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「矢切の渡し」は実は江戸川遊覧クルーズ船だった件

先日、訳あって東京の東北部にある葛飾区柴又に行ってきました。

同じ東京都でもわたしのように真反対の多摩地区に住んでいる人間にとっては先日の深川界隈同様、このあたりはとても新鮮な場所です(笑)

柴又駅を降りると、さっそくフーテンの寅さんがお出迎え

わたしは残念ながら「男はつらいよ」シリーズを一度も見たことが無いのですが、聞いたことのあるオープニングメロディーがこのあたりのそこここに流れていてすっかり耳に張り付いてしまいました。

彼はたぶんこの界隈のヒーローなのでしょうね。

柴又帝釈天の参道を歩きます。

なかなか趣のある商店街でした。

帝釈天は伽藍のいたるところに素晴らしい彫刻が飾られた実に見ごたえのあるお寺です。

帝釈天を抜けて数分歩くと江戸川の河川敷に出ます。

広さは、見慣れた多摩川ぐらいでしょうか?

この近くにかの有名な「矢切の渡し」の乗り場があるはずなのですが、よくわかりません。

キョロキョロすること数分、やっと見つけてたどり着いた江戸川の東京側と千葉側を結ぶ「矢切の渡し」東京柴又側船客ターミナル(笑)

ほとんど崩れかけた筵の囲いと座るのも怖いニ脚の椅子が置いてあるだけで、白いペンキで書かれた「矢切の渡し」の文字がなければここから船に乗るとはとても思えません。

ボーディングブリッジと言うか、桟橋と言うかの水上工作物も今にも崩れ落ちそう

もちろんスタッフの方は誰もおりません。

しばらく待っていると、対岸からすごい勢いで渡し舟らしき船がやってきました。

え〜 手漕ぎの和船じゃないの〜?

どうやら船外機と手漕ぎの両方を動力にした最新式のハイブリッド船(笑)のようですね。

ボーディングブリッジを渡っていよいよ「第二矢切丸」に乗船

ここでキャプテンが乗り込む乗客に「向こうで降りますか?それともそのまま乗ってここに戻ってきますか?片道なら200円、往復なら400円ですよ」と聞いてきました。

「向こうで降りると何かあるんですかぁ?」

「降りたところには何もないけど、20分ほど歩くと小説「野菊の墓」の文学碑があります」

それを聞いて乗客全員「降りませ〜ん」

さすがに乗客を乗せてのエンジンは離岸の時だけで航行中は櫓を漕いでくれています。

エンジンだと風情が無いし、第一あっという間に着いちゃいますからね。

ちなみに船体は木造ではなくプレジャーボートと同じFRP製

4月に乗った深川のお花見クルーズの本格和船に較べるとずいぶん見劣りしてしまうけど仕方ないのかな?

松戸側の船客ターミナルが見えてきました。

先にも書いたようにここで下船しなかったのでわかりませんが、ネットで見るとこちら側は柴又側よりはもう少しちゃんとした屋根のある小屋があって、お土産や飲み物も売っているようです。

乗客はだれも下船しないので着岸せずにすぐ手前でUターン

なんとなく東南アジアの片田舎の水辺のような風景で、水牛とか川面から出てきそう

やがてもと来た柴又側のターミナルに到着

所要時間10数分、この航路はもともと江戸川の両岸を結ぶ生活航路(本来の語源であるフェリーFerry)だったわけなのですが、今やすっかり江戸川の観光クルーズ船と化してしまっていました。

もっともこの航路を題材にした歌のヒットのおかげで、こうして観光客が来て乗ってくれてこの航路が存続しているわけですので仕方ないのかも知れませんね。

こうしてわたしの今年11隻目の乗船が終わりました。

わたしたちの乗った後は大勢の団体さんが乗って船はすし詰め状態

ますますクルーズ船らしさを醸し出しています。

こちらは何となく水郷っぽい風景

そしてまた柴又帝釈天の参道を通過して帰りましたとさ。

おしまい。

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