恋しかったクルーズ
飛鳥Ⅱ、にっぽん丸に続き、ぱしふぃっくびいなすも12月から1月にかけてのクルーズを発表した。
飛鳥Ⅱ、にっぽん丸は11月2日、ぱしふぃっくびいなすは12月5日から1泊から3泊の国内ショートクルーズではあるが、待ちに待った新型コロナウイルス感染対策を徹底しての日本のクルーズ船によるクルーズ再開である。 今回のコロナ禍で人と会わない、写真や画面上でしか風景が見られない、潮の香りも感じられないなどと自宅で窮屈な日々を過ごし、洋上から見る景色、そこからの体感がどれほど価値のあるものであるかを改めて実感した。半年以上にわたり世界中のクルーズ船が運航休止となり、クルーズに出掛けたくても出掛けられず、海風を浴びながらの船旅が本当に恋しくなった。
乗船前にPCR検査が必要なことも
ぱしふぃっくびいなすは当面、次クルーズの出航まで一晩以上停泊し、船内の消毒・清掃を徹底し、乗船客数を乗船客定員の約半数までとしている。クルーズによっては事前PCR検査が必要で、この場合はすべての乗船客が指定機関の事前PCR検査を受ける必要がある(検査費用はクルーズ代金に含まれる)。 糖尿病、心不全、呼吸器疾患(COPDなど)などの基礎疾患がある人や透析を受けている人、免疫抑制剤や抗がん剤などを用いている人は新型コロナウイルス感染症を発症した場合、重症化するリスクが高いとされるため、乗船は避けて欲しいとしている。酸素ボンベ・酸素濃縮器等の呼吸器疾患用医療機器を利用している人は乗船不可とされており、今までは暇とお金があればクルーズが出来たが、これからは自分自身の健康管理が重要になってきた。
寄港地観光なしでも楽しめる
今回のぱしふぃっくびいなすの発表で注目したのは12月18日からの横浜~駿河湾周遊~横浜の2泊クルーズと12月30日からの神戸~宮崎~錦江湾周遊~神戸の3泊クルーズ。本来なら清水や鹿児島に寄港するのに無寄港にして船上から富士山や開聞岳を眺めるという企画にとても魅力を感じた。寄港地観光しなくても船上から日本列島を眺めるのも乙なものである。
何年か前に飛鳥Ⅱの「若大将クルーズ」に乗船した時、横浜を出港してから『光進丸』の歌詞一番の曲を辿るように江の島⇒三崎⇒大島⇒新島⇒式根島⇒三宅島とクルリクルリとジグザグの航路を進んだが、無寄港でも充分に楽しめた。
寄港地によっては住民が寄港に反対するケースも想定され、その時は無寄港というのも選択肢かと思われる。寄港に反対する人々でも陸上から至近距離の海上に浮かぶクルーズ客船の雄姿に心を惹かれるに違いない。 今まで日本一周と銘打ったクルーズでも北海道は函館か小樽に立ち寄る位で本州と九州、四国の外側を周遊するようなクルーズで、日本列島をぐるりと周遊するようなクルーズはなかったと思う。日本列島を無寄港で一周するような海に囲まれた日本ならではのクルーズを体験してみたい。クルーズ船の船内には多彩な施設があるので船内だけでも過ごせるのもクルーズ船の強みだ。
WITH CORONA
本年2月にダイヤモンド・プリンセスセスで新型コロナウイルスの感染者が多数発症し、残念ながら日本においてはクルーズへの風評被害が発生してしまった。しかし、あの時は船側も乗船客も全く無防備状態だった。現在、人々は手洗い、マスク装着、ソーシャルディスタンスの生活が浸透し、船会社側は感染防止対策の徹底を図り状況は一変した。 陸、海、空の交通手段の中で船は乗客にとって最も空間にゆとりがあり換気も良い。その強みを活かしてWITH CORONA時代に順調に船出して欲しいものである。
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