横浜港の保存貨客船「氷川丸」の普段は公開されていない場所を見てまわる特別ツアーに参加してきました。
いつも当たり前のようにこの山下公園に泊まっているので気に掛けることもあまりないのですが、戦前の太平洋航路の貨客船がきれいに保存されているということだけでも実はものすごいことなんですよね
エントランスから一般の見学コースでは船首方面に向かっていくのですが、我々は船尾に向かいます。
画面左の丸窓のある部屋はかつての二等社交室(ラウンジ)です。
船尾楼甲板から降りていくと5番ホールド(船倉)を利用した多目的ホール
一般公開はしていませんが現在も使用中
映画「氷川丸ものがたり」の上映もここで行われたようです。
画面左の天井にたくさんの鋲が打ってあるのがもともとの部分、右のツルツルした天井はハッチとして開けられるようになっていた部分をふさいだものと思われます。
このホールから船尾方向に奥に進むとかつての乗組員居住区
当時の操機手が使っていたベッドがそのまま残っています。
乗組員用の浴室
大きな海水の浴槽とその手前に写ってはいませんが上がり湯用の真水の浴槽がありました。
しかし、このあたりはなんの手も加えられていなくてほとんど廃墟状態
同じく、トイレ
いや〜すごいのを見せてもらいました。
ちなみにこのあたりが一番船尾、山下公園から「氷川丸 横浜」と書いてあるのが見える部分と思われます。
一旦、上甲板に出て普段は通れない右舷側プロムナードデッキを通過
チーク材の床が美しいですね。
スタッフの方の説明によると、この船の新造時のチーク材の厚さは65mm、
7年前の大補修工事の際に外して計ったら60mm
つまり何百万人の人が通過したにもかかわらず80数年間でチーク材はたった5mmしか減っていなかったわけで、改めてチーク材を船に用いる重要性が証明されたようです。
ブリッジ下のデッキに出ました。
ここに保存されてから2008年の再公開までは画面左の階段の部分から船首楼にかけてオリジナルには無かった橋のようなものが架けられていて、見学者は自由に船首楼に行けたのですが、今は見ての通り外されて通行できなくなってしまっています。
一旦、船首楼の中に入ります。
入ってすぐの甲板員用の休憩室は補修資材などが置かれた工作室になっていました。
おそらく建造当時からあると思われる、乗組員が濫りに三等船客室に出入りすることを禁じた1882年の北米合衆国の旅客法の掲示
こういうのがちゃんと展示されているわけでなく、忘れ去られたかのように掛けられているのを見るとなんだかワクワクドキドキしてしまいます。
非公開場所なのになぜか実にきれいに保存されている甲板長室
船尾楼の上に昇りました。
タイタニックポイントですね。あいむ ふらい〜ん
わたしも立ってみましたが、かなり狭くて足場も不安定
下を見るとメチャ怖いし
大西洋を全速航海する4万トンの客船のこの場所で、男女が抱き合うのは実際はかなり無理があると思う(笑)
ここに来るのは何十年ぶりかな?
すご〜く懐かしい眺め
ウインドラスもきれいに保存
今の船のとあまり変わりがないように見えます。
この場所から大さん橋を出港する「飛鳥Ⅱ」を見送りたいなぁ
一般公開区域(今回は全く写真を撮っていません)を通過してエンジンルームへ
そしてエンジンルームの更に奥地にと潜入します。
この後、我々はとんでもないものを目撃することになるのであった…
な〜んて昔のやらせドキュメンタリー風(笑)
そんなわけでものすごく狭い階段を降りると…目に飛び込んできたのは
おお〜 プロペラシャフトだぁ〜
シャフトは途中で途切れて、台座だけが残されています。
その奥の白い眼玉のように見えるのが、シャフトの出口
かつてはその向こうにスクリュープロペラがあったのですね。
ちなみにこちらは二軸あるうちの左舷側
シャフト室の最後部に到着しました。
1972年のアメリカ映画「ポセイドンアドベンチャー」のラストシーンを思い出しますね。
ネタばれになっちゃうのでこれ以上書きませんが…
右舷側プロペラシャフトの出口のアップ
最後部から船首側を見たところ
ここが本当の船底ですね。
これで約1時間の非公開区域見学ツアーは終了
実に楽しい、興味深い見学会でした。
コメントを投稿する
コメントを書く