今年はブラジルに移民が渡ってからちょうど100年の節目にあたる年。
先日もこのブログで戦後の移民船「さんとす丸」の絵を描きましたが、今回は最初の移民船「笠戸丸」(6209トン、1900年建造)です。
去る18日にブラジルのサントス港でこの船が日本からの移民を乗せて入港した日を記念して、盛大な式典が行われたようで、日本でもそれを記念する500円硬貨と切手が発行されました。
もちろんその図柄になっているのはこの「笠戸丸」
でも、硬貨の最初予定されていたデザインはこの船ではなくてサントス港にある「日本移民ブラジル上陸記念碑」だったそうで、それが全部出来上がったあとで著作権上の問題とかが持ち上がってボツになった挙句にこの船が急遽リリーフ登板になったようです。
もう手に入れた方も多いかと思いますが、もしかしたら日本の硬貨で客船がデザインされたのって初めてかも知れません。
急遽、日の目を浴びてしまったこの船、イラストを見てもお分かりのようにこの歴史的出来事が無ければだれの記憶にも残らなかったような地味な貨客船でした。
建造当時はロシアの貨客船ポトシPOTOSI(もしくはカザンKAZAN)
日露戦争の時に旅順港で日本軍に拿捕されて「笠戸丸」に改名、東洋汽船の運航で移民船として就航しました。
その後、大阪商船に運航会社が変わり、1927年まで神戸〜台湾航路の貨客船として働きましたが、その後は病院船、魚工船、蟹工船などを転々とし、1945年7月の太平洋戦争のさなか、ソ連の手によって空爆され、その45年の波瀾万丈の生涯を閉じています。
わたしの船絵仲間であるつうせいさんが戦前の代表的南米移民客船の初代ぶら志"る丸と戦後の代表的南米移民客船2代目ぶらじる丸を描いてくれていますのでぜひご覧ください。
コインと切手、まだ手に入るのかな??(*^。^*)
この美人サンも大変な生涯だったのね・・
音実さん、良く判りませんが切手ならまだ手に入るのではないでしょうか。こんど調べてみます。
ロシアで建造された船が、ソ連軍の空爆で沈んだというのは皮肉ですね。
僕は切手とコイン両方とも買いました。
客船が描かれたコインは日本初の可能性ありですか・・・。世界的にはどうなんでしょう?
普通の船かぁ〜・・・そうなの?
マロには綺麗な昔のお船でも 充分に浪漫を感じられました〜(^@^* 背景もいいですね〜♪
PUNIPさん、いい絵ですね。「笠戸丸」については、私のブログの「練習船4隻・・・」の中のブラジル移民のモニュメントを写した写真にも書かれていますので参考にしてください。 神戸のまつ
kawaiさん、ソ連の手で元ロシア船が沈められるなんて本当に運命のいたずらを感じさせるエピソードだと思います。
客船を描いたコインって世界的にもあんまり無いんじゃないかな?
ちなみに「船」ということでは去年発行された「南極地域観測50周年記念貨幣」に初代南極観測艦の「宗谷」がタロ、ジロの背景で描かれています。
とんとんしゃん、こんな絵でも浪漫を感じてもらえるなんて嬉しいです。「笠戸丸」も北の海の海底で喜んでいることでしょう。
まつさん、ありがとうございます。わたしの大好きな船舶画家である野上隼夫画伯の絵ですね。
こんど神戸に行ったら是非見てみたいです。
笠戸丸、色合いも素敵な船ですね♪♪
デザインが船ということで、我家でもコインをゲットしました♪♪
ブラジルに移民して100年、まだそんなに遠くない過去を振り返る良い機会になりました!!
以前イギリス、ニューカースルに行った時は、
(かさと丸)建造の造船所ウィッカム・アンダーソンはありませんでした。港の川口にはローヤルネイビーのフリゲートの基地があり、修理の造船所があります。
キキさん、コインだとよく判りませんが、こうしてイラストに描くとどんな船かある程度想像していただけると思います。
移民100周年のお陰でこの船も脚光を浴びることが出来ました。
たかまるさん、のちのスワンハンター造船所ですね。
ハーランド&ウォルフもジョン・ブラウンもいまや見る影もありません。イギリスの老舗造船所は過去の遺物になってしまったようです。
笠戸丸今年やたらと新聞テレビをにぎわしていますね。さすがPUNIPさん時期を逃さず、完璧な絵が出来上がりましたね。この頃の船は煙突がポイントになって「船」といった感じで好きですね。
yatokkoさん、おっしゃるとおりこの頃の船は「煙突」がいかにも「船の煙突」らしくて好きです。
最近はこういう円筒形のシンプルなデザインも最新のクルーズ客船に採用されるようになって来ました。
ジャパンのコインに船が描かれているのは、(宗谷)と
(笠戸丸)だけ。貴重品ですよ。
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