横浜港の保存貨客船「氷川丸」を見学した方は、公開されている一等船室のベッドにこんな変わったかたちに折られた毛布をご覧になったことがあるかと思います。
他にもこんなかたちや
こんなかたちなど
もっともっと実に数多くのかたちに折られた毛布がそれぞれのベッドに飾られています。
これは戦前の旅客船のサービスの一環として伝統的に伝えられている「花毛布」(飾り毛布)という折り方で折られたもので、数十種類の折りかたがあり、毎日客室係がベッドメーキングの際に造り上げて乗客を楽しませたそうです。
戦後も昭和30年代までは青函連絡船の寝台や国内航路の客船、フェリーの上級船室でもよく見られましたが、現在ではこの折り方を知る船員の方が少なくなってしまったためか、ほとんどなくなってしまいました。(函館の保存青函連絡船「摩周丸」にはたくさん展示してあるようです)
大型外航客船では、戦前から戦後にかけて長年、旅客サービスを続けてきた商船三井客船の「にっぽん丸」や日本チャータークルーズの「ふじ丸」(もともと商船三井の船だったので)のデラックス以上の上級船室のベッドでは現在でも見ることが出来ます。
そんなもう保存船での展示か、高額クルーズでしか見ることの出来なくなってしまったこの伝統の「花毛布」。
実は関東近辺の皆さんならごくリーズナブルな料金での航海で、実際に利用することが出来るんですね。
それがこの船
先日、わたしが式根島から乗船した、下田〜伊豆諸島航路の小型貨客船「あぜりあ丸」(480トン)です。
「え〜!!!!こんなちっちゃな離島航路の船で?」と思われるでしょうが、これがその証拠の写真
どうです!立派なものでしょう!
船と船旅をこよなく愛するこの船のパーサーが、毎日心をこめて折っている作品の数々です。
「こんな小さな船でも、気分だけは在りし日のオーシャンライナーを味わってもらおうと思ってね」とパーサーは自慢げに話しておられました。
なお この「花毛布」、この船では一等客室だけのものですが、2等船室のかたでもパーサーに頼めばこころよく見せてくれるはずです(たぶん)
皆様、ぜひ一度ご乗船を!
一番短い、新島〜式根島間でしたらたったの610円(1等)で1万トンクラスの豪華客船気分が味わえますよ〜(笑)
ちなみに今、海外のクルーズ客船ではタオルを使っていろいろな動物を造ってベッドに飾る「タオルアート」が流行っているようです。
粋なはからいですね〜!!素敵です。
値段も3桁くらい違うし・・・。
若い頃、連絡船の中でこんな風に毛布が飾ってあったのを見て自分の船でもやってみたところ
船長に「普通に畳め」と一括されました、ユーモアー???の分からない船長でした。
ちなみに私の乗船していた船は客船ではありませんでした 。。。。^^
素晴らしい!
こういった心意気を見せられるとキュンとします。
もったいなくて解けません。
お手間かもしれませんがこれからも続けて頂けたら嬉しいですね。
凄いですね! パーサーに拍手です。
こんな花毛布だったら、崩すのにためらうかも?
今後も続く事を願います。
アントンさん、粋ですよね〜
もう普通の国内航路の船では絶対に見られないと思っていました。
セールフォーさん、実際にチャレンジしてみたと言うのがさすがです。
客船じゃ無くったってそのくらいのゆとりは必要ですよね。
なにも毛布が痛むわけではないし・・・
でも実際に上手に何通りも折れるようになるには相当の熟練が必要だそうです。
ぽめらさん、本当にパーサーの心意気だと思います。
たぶんずっと続けていってくれることでしょう。
浦郷湾さん、実物をみると感激しますよ!
でも、わたしはしっかり崩して使ってしまいました(苦笑)
花毛布が(あぜりあ丸)にあるとは驚きです。
パーサーの船を愛する心とCS120%を目指している
ものですねえ。
続けてほしい一芸です。ポチ!ポチ!!
その昔、あるぜんちな丸(横浜ー神戸帰国便)で初めて見ました。
(にっぽん丸)や(ふじ丸)ではいつも安キャビン
ばかりですので見ていませんねえ。
たかまる
たかまるさん、ありがとうございます。
昔、「にっぽん丸」(旧あるざんちな丸)に乗ったときはたしか無かったと思います。
もっとも一番安い部屋でしたので・・・
素敵ですね。タオルでも難しいのに毛布では大変だと思います。
是非見てみたいです。
PUNIPさま
こんにちわ。
離島航路で花毛布とは素晴らしい!パーサーの心意気に拍手です!
以前『にっぽん丸』に乗ったとき、部屋のベッドに花毛布が施してありました。
はじめて乗った(現在に至るまで唯一・・・)豪華客船だったので、
「ステートルームなのに花毛布!」と感動しました。
もちろん、しばらく崩さず眺めて写真も撮りました。
では、失礼します。
やすこさん、わたしは逆にタオルアートを見てみたいです。
日本のクルーズ船でもやってもらいたいですね。
鉄軌星斗さん、「にっぽん丸」や「新さくら丸」など商船三井の客船も以前はすべての客室で花毛布をやっていたみたいですね。
いまや人材不足なのでしょう。残念です。
船乗りさんて粋な人たちだなあ
花毛布を調べていてこちらにたどり着きました。
花毛布を実際にサービスしてくれるところがあるなんて!
船は実はちょっと苦手なんですが
自分の目で見てみたいです。ありがとうございました。
みかんさん、ご訪問&コメントありがとうございます。
花毛布は日本の船の伝統的な行事…もっともっとほかの客船でも見られるようになるといいですね。
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