週刊東洋経済『船・港』海の経済学が面白い。
本屋の店頭で表紙タイトルの大きな文字に惹き付けられて思わず購入してしまった。 リタイアしてからは経済誌などには関心がなくなったが、自分が今一番関心事をもっている『船・港』について最新情報が載っているから見逃さずにはいられない。 趣味の雑誌は月刊誌か季刊誌が通常であるのに週刊の経済誌というのにも注目に値する。これまであまり注目されなかった日本のクルーズ業界が重要視されてきた証拠でもある。
表紙はダイヤモンド・プリンセス
表紙の写真はダイヤモンド・プリンセス。「新型コロナウイルスの影響により、横浜港に孤立するダイヤモンド・プリンセス」と小さな文字で説明書きされている。 テレビや新聞で連日トップニュースのダイヤモンド・プリンセスに関して「コロナ直撃、ブームの行方」と題して特集している。予期せぬ形で時の話題となったクルーズ船。かつては豪華客船と表現されてきたが、すっかりクルーズ船という呼び方が定着し浸透したようだ。
今回を契機にダイヤモンド・プリンセスは日本一有名なクルーズ船になったと言える。
なんと表紙はダイヤモンド・プリンセス
成長期を迎えていた日本のクルーズ業界が新型肺炎の風評被害でクルーズ船の弱点だけがクローズアップされて今迄の上昇機運が萎んでしまわないか心配である。そして一刻も早く新型コロナウイルスの嵐が収束して欲しいものである。 クルーズのビジネスモデルについてもグラフや図、写真などが多数掲載され分かりやすく説明されており読んでいて楽しい。
船にまつわる業界構造も解説
「脱炭素化で船舶が大激突」と題し、地球温暖化への対策が急務となる中でLNG(液化天然ガス)への転換が進みLNG燃料船建造が相次いでいる状況も説明している。
「船・港 海の経済学 ニッポンの生命線が危ない」というショッキングな見出しで海運業界の集約化や造船業界の再編についても説明している。かつては世界一だった日本の造船業界は合理化や人員削減で優秀な技術者や造船ノウハウが海外に流出し、今では中国、韓国に敗退し後塵を拝しているらしい。
世界の港は規模の時代になったという記事にも注目した。太平洋とインド洋を結ぶ海上交通の要衝に位置するシンガポールが中継貿易の拠点として小国であるにもかかわらずコンテナの積み替え港としての機能を強化して世界トップ級に躍り出たと説明している。 コンテナ取扱量日本一は東京港、外国客船の入港数は寂しい名古屋港だが取扱貨物量・貿易黒字額については名古屋港が日本一であることも改めて知った。
トラック運転手不足・レジャー多様化で需要増となっているフェリー業界についての記事も掲載され興味深い。 週刊東洋経済『船・港』海の経済学(定価730円)はクルーズファンにとって読み応えがあり必見の週刊誌。是非皆さんにお薦めしたい。
私も購入して読みました。
海国日本と口先では言いながら碌な記事を書かないマスコミの久々のヒット記事ですね。
細かい点では?もありますが、皆様に読んでいただきたい特集記事だと思います。
コロナウイルス騒ぎでクルーズ船の弱点ばかりがテレビや新聞で報道されてクルーズを敬遠する人が増えてしまわないか気掛かりです。そんな中でこの本は一石を投じていると思います。
クルーズは究極の旅!早く沈静化してクルーズの魅力がもっと脚光を浴びるようになって欲しいです。
mr.junさんはキュナードの船で色々な海域に行かれていますね。レポートを興味深く拝見しています。
私の勝手な文章も読んでいただいたそうでありがとうございます。
今回の騒ぎが折角盛り上がってきた日本のクルーズブームに冷水を浴びせたのは事実でしょう、なんて他人事のような事を言っていたら、キュナードがクイーン・エリザベス号の5月までの日本寄港を中止したうえ、各船に乗船する日本や台湾等からの人の医療検査を強化する、と聞いて驚いています。
本当に早く終息しないと、アジア人は欧米発着のクルーズからも締め出されそうで心配ですね。
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