先日、初代クインエリザベス改めシーワイズ・ユニバーシティの記事でちょっと触れましたアメリカの洋上大学船について書いてみたいと思います。
もともとはアメリカのチャップマン大学が始めた、寄宿制度のクルーズ版みたいなもので、現在はピッツバーグ大学がセメスター・アット・シーＳＥＭＥＳＴＥＲ ＡＴ ＳＥＡという独自の学習プログラムで大勢の学生や教員を乗せて主に太平洋海域を中心にクルーズしています。
日本にも主に神戸に、毎年数回訪れていますので関西の船ファンのかたにはなじみ深いのではないでしょうか。
まず１９７１年にオリエント・オーバーシーズ・ラインのユニバース・キャンパス（１３９５０トン、１９５３年建造）を使って開始しました。
一番上の絵がその船です。もともとアメリカの貨物船として建造されましたが、その後アトランティックという客船に改造された古い船でした。先日解体されたＭＳＣモンテレーとは貨物船時代は同型船です。
当時の写真はこじ太郎さんのブログで見ることが出来ます。わたしも一度だけ横浜で見たことがあります。
のちにピッツバーグ大学に変わり、船名もユニバースと改められ１９９６年まで活躍しました。晩年は今のエクスプローラーと同じような濃紺に塗られていたようです。
２代目は真ん中の絵のユニバース・エクスプローラー（２２１６２トン、１９５８年建造）もともとアメリカの南米航路の客船ブラジルで、ＨＡＬの２代目フォーレンダムなどじつに数多くの船会社、船名を経て、最後はこの洋上大学船に落ち着きました。ユニバース・キャンパスと建造年でたった５年しか違わないのですがずいぶん新しく感じられます。
３代目に採用されたのはは今年も４月と９月に神戸にやってくる、エクスプローラー（２４３１８トン、２００２年建造）です（一番下の絵）
もともとエーゲ海クルーズ用のオリンピック・エクスプローラーという名前でしたが、前船主がたった２年であえなく倒産。２００４年からこの洋上大学船として使用されています。
最近の客船にしては珍しい２８ノットの快速を誇る船で、デザインもそれらしい低く構えたいかにも速そうなスタイルをしています。
こんな感じでアメリカ、ピッツバーグ大学の洋上大学船の系譜をイラスト付で簡単に紹介してみました。
今年こそは神戸にエクスプローラーを見に行ってこようかな？
こんばんわ、4月神戸港に、エクスプローラー入港予定がありますね！ 昨年は、神戸市役所展望からの撮影しかしていないので、今年は、何とか、入港シーンの撮影が出来たらと、思っています。かっこいいですよね！
おはようございます！ 私のような勉強中のものには、このような絵や写真とあわせて変化の変遷がわかるような記述や書籍はあると助かります。ありがとうございます。船が転売やら何やらでイメージを変えてゆくのをきちんと追っていらっしゃるのは脱帽です！ますます興味が出てきました。^^
世界に先駆けて8,000TEU型の巨大コンテナ船を採用したOOCL（オリエント･オーバーシーズ・コンテナ・ライン）と同じ会社が、こんな船を所有してたなんて知りませんでした。このファンネルマーク、好きですよ。客船にも合いますね！
mapleさん、エクスプローラーの入出港中の写真はまだ見たことがありません。楽しみにしています。横浜にも来てくれないかな。
fismajarさん、わたしのイラストで客船に興味を深めていただくのはすごくうれしいです。簡単な記事とイラストだけですが要点はつかんでいただけたかと思います。っていうかこれ以上わたしもよく知らないので（笑）
アントンさん、オリエント・オーバーシーズ・ラインは昔は十数隻の客船を保有していた客船会社でした。梅の花をかたどったファンネルマークはかわいらしいですよね。また客船を運航して欲しいものです。
2代目のユニバース・エクスプローラーの真ん中の煙突はダミーですか?何かそういう感じがします。3代目のエクスプローラー、僕も神戸に行って見てみたいです。ポートターミナルに着岸というのがまた良いですね。去年訪れてすっかり雰囲気が気に入りました。
つうせいさん、たしかに真ん中の煙突はダミーでブラジル時代は展望室になっていました。本物の煙突は後ろの２本並列のデリックポスト風のやつです。エクスプローラーは４月に神戸に見に行くべく現在調整中ですがどうなることやら…
トラックバックありがとうございました。この２代目ユニバース・エクスプローラーは、２代目にっぽん丸に形が似ていますね。こちらもユーゴ製？だったのでしょうか。
こじ太郎さん、たしかアメリカ製だったような気が（おそらく…たぶん…きっと…）この船、ホランドアメリカのフォーレンダムの時代にも来日したことがあったような気が（こればっか！すみません）お父様の撮った写真にあるかも知れません。姉妹船のヴィーンダムだったかな？
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