先だってのこの記事でも書きましたが、2012年3月に上のイラストのようなポルトガル客船が、はじめて日本にやってきます。
船の名前は「アテナ」ATHENA(16144トン)、1万トンを越える外航客船としてはおそらく現役最高齢の1948年建造の船です。
1948年と言えば62年前ですよ、日本では昭和23年、まだ終戦直後と言っていいぐらいの時期・・・
最近日本各地で想像を絶するような戸籍上の高齢者が話題になっていますが、この船は正真正銘の現役なんですね・・・すごいことに
ただし、残念ながらスウェーデンの貨客船「ストックホルム」STOCKHOLM(12265トン、スウェディッシュ・アメリカ・ライン)として建造されたときの面影はほとんど残っておりません。
で、いったい昔はどんな船だったかって言うと・・・
だいたいこんな感じ まるで別の船ですよね(笑)
見てお分かりのとおり建造時はごく地味で平凡な貨客船だったのですが、8年後、ニューヨーク沖でイタリア客船「アンドレア・ドリア」(29083㌧、1953年建造)の側面に激突して沈めてしまうというショッキングな事件で一躍有名になります。
このとき、めちゃくちゃに壊れたこの「ストックホルム」の船首に 沈んでしまった「アンドレア・ドリア」の乗客の女の子がほとんど無傷の状態で生存して発見されるいう俄かには信じがたいようなエピソードも生まれています。
その後旧東ドイツに売られ、「フェルケルフロイントシャフト」VOLKERFREUNDSHAFTという長い名前で労働者のためのクルーズに従事したりしておりましたが、その後、母国の船を沈められてにっくき仇のはずのイタリア人がこの船を購入、1994年、このように原型をとどめぬ大改造をしてクルーズ客船に転用、
その後、キューバに行ったり(よほど共産圏に縁がある?)して船会社を転々、現在はポルトガルのクラシック・インターナショナル・クルーズ(「プリンセス・ダナエ」とか「フンシャール」の会社)で世界中の海を走り回っています。
これだけの長いキャリアの船なのに日本に来るのはおそらく初めて・・・
12年ほど前に「イタリア・プリマ」ITALIA PRIMAという船名で来日(関東は東京港)の予定がありましたが実現せずに終わっています。
古い船が大好きなわたしには本当に待ち焦がれていた名客船・・・再来年の春が実に楽しみです。
ちなみにこの素晴らしいニュースをもたらしてくれた「日本と世界のクルーズ客船」のZEPHYRANTHESさんによる日本の来航予定は以下の通りです。
那覇(3月20日12:00〜19:00)→横浜(3月23日8:00〜21:00)→清水(3月24日7:00〜12:00)→大阪(3月25日10:00〜26日17:00)→<瀬戸内海・西航予定>→広島(3月27日8:00〜14:00)→長崎(3月28日11:30〜20:00)
貴重な船です。
絶対に見に行きます!
おっと!広島にも来ますね?!
2012年の3月末かぁ…まだ先すぎてスケジュール調整はできませんが、ぜひ見に行きたいものです!
ドイツの船旅雑誌an Bord最新号にこの船がVölkerfreundschaftだったときのことが載っていました。Völkerfreundschaftは、諸民族の友好という意味でいかにも東ドイツっぽい名前ですね。改造後の上部構造はほとんど原形をとどめていませんが船体のラインに往時の名残がありますね。美しい!
OH!!那覇にもやって来るんですねぇ!!
この頃はまだまだ沖縄在住です。これは見に行かねば!!
ふねきちさん、この船の来日予定、大阪はオーバーナイトなんですね。羨ましいです。
しかも10時入港の夕方5時出港・・・関西のかたはいろいろな条件でじっくりと見ることが出来そうです。
ペンミさん、この船は間違いなく1万トンバースに接岸できそうですので広島来航は大丈夫でしょう(笑)
まだ1年半も先の話ですが、スケジュールを空けておいてください。
Berlinerさん、東ドイツ船時代の船名はどんな意味なのか気になっていましたが、「諸民族の友好」なんですね。ありがとうございます。これですっきりしました。
ソ連邦にもこういった労働者の休暇船というのがかつて多く存在していたようです。もっとも後年は外貨稼ぎのために欧米のクルーズにかりだされましたが・・・
当時の面影は船体のラインのほかに丸窓の並び、船首と船尾の先端部に見ることが出来ます。
讃岐丸船長さん、那覇来航楽しみですね。
泊大橋からのツーショットをよろしくお願いします。
こんばんは〜
アテナもコロンバスも?でしたので検索で画像みました 2012年は面白くなりそうですね(^_^) 私はどうしてもコスタビクトリアに期待してしましますが10月か〜長いな・・・・
yuさん、予定されていた「フンシャール」がキャンセルになったのは残念ですが、それでもの「アテナ」をはじめたくさんの客船が来てくれそうで来年はとても楽しみです。
個人的には3月10日の清水港での「アマデア」と「C.コロンバス」の同日入港に期待してしまっています。
ちなみにこの「アテナ」、2013年も来日しそうな様子、実現を期待しましょう。
明日、横浜でアテナの歓迎クルーズに乗ろうと思っています。まだ6名しか集まっていないようです。初入港、本当に楽しみです!情報をありがとうございました。船の会社に勤めているのでワクワクです。
oca*r*ik*さん、はじめまして!コメントありがとうございます。
京浜フェリーボートの歓迎クルーズ、いいですね。わたしもぜひ乗りたいところですが、出勤時間に間に合わないのでやめておきます。
天気は今一つみたいなのが残念です。
今さらですが、ストックホルムの絵もあったのですね。
「何か気になることがあったら、まずPUNIPさんのサイトを当たる」という基本動作を忘れてました。
おまけに2012年の記事にはアテナもありました。この時期の記事なら見ていたハズですがスッカリ記憶の外でした。船尾のフロートのところで思い出したような次第で。。。
ストックホルムをトラックバックさせていただきます。
ARCadiaさん、トラックバックありがとうございます。
こうやって自分の描いた絵を改めてみてみるとかなりいい加減に描いてますね。ひどいです。
いくら敵役だって…ARCadiaさんの模型に負けないようなちゃんとした「ストックホルム」の絵をいつか描きます。
「いい加減に描いて」いるように見えてそうでもないですよ。
PUNIPさんの絵を見てアレっと思ったのであらためて調べると、VÖLKERFREUNDSCHAFTは上構がかなり延ばされてますね。「ファンネルマークが違うくらい」なんて書いたのがいいかげんでした。感心なことに、モデルのメーカーもちゃんと作り分けてました。
こちらこそちゃんとした「ストックホルム」を入手せねば。
ARCadiaさん、たしかに「諸民族の友好号」はハウスを後ろに伸ばしていますが、窓の配置とかうまい具合に並べているのでそんなに違和感はないですね。
それよりもわたし的にはブリッジの前の「新さくら丸」最終バージョン的とってつけたような船室が気になります。
救命艇までつけちゃっているし…
あれさえなければなぁ…
そうなんです
何ですかね、ありゃ。コソコソやらないで、やるなら堂々とやればいいのに、REINAみたいに。ボートも気に食わんです。
ARCadiaさん、たしかにどさくさで付けちゃった!って感じですよね。
労働者のための保養船なので出来るだけたくさんのキャパを詰め込みたかったのでしょうが…やり過ぎです。
でもまぁ、後年の大改造に較べるとオリジナルをかなり保っているだけいいですが…
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