S.S.ＡＮＤＲＥＡ　ＤＲＩＡ

またまた昔の客船のイラストで申し訳ありません。

一昨晩、日本テレビ系列で放送されていたホラー映画「ゴースト・シップ」に出てくるイタリア客船「アントニア・グラーザ」のモデルになったと思われる、イタリアン・ラインの北大西洋航路客船「アンドレア・ドリア」（２９０８３トン、１９５２年建造）です。

わたしはこの映画、レンタルビデオになって真っ先に借りて見たことがあるのですが、まあなんと申しましょうか･･･こんな美しい客船が、こんなひどい映画の舞台になってしまうなんて･･･と半ばアキレながらも結構楽しんで見てしまいました。

心臓の弱い方は見ないほうがよろしいかと思いますが、質のよいジャパニーズ・ホラーを見慣れていると怖さの面でもＢ級の域を脱してはいない気がします。

映画の設定では１９６０年代前半に謎の失踪を遂げた船として描かれていますが、実際のこの「アンドレア・ドリア」も１９５６年の北大西洋で衝突事故を起こし、５０名近い犠牲者を出して沈没しています。

そのときにぶつけられた相手はスウェーデンの貨客船「ストックホルム」。１９４８年の建造ですから「アンドレア・ドリア」よりも古い船なのですが、幸運にも沈没は免れ現在でもポルトガルのクルーズ客船「アテナ」として元気に活躍中、数年前来日した「プリンセス・ダナエ」の同僚船ですね。

ちなみにこの「アンドレア・ドリア」には「クリストフォロ・コロンボ」という姉妹船がありしばらく活躍しましたが１９７５年船会社の客船事業撤退により係船され、１９８３年台湾で寂しく解体されてしまいました。