丸(南海汽船、6500トン、1938年建造)を使って1956年から開始。
62年から専用船さくら丸を就航させて世界中の港を日本の商品サンプルを乗せて航海していましたが、たった10年でお役御免。この船が建造されました。
この建造当時のデザインはハウスを船尾近くに集中させたため、貨物船っぽい感じもありましたが、均整が取れていてとても美しいスタイルだったと思います。キャビンも当時はオールファーストクラスのグレードの高いものでした。
ある意味こういった船の存在が戦後日本の高度成長の一翼をになっていたわけですが、成長しきった日本にはもはやこういった船は不要になり、今度はたった8年でお役御免。
もともと見本市に使われないときは、貨客船それも貨物主体の船として利用できるように設計されていたのですが、時代はすでにコンテナ船隆盛期。このスタイルのままでは使い道がありません。
結局、1980年、初代さくら丸時代から運航を担当していた商船三井が買い取り、子会社の商船三井客船の研修用クルーズ客船として大改装されました。
2層ぶち抜きの大ホールが2つもある、いかにも日本の研修用客船。でもなぜか妙に乗った人には評判のいい、人気のある船でした。
興味のある方は当時の写真を探してみてください。
結局18年間、研修メインのクルーズ船として就航したのち、最後は中国で解体されています。
現存していれば船齢34年。まだまだ活躍できてもおかしくない船齢ですが、解体されてしまったのは改装後のそのスタイルと研修用に特化された船内設備のせいかもしれません。
今のように一般向けのクルーズが脚光をあびていないころのお話でした。
そんな船があったのですね。日本製品を売り込むための船なんて、いかにも高度成長期らしい・・・・ 外観はまさに貨物船ですけど、中身はビックリ!な船なのですね。
これまた懐かしい!見本市船そういうの有りましたね〜。
さくら丸なんて名前がス・テ・キ←アホですみません。しかも外観と中身が違うなんてまさしく名前の通りの船だ(笑)
こたけさん、わたしもよく知らないのですが、貨物倉を展示会場にして各国のバイヤーを呼んで商談したらしいです。つまり浮かぶミニ幕張メッセかな?
skyblueさんも写真に撮られているのではないでしょうか?
SAKURAさん、素敵な名前ですよね。商船三井の次の客船はぜひさくら丸と名乗って欲しいぐらいです。ところで記事にも書いた初代さくら丸は、この新さくら丸の就航で大島運輸に売られて、なんと「さくら」という船名になったんですよ。近くイラストを描いて記事にしますんでお楽しみに〜
以前にPunipからコメント頂いたことが有るさくら丸ですね、研修船として18年トータルでも30年、船の寿命としてはそんなものですかね?
おぉ、完璧ではないか(笑)。嬉しいなぁ、自分と同じ名前の船♪
shouさん、他の船はどうか知りませんが、大型外航客船の場合、30年ぐらいが平均的な寿命ではないでしょうか?もちろん、20年で解体された船もありますし、ザ・トパーズのように50年も生き延びて現役の船もあります。機械モノは何でもそうでしょうが要は使い方次第ですね。
SAKURAさん、客船「さくら」は今、資料を集めながら、どんな構図にしようか考えています。もうしばらくお待ちを・・
私はこの船の存在は随分前から知っていたのですが、まさか解体されたとは思いませんでした。TT 現役の頃は、貨物船を改造した日本の客船として、TVでも紹介された事がありました。凄く綺麗に描けていて感心しました。本当に動いている様です。光と影のコントラストが絶妙なバランスになっていて質感が伝わってきます。ベリグーですね。^^ポチします。
黄龍さん、ありがとうございます。日本ではこういう改造クルーズ客船って珍しかったので貴重な存在だったのですが、残念です。晩年はその独特のスタイルからたしか巨大マグロ漁船というあだ名がついていました。
この船は、おしりが綺麗な客船でした、そして船籍が大阪になっていたのです。就航当時、商船三井客船の親会社、商船三井は、大阪商船三井と大阪がついていましたが、その関係かなと思っていました。 引退するというので、ただの一度だけ乗船しましたが、外観と違い、公室でゆったりくつろげる船でしたよ。
SHIP7さん、この船って乗った方の評判はすごくいいですね。ふじ丸やにっぽん丸よりいいかも知れません。なんでなんだろう?そう考えると一度でも乗っておけばと悔やまれます。
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