Cruisemansトップ   >   ブログ   >   東京港の保存青函連絡船、羊蹄丸

東京港の保存青函連絡船、羊蹄丸

東京港、お台場地区の船の科学館横に係留され公開展示されている、かつての青森〜函館航路の鉄道連絡船「羊蹄丸」(終航時総トン数5376トン、1965年建造)の現在の様子について、2回に分けてレポートします。


船の科学館の3階デッキから見るとこんな感じ。左手前のオレンジ色の船首は同じく保存船の元南極観測船「宗谷」。

「羊蹄丸」の斜め左上の白いビルはこの3月31日にオープンする予定の東京湾岸警察署、通称「湾岸署」です。でも、青島俊作刑事はここにはいません…たぶん…

右上は青海のコンテナ埠頭、停泊しているのはエバーグリーン社のコンテナ船、エバー・ユニークEVER−UNIQUEです。


船尾の貨車積込み口。扉は閉まっています。

上にある信号が左右に並んだ小さな船橋は貨車を誘導するためのもの。陸地の線路と船側の線路が上下左右ぴったりと合わないと列車を船内に入れることは出来ません。しかも青函航路の過密ダイヤを守るためにはほんの短い時間で作業することが要求されます。まさに神業的な接岸を指揮するのがこの場所でした。

ところでこの船尾の船橋の正式名称を知りません。どなたか教えてくださいな。


船首のアップ。船名表記の部分が枠のように囲まれているのが判ります。おそらく係留時のロープによる擦れから船名の塗装を守るためにあるのでしょう。

船体の色は1996年の保存船としての開業当時は鮮やかなブルーと純白のツートンでした。これはここに展示保存される前に1992年にイタリアのジェノバで開催された博覧会にパビリオンになったときのもので、その後2004年に青函連絡船当時のオリジナルカラーである、このエンジとクリームのツートンに戻されています。


現役当時にほとんど近い状態で保存公開されている操舵室(ブリッジ)。青函海峡の厳しい冬の天候を考慮して左右のに張り出したウイングの部分まで操舵室と一体になっています。そのためほかの同じぐらいの船に較べて広々とした印象を受けます。

操舵輪は意外と小ぶりかな?


ブリッジの後ろに配置された第一煙突。JNR(日本国有鉄道)のファンネルマークが時代を感じさせます。

救命艇は左右1隻づつ装備されています。


船尾よりの第二煙突。後部マストと、デリックポストを兼ねています。

わたしは以前この煙突が主煙突で、前部の第一煙突はダミーだと思っていました。


後部デッキ。今では人工芝が敷き詰められていてイベントスペースのようになっていますが、現役当時は当時のモータリゼーションを反映して乗用車を積める露天のカーデッキになっていました。

出来ればここも元に戻して、当時の乗用車をずらりと並べて欲しいものです。日産・チェリーとか、トヨタ・パブリカとか、三菱・セレステとか…無理かなぁ

次回(日時未定)はこの船の船内の様子をご案内します。めくるめく青函ワールド、お楽しみに!

*****************************************

ちなみに今年は青函連絡船が開業して100年という節目の年であることを記念して各地の保存青函連絡船(青森、函館、東京)で来る3月7日(最初の青函連絡船が青森を出港した日)に盛大なイベントが行われるそうです。詳細はこちら

残念ながらわたしはその日、横浜で開催される国際ボートショーに行く予定が入っているので見にいけませんがご興味のある方はぜひ行ってみてください。

shou

羊蹄丸は一度見学した事あります、以前は無くてはならないこの連絡船、船内でのいろんなドラマを想像します。

Keiichi

PUNIPさん、こんばんわ。
船尾の船橋はポンプ操縦室といわれています。
出し入れする貨車に応じて船体のバランスを取るヒーリング装置の制御する部分です。
主ファンネルはもちろんダミーではなく本物で青函連絡船は主機が8基と発電用のエンジンが3基もあるので主ファンネルに全ての排気を通すのは無理があるので分かれています。
湾岸署に設置される看板文字は(一部)明日設置します。
なぜ?・・・・私が作りましたから。

shouさん、この船はさまざまな人間ドラマを運び続けたのでしょう
こうやって保存されているのは嬉しい限りです。

おお〜!!青函連絡船の権威、ケイイチさんの詳しいご説明ありがとうございます。
ポンプ操縦室って言うのですか〜知らなかったです。
湾岸署の看板をケイイチさんが作っているのも知らなかったし…
RC十和田丸の製作もいよいよ大詰めですね。
がんばってください、楽しみにしています。

-

実に良く保存されていると思いますよ。なお、長崎の大雪丸は、詳細は不明ですが、どうやら解体が決まっているようです。羊蹄丸には長く残ってほしいものです。

maro

「羊蹄丸」(終航時総トン数5376トン、1965年建造)・・・マロの方が やや古風かも このお船より・・・(((( ̄@ ̄; 博物館入りできる年齢だったんだ・・・・。
青函連絡船の実際の大きさって、きっと瀬戸内海の宇高連絡線よりも大きいのでしょうね。
ファンネルって1個以上あるものなんだなぁ〜って 初めて知りました。ありがとうございます(^@^*

sunburnさん、ついに大雪丸は解体ですか…保存船って維持管理が本当にたいへんなようです。
これで長崎には保存船が無くなってしまいますね。残念です。

とんとんさん、青函連絡船は宇高連絡船よりふたまわり位大きいですね。ファンネルはこの船はエンジンがたくさんあるので二本ですが、一本の船も多いです。小さな船だと自動車のように船尾から排気するので煙突なしという船もたくさんあります。

コメントを投稿する

Cruisemans でできること

一括比較、検索

世界中のクルーズ旅行、3万コース以上をご希望の条件で一括で比較、検索できます。

どこよりもお得に

サイトからの予約でクルーズ代金の3%分のポイント還元!どこよりもお得にクルーズ出来ます。(ポイントはAmazonポイントまたは現金に交換可能)

口コミ、写真

クルーズ経験者の口コミ評価や写真を参考に、間違いのないクルーズ旅行選びができます。

初心者を応援

敷居が高いと思われがちなクルーズ旅行。初心者の方々にも役立つコンテンツがたくさんあります。

非日常のクルーズ旅行をもっと身近に。
クルーズマンズではじめよう

登録済みの方は ログイン