さようなら　「はまどり」

１９８９年から２０年間に渡って、横浜市の海事広報艇を務めてきた「はまどり」（２９９トン）が去る１月６日をもって引退してしまったという寂しいニュースが入ってきました。

昨今の不況による市の財政難によるもの･･･と言われてしまうと諦めざるを得ないのですが、ずっと大さん橋の山下公園側の小桟橋に繋留していたり、港内を子供達を乗せて走り回っていたりした馴染みの深い船なだけに実に残念でなりません。

建造された平成元年は俗に言うバブルに突入する頃、船の世界でもクルーズ元年といわれて「ふじ丸」や「おせあにっくぐれいす」（現クリッパー・オデッセイ）など本格的なクルーズ船が日本でも造られた年、そんな流れの中で建造された地方自治体の広報艇としてはすこぶる豪華な船でした。

デザイン的にも東京港のレストランクルーズ船「レディ・クリスタル」を髣髴させるプライベート・クルーザー風の素敵なもので、わたしは横浜市民ではないためにとうとう一度も乗船する機会がなかったことが心残りです。

引退後は入札売却されるとのこと。

彼女の第二の人生（船生）が、いつも隣同士に接岸していた「ロイヤルウイング」のように末永く幸せであり続けることを祈りたいと思います。

「はまどり」ちゃん、いままで山下公園の西端から大さん橋の客船を撮影するときに「邪魔だなぁ･･･」なんて思ったりしてごめんなさいね･･･