来月、大さん橋で開催されるShip Art Club SOUTH PIERによる第2回客船アート展
昨年の第一回は「かつて横浜港を訪れた外国客船」という統一テーマで行われ、百数十隻に上る大小の外国籍大型客船の中から70隻を選び出すという作業を不肖わたくしが担当させていただいたのですが、リストから外れた中でわたしが個人的に好みで入れたかった船のひとつがこのソ連客船「イリッチ」(15680トン、1933〜1983)でございます。
毎週のようにやって来ていたナホトカ航路の「バイカル」クラスや共産主義の国の船とは思えないぐらいかっこいい「ミハイル・カリーニン」などの音楽家クラス、おんぼろ元キュナーダー姉妹(失礼!)等々の話題に事欠かなかったソ連の客船たちに較べると実にマイナーな存在でしたが、昭和40年代の横浜港にはよく寄港していました。
もとは戦前ドイツの老舗ハンブルグ・アメリカ・ライン(今のハパグ・ロイド)の貨客船「カリビア」として建造され、戦後賠償でソ連に譲渡され極東水域に就航していたようです。
日本の旅行会社にチャーターされ東南アジア方面をクルーズしたこともあったとか・・・
小さいながらも2層吹き抜けのメインダイニングやライブラリー、シネマなど充実した船内設備を誇っていました。見たかったなぁ
ちなみにこの船、姉妹船に「ルース」RUSSがあり、煙突やブリッジ周りのデザインが違いますがこちらも日本によくやってきていました。
ついこのあいだまで富山〜ウラジオストック間に就航していたロシアのカーフェリー型貨客船と同じ名前ですが、「イリッチ」という名前のカーフェリーも現在のロシアに存在するようです。
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