ＵＳＮＳ　ＯＢＳＥＲＶＡＴＩＯＮ　ＩＳＬＡＮＤ

数日前、神戸から遊びに来たmaple55usjさんと横浜港で「ロイヤルウイング」に乗っていたら米海軍基地のある瑞穂ふ頭（通称ノースピア）になんとも古めかし〜い船首形状をした船を発見！

な〜んと、アメリカ海軍の弾道ミサイル追跡艦「オブザヴェーション・アイランド」（１７０１５排水トン）ではないですか！

本当は乗る前から判ってたけど・・・

ここによく来ることは知っていたのですが、わたしが横浜に来るときに限っていたことが無く（夜に一度見かけたことがありましたが・・・）、こんなに間近で見る機会はめったに無いかもしれません。これは大きなチャ〜ンス！

これ幸いと写真を撮りまくりました。

日頃、軍艦にはあまり興味を示さないわたしがなんでこんなに真剣に撮影していたかと言うと、この船の前身は半世紀以上前に建造されたアメリカの貨物船だからなんです。

その貨物船の名前は「エンパイア・ステート・マリナー」（１９５３年建造）。第二次大戦後、アメリカで大量に建造されたマリナー型高速貨物船（C4−SA1）の１隻でした。

就航後数年で米軍に徴用され、ミサイル実験支援艦として大改装され現在に至っていますが、船首や船尾、ハウス中央部分、煙突などに建造当時の商船の面影は十分残しています。

これは古い船が大好きなわたしにはこたえられませんね〜♪

船首は５７年前まるっきりそのままです。

なんとなくかつてのＡＰＬ「プレジデント・ウィルソン」クラスの貨客船をイメージしてしまいますね。

今となっては珍しいスチームタービンエンジンの煙突も昔のマリナー型貨物船の写真と見くらべる限りではそのまんま・・・でもすこし嵩上げされているようにも見えます。

その下あたりがかつてブリッジがあった場所だと思われます。

ピースボートの「ジ・オセアニック」のように美しくカーブを描いた船尾＆シングルラダー、これも建造当時のままですな。

ヤバい、かっこよすぎ・・・でもこんなのを見て喜んでいる人間なんてめったにいないだろうなぁ（苦笑）

全体を見ると、かなり錆は浮き出ていますし、ミサイル追跡用のアンテナやレーダーがボコボコ付いていますが、それでも古い商船マニアとしては存分に見ごたえのある船容をしています。

ちなみに煙突のうしろのマストにでかいプロペラが付いていて、それを動力にして走るようにも思えますが（誰も思わないか・・・）もちろん船のだいぶ向こうにある風力発電用の風車が重なって見えているだけですのであしからず。

ところで、この「オブザヴェーション・アイランド」はマリナークラス貨物船の最後の生き残りと言われています。

マリナークラスは就航後、何隻かが客船に改造されたのですがそのなかでも最も有名なのがマトソンラインの「マリポサ」（１４８１２トン、１９５３年建造の「パイン・ツリー・マリナー」）と「モンテレー」（１９５２年建造の「フリーステート・マリナー）の２隻の姉妹船でしょう。

同じアメリカのパシフィック・ファー・イースト・ラインに移籍したころは２隻ともよく日本を訪れていました。

「マリポサ」はその後、広島でしばらく係船されて１９８３年に中国に売られていき、１９９６年に解体されていますが、その広島係船時代の珍しい姿をブログ仲間のＤＯＣＫさんが撮影されていますのでぜひこちらをご覧ください。

一方「モンテレー」のほうはイタリアに売られ大手クルーズ会社の「モンテレー」として地中海で活躍しましたが、２００７年にその５４年にわたる生涯を閉じています。

・・・というわけで、この「オブザヴェーション・アイランド」の「マリポサ」化計画が現在進行中（笑）

まだ３０％ぐらいしか出来ていませんがなんとなく客船っぽくなってきたでしょ

お楽しみにっ！