ブラジル移民船「笠戸丸」

ブラジル移民船「笠戸丸」

2008年6月20日 23:30
mr. punipcruisesのアイコン

mr. punipcruises

船舶専門の画家、イラストレーター。本格海洋画風作品から水彩画、コミカルなイラストまで画風にこだわりを持たない。船旅専門誌のイラスト記事、横浜港の広報誌の表紙、レストランクルーズ船のパンフレット、クルーズ客船のギフト商品パッケージイラスト等を制作。クルーズ客船のキャラクター「クルボン」の原作者 東京海洋大学やクルーズ客船船内で水彩画教室を開催、年に1回、横浜で個展を開催、2019年秋には神戸でも個展を開催した。 少年時代に伊豆大島に行って以来、船と船旅の虜となり、故柳原良平氏の著書を読み船の絵を描き始める。 初代さんふらわあや初代にっぽん丸にも乗船したが、その後二十数年のブランクを経て船旅と船の絵を再開した。 水に浮かぶ乗り物なら渡し船からカーフェリー、離島航路等なんでも乗るが、家庭の事情から長期の外航クルーズ客船にはなかなか乗れていない。 公式サイトはこちらからどうぞ www.punipcruises.com

プロフィールを見る

今年はブラジルに移民が渡ってからちょうど100年の節目にあたる年。

先日もこのブログで戦後の移民船「さんとす丸」の絵を描きましたが、今回は最初の移民船「笠戸丸」(6209トン、1900年建造)です。

去る18日にブラジルのサントス港でこの船が日本からの移民を乗せて入港した日を記念して、盛大な式典が行われたようで、日本でもそれを記念する500円硬貨と切手が発行されました。

もちろんその図柄になっているのはこの「笠戸丸」

でも、硬貨の最初予定されていたデザインはこの船ではなくてサントス港にある「日本移民ブラジル上陸記念碑」だったそうで、それが全部出来上がったあとで著作権上の問題とかが持ち上がってボツになった挙句にこの船が急遽リリーフ登板になったようです。

もう手に入れた方も多いかと思いますが、もしかしたら日本の硬貨で客船がデザインされたのって初めてかも知れません。

急遽、日の目を浴びてしまったこの船、イラストを見てもお分かりのようにこの歴史的出来事が無ければだれの記憶にも残らなかったような地味な貨客船でした。

建造当時はロシアの貨客船ポトシPOTOSI(もしくはカザンKAZAN)

日露戦争の時に旅順港で日本軍に拿捕されて「笠戸丸」に改名、東洋汽船の運航で移民船として就航しました。

その後、大阪商船に運航会社が変わり、1927年まで神戸〜台湾航路の貨客船として働きましたが、その後は病院船、魚工船、蟹工船などを転々とし、1945年7月の太平洋戦争のさなか、ソ連の手によって空爆され、その45年の波瀾万丈の生涯を閉じています。

わたしの船絵仲間であるつうせいさんが戦前の代表的南米移民客船の初代ぶら志"る丸と戦後の代表的南米移民客船2代目ぶらじる丸を描いてくれていますのでぜひご覧ください。

コメント

15
ゲスト
2008年6月20日 23:40

コインと切手、まだ手に入るのかな??(*^。^*) この美人サンも大変な生涯だったのね・・

mr. punipcruises
mr. punipcruises
2008年6月20日 23:49

音実さん、良く判りませんが切手ならまだ手に入るのではないでしょうか。こんど調べてみます。

ゲスト
2008年6月21日 00:15

ロシアで建造された船が、ソ連軍の空爆で沈んだというのは皮肉ですね。 僕は切手とコイン両方とも買いました。 客船が描かれたコインは日本初の可能性ありですか・・・。世界的にはどうなんでしょう?

ゲスト
2008年6月21日 01:35

普通の船かぁ〜・・・そうなの? マロには綺麗な昔のお船でも 充分に浪漫を感じられました〜(^@^* 背景もいいですね〜♪

ゲスト
2008年6月21日 10:22

PUNIPさん、いい絵ですね。「笠戸丸」については、私のブログの「練習船4隻・・・」の中のブラジル移民のモニュメントを写した写真にも書かれていますので参考にしてください。 神戸のまつ

mr. punipcruises
mr. punipcruises
2008年6月21日 23:57

kawaiさん、ソ連の手で元ロシア船が沈められるなんて本当に運命のいたずらを感じさせるエピソードだと思います。 客船を描いたコインって世界的にもあんまり無いんじゃないかな? ちなみに「船」ということでは去年発行された「南極地域観測50周年記念貨幣」に初代南極観測艦の「宗谷」がタロ、ジロの背景で描かれています。

mr. punipcruises
mr. punipcruises
2008年6月21日 23:59

とんとんしゃん、こんな絵でも浪漫を感じてもらえるなんて嬉しいです。「笠戸丸」も北の海の海底で喜んでいることでしょう。

mr. punipcruises
mr. punipcruises
2008年6月22日 00:03

まつさん、ありがとうございます。わたしの大好きな船舶画家である野上隼夫画伯の絵ですね。 こんど神戸に行ったら是非見てみたいです。

ゲスト
2008年6月22日 14:49

笠戸丸、色合いも素敵な船ですね♪♪ デザインが船ということで、我家でもコインをゲットしました♪♪ ブラジルに移民して100年、まだそんなに遠くない過去を振り返る良い機会になりました!!

ゲスト
2008年6月22日 19:59

以前イギリス、ニューカースルに行った時は、 (かさと丸)建造の造船所ウィッカム・アンダーソンはありませんでした。港の川口にはローヤルネイビーのフリゲートの基地があり、修理の造船所があります。

mr. punipcruises
mr. punipcruises
2008年6月22日 22:47

キキさん、コインだとよく判りませんが、こうしてイラストに描くとどんな船かある程度想像していただけると思います。 移民100周年のお陰でこの船も脚光を浴びることが出来ました。

mr. punipcruises
mr. punipcruises
2008年6月22日 22:50

たかまるさん、のちのスワンハンター造船所ですね。 ハーランド&ウォルフもジョン・ブラウンもいまや見る影もありません。イギリスの老舗造船所は過去の遺物になってしまったようです。

ゲスト
2008年6月23日 01:48

笠戸丸今年やたらと新聞テレビをにぎわしていますね。さすがPUNIPさん時期を逃さず、完璧な絵が出来上がりましたね。この頃の船は煙突がポイントになって「船」といった感じで好きですね。

mr. punipcruises
mr. punipcruises
2008年6月23日 22:10

yatokkoさん、おっしゃるとおりこの頃の船は「煙突」がいかにも「船の煙突」らしくて好きです。 最近はこういう円筒形のシンプルなデザインも最新のクルーズ客船に採用されるようになって来ました。

ゲスト
2008年6月27日 15:20

ジャパンのコインに船が描かれているのは、(宗谷)と (笠戸丸)だけ。貴重品ですよ。

コメントを投稿する

コメントの投稿にはログインが必要です。

PUNIP CRUISES

このブログについて

PUNIP CRUISES

客船、クルーズ、フェリーなど船の旅に関すること全てを、自分で描いた船のイラストをメインにいろいろな角度からとりあげたブログです。

このブログの他の記事

ブログの一覧へ
#がんばれダイヤモンドプリンセス

#がんばれダイヤモンドプリンセス

今やTVのニュースで見ない日のない、プリンセスクルーズのダイヤモンドプリンセス 良い時は「豪華客船」と言う決まり文句で思いきり持ち上げるのに、何か問題があると叩きまくるマスコミと、それに便乗して勝手な事を言いまくる人達のコメントに嫌気がさして、大変な状況にある乗客、乗員の方々を応援しようとTwitterに #がん

記事を読む
ウッドバーニングアートの新作

ウッドバーニングアートの新作

かなりテキトーでおっちょこちょいの私は1日に何度となく探し物をしているのですが(自慢するな!)、先日、やはり画材関係の探し物をしていたら偶然、A4ぐらいの大きさの未使用のシナベニヤ板を発見しました! よし、これは神様が私に久しぶりにウッドバーニングアートをやりなさい!と言うお告げに違いない! と普段は神様な

記事を読む
ぱしふぃっくびいなすのギフト商品用イラスト

ぱしふぃっくびいなすのギフト商品用イラスト

![](embed:photo/92926) この春から日本クルーズ客船 ぱしふぃっくびいなすの船内ショップで販売されるギフト商品(チーズケーキとクリーナークロス)用のイラストです。 また発売になりましたらその商品写真をアップしますので乗船の折はぜひお買い求めください。 ところで、クルーズ好き、港好き

記事を読む
商船三井客船広報誌「海」89号

商船三井客船広報誌「海」89号

![](embed:photo/89158) 1921年(大正13年)創刊のかつての大阪商船の広報誌「海」の流れを汲む、商船三井客船 にっぽん丸のリピーター向け広報誌「海」の89号が発刊になりました。 今回も前号に引き続き、私が表紙のイラストを担当させていただいております。 見ての通り、昇る朝日を背景

記事を読む
ピアノ ランド、もうすぐ横浜初来航!

ピアノ ランド、もうすぐ横浜初来航!

いよいよ一週間後の2月1日、バミューダ船籍の中国客船、ピアノランド MS PIANO LANDが「やっと」横浜港にやってきます。 もう西日本の港には昨年秋から入っていますが、関東にまで足を延ばすのは今回が初めて 7万トン足らずの中型クルーズ客船ですが、横浜港の初入港客船はこの船が最初なのでとても楽しみです。

記事を読む
さんふらわあの系譜

さんふらわあの系譜

![](embed:photo/88267) 1972年の最初の「さんふらわあ」から最新の2代目「さんふらわあ きりしま」まで、28隻のさんふらわあシリーズ(RORO船を除く)を18のタイプに分け、デフォルメイラストにしてだいたい年代順に並べて描いてみました。 最初の船の名前はサブネームのつかない単なる「

記事を読む