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さようならザ・トパーズ、ようこそクリッパー・パシフィック

たいへんに残念なニュースと嬉しいニュースが同時に飛び込んできました。

日本を起点とした地球一周クルーズを展開している国際協力のNGO団体ピースボートによりますと、現在航海中の第60回地球一周クルーズをもって、「ザ・トパーズ」の使用を終了、5月からはじまる次回、第62回地球一周クルーズから新たにバハマ船籍の客船「クリッパー・パシフィック」CLIPPER PACIFICを使用するということ。

トパーズは2010年までしか現在のSOLAS条約では使用できず、なおかつ古いタービンエンジンの船ということで燃費が非常に悪く、ピースボートとしては代替船をかねてより探していたそうです。

ここに来て、ついに見つかったということなのでしょうが、自分的には今年いっぱいぐらいかなぁとなんとなく思っていただけにショックは隠しきれません。

1956年の建造ですから、今年で52歳。2万トン以上の現役客船としては世界最古で、数少ない昔ながらの蒸気タービンエンジン、さらに数少ない北大西洋定期航路専用に造られた生き残りの超オールド船。

わたしなんか、愛情を込めたつもりで「浮かぶ絶滅危惧種」とか、「ホワイト・シーラカンス」とか呼んできましたが、そのクラシカルで優雅なスタイルはかつてオーシャンライナー華やかりしころの雰囲気を十分に残したもので、本当に大好きな客船でした。

何度か船内見学をしたこともあり、最近のクルーズ客船のような派手で豪華な内装こそ決して無いものの、英国客船の伝統的インテリアの落ち着いた雰囲気と中央線沿線サブカルチャー的な雰囲気のピースボートとのミスマッチがとても面白くて実に心地良かったことを覚えています。

引退後の進路は明らかになっていませんが、そんな状況からSOLAS条約に合致した改造をして、なおかつ燃費のいいディーゼルエンジンに換装するとなると莫大なコストも掛かるでしょうから、おそらくスクラップになってしまうのでしょう。

どこかが買い取って保存してくれるのが一番いいのですが、「QE2」のような有名船ならともかく、維持費だけで相当掛かるこの船を引き取るところは無いと思います。

また一隻、旧い船がこの世から消えてなくなることになりそうです。シクシク

日本を離れる最後の瞬間(4月29日ごろ)を見届けたいのですが、どうなりますことやら…

さて、気を取り直して、この「ザ・トパーズ」の替わりにピースボートにデビューする聞きなれない名前の「クリッパー・パシフィック」を簡単にご紹介します。

もちろん新造船ではありません。それどころか1970年の建造ですから、今年で38年。これまた相当旧い船なのですが、トパちゃんに較べればずっと若々しいのかもしれません。

素性を明かすと、もとはノルウェーのロイヤル・カリビアン・クルーズ・ライン(現在のRCI、ロイヤル・カリビアン・インターナショナル)の「ソング・オブ・ノルウェー」という船。

完成当時は客船によるクルーズの黎明期、多くのクルーズが従来の定期航路客船をクルーズに使っている中でやっと開発時点からクルーズのみの利用を目的として造られたクルーズ専用船が続々と建造され始めたころの、いわば、現在隆盛を誇っているクルーズ客船のルーツのような船のひとつです。

1996年に転売され、「サンドリーム」〜「ドリーム・プリンセス」〜「ドリーム・プリンセス」と名前を変えながら昨年までイスラエルのカスピクルーズと言う会社で東地中海沿岸をクルーズしていました。詳細はこちらをどうぞ

ピースボートでクルーズするに当たっては日本人向けに内装を改装し、なんと展望大浴場まで作る予定だそうです(飛鳥の影響?)

注目のデビューは5月12日、第62回地球一周クルーズ出港する前々日の横浜港大桟橋。

奇しくもその日、大桟橋にはロイヤルカリビアンの後輩にあたる「ラプソディ・オブ・ザ・シーズ」とピースボートがよくチャーターする「ふじ丸」も接岸しているはず。

おそらくこの船の初来日だと思います(姉妹船の「サン・ヴァイキング」は10年ぐらい前に来日済み)ので、これはどうしても見逃せませんね。楽しみ♪

ここで簡単に新旧2隻のピースボートのスペックを比較しておきます

船名 ザ・トパーズ クリッパー・パシフィック

建造年 1956 1970
建造国 イギリス フィンランド
総トン数 32327トン 22954トン
全長 195.1m 194.3m
全幅 25.9m 24m
喫水 8.8m 6.7m
主機関 タービン ディーゼル
最大旅客定員 1380名 1310名
航海速力 19ノット 17ノット
船籍 パナマ ナッソー(バハマ)
(参考;海人社刊、世界のクルーズ客船2007‐2008)

こうして較べてみると総トン数ではクリッパーのほうがトパちゃんよりだいぶ少ないですが長さはほぼ同じ。幅が少し狭くて喫水が浅いのでこんな数字になったのでしょう。

上に2隻のイラストを描いてみましたが、伝統的な北大西洋定期貨客船と当時最新鋭のクルーズ専用船のデザインの違いは歴然です。

とくに後者の「飛鳥」並に鋭く尖ったクリッパーバウと呼ばれる船首はトパちゃんの船首が直立に近いだけにかなり印象に残ります(だからクリッパーの名前を付けたのかな?)ある意味、デザイン的には乗客に若い人が圧倒的に多いピースボートには向いているのかもしれませんね。

ちなみにこの「クリッパー・パシフィック」のイラストは昨年までの「ドリーム」の写真をもとに、現在のピースボートの船体色とロゴ、ファンネルマークをつけたものをわたしが勝手に想像して描いた絵であり、ピースボートから発表になったものではありませんのでご承知置きください。

新造時に較べると船体が約20m延長され、煙突後部中央にあったロイヤルカリビアン伝統の展望ラウンジが撤去されています。

トパちゃんの絵は昨年6月の横浜出港のときの写真をもとに描いてみました。タービンエンジン特有の真っ黒な煙を煙突から吐いて船出する姿はこの春が見納めになってしまうんですね。

次回、ザ・トパーズの歴史と変遷をイラストで詳しくご紹介したいと思っています。

黄龍さん、ありがとうございます。さっそく訂正しました。
この船名、「クリッパー・オデッセイ」と「ぱしふぃっくびいなす」を混ぜたみたいで、同じ港に着いたら乗客や関係者が混乱しそうですね(と苦しい言い訳、汗)
PEACEBOATのロゴはトパーズになる前のオリビアはもっとベタだったので、どんどん進化して行ってるのでしょう。
期待していいと思います。
また判明次第描き直します。
トパちゃんの絵もよく見直したら船首の船名表記が抜けてました。

神戸のまつ

ザ・トパーズは第61回で引退ですか。残念ですね。私は神戸港でこの船による地球一周クルーズの出港、帰港で多くの若者達の表情を見てきましたので、その若者達の気持ちになって今回のニュースを読ませていただきました。本当に寂しいですね。私も好きな古き良き船です。第61回の最後のクルーズの見送りでは涙が出るでしょうが、必ずその雄姿を写真に収めたいです。 神戸のまつ

浦郷湾

味わいのある船の引退ですね
実物を一回も見ない船です、見ないままで引退、残念!

FUNSHIP7

晴海そして横浜にシフトしてからも、船内見学したり(一度は娘も連れて行きました)写真撮影したり、本当に思い入れのある客船でした。でも、今は最後の世界一周航海中、まずはその無事を祈りたいと思います。

-

ピースボートの募集ポスターには、大抵この船の写真が載っている・・・と記憶していますが、船を換えるメリットは十分あると思いますが、かのドゥロス号を思わせる船が消えてしまうのはやはり残念です。

まつさん、すみません61回ではなくて60回の間違いでした。61回は欠番のようです。
いずれにしろ4月28日正午に横浜に帰港して乗客を下ろしてピースボートとしての役目を終了します。
出港は横浜港のHPでは30日の正午、次港はドックとなっていますが、そのまま解体先に向かう可能性が高いと思います。
最後の姿を写真に収めに横浜港に来てください。

浦郷湾さん、最後に日本一周でもやってくれると嬉しいのですが、たぶんそんな余裕は無いでしょうね。
よかったら横浜に見に来てください。

FANSHIP7さん、トパーズは外国船なのにわりと気楽に船内見学の出来る船でしたね。
わたしもとても楽しい思い出でした。

sunburnさん、ドゥロスも2010年で消えてしまいます。
往年の客船がどんどん無くなっていくのは実に寂しいです。
そういえば長崎の保存船、大雪丸も解体されるようですね。

松本あずさ

今年1年かけて最後の姿を記録しようと思っていたらもう引退ですか。紙テープが舞う場面を撮影できなかったのが心残りですが、出港の映像を現在編集中です。

じゃむオジ

Punipさん、ありがとう!
次回のレポートも楽しみですが、このページを永久保存版にさせていただき(^^ゞ
小生の資料Boxに格納させていただきます・・・使用の折には連絡入れますm(__)m

松本あずささん、最後の横浜入港、そして出港の様子もぜひ映像に収めてください。よろしくお願いします。

じゃむオジさん、実際にトパーズで航海した経験のあるじゃむオジさんにとっては引退の報はそうとうつらいものがあるでしょうね。
この記事とイラストはご自由にお使いください。

松本あずさ

できました。
http://www.bluetrain.jp/topaz200709.shtml
4月にトパーズが戻ってきたら、大さん橋が静かな時をねらって
ディーゼル船とは違うはずの排気音も記録しておきたいと思っています。
パシフィック・サン来航やしらせ帰還、氷川丸営業再開もあって、4月は大変だ!

松本あずささん、拝見しました。すばらしい画像ですね。
はやく本物のトパーズを見たくて堪らなくなりました。
4月が待ち遠しいような、寂しさがつのるような複雑な気持ちです。

olivia

いつも拝見させていただいています
クリッパー・パシフィックの船内見学待ち遠しいです 予約済み
トパーズ引退式にはきっと大勢の人が集まるでしょうね

oliviaさん、はじめまして!コメントありがとうございます。
トパーズの引退は本当に残念です。引退式のようなものはあるのかどうか?それも心配です。
クリッパー・パシフィックの見学会はわたしもさっそく予約をしました。

わっきー

初めまして!
ピースボートでボラスタをやっているものです
今スタッフから一緒にクリパシの予想画を見ていたんですが…
スタッフが一言「甘いな…(にやり)」といってました
新しいカラーリング楽しみっすね

わっきーさん、はじめまして、ピースボートでのボランティアのお仕事、ご苦労様です。とっても頑張っているなといつも感心しております。わっきーさんたちの努力があってこその地球一周なのだと思います。
ところでこの時点では全く新しいカラーリングは判っていなかったので暫定的にトパーズと同じにしましたが、その後に紺色であることが判明してこちらの記事でイラストを描いています。ぜひご覧ください。
http://blogs.yahoo.co.jp/tim_nakins/54447945.html

オワタw

とうとうクリッパーパシフィック号が逝っちゃったみたいですねw

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