キュナード社フラッグシップであるクイーンメリー2。船内に一歩足を踏み入れた途端、古き良き時代にタイムスリップしたかのような感覚を覚えました。絢爛な内装・外観とスタッフのサービス・・・気品と優雅さが感じられ、まさに「洋上の宮殿」。船内の至る所に時を超えたキュナードの歴史と伝統が漂っています。
今回のシンガポール出港時点での乗船客数は41ヶ国の2,554名。国籍上位はオーストラリア人が1,118名、2位がイギリス人548名、3位がアメリカ人249名、4位が何と日本人123名。日本人もやっとクルーズの魅力が分かってきてクルーズ愛好家が着実に増えていると感じました。
<東南アジア周遊クルーズの航程>
3月23日シンガポール19:00出港
3月24日終日航海
3月25日レムチャバン(タイ)9:00入港・21:00出港
3月26日終日航海
3月27日プーミー(ベトナム)7:00入港・20:00出港
3月28日終日航海
3月29日終日航海
3月30日香港8:00入港
3月31日香港8:00下船
真ん中の肖像はキュナード社の創設者サミュエル・キュナード。1839年イギリス政府の郵便補助航路企業として、「イギリス及び北アメリカ郵便逓送特許汽船会社(British and North American Royal Mail Stamp Packet Co.)」を設立。左側はキュナード社の記念すべき最初のブリタニア号、右側は2004年に就航したQM2。
王室との縁の深さを感じるエリザベス女王夫妻の肖像画
若かりし日のエリザベス女王
若かりし日のダイアナ妃とウイリアム王子、ヘンリー王子の写真
本船には日本人ホステスが乗務しており、乗船日の午後4時から日本語による乗船説明会と避難訓練が行われました。クイーンメリー2の大西洋航路に何度も乗務し、最終目的地サウザンプトンまで乗務する日本人ホステス山本さんにより船内生活で役立つ情報や注意事項が分かりやすく詳細に説明され、とても参考になりました。
終日航海日にはデッキ2前方のコーナーで日本人乗船客を対象とした『日本語デスク』が設けられ、日本人ホステスが相談にのってくれます。今まで私が乗船した外国発着のクルーズでは日本人は他にいなかったため日本語デスクなどはなく、英語が達者でない者にとってはとても頼りになりました。
キャビンの鍵・船内での精算用クレジットカード・身分証明の3つの役割を果たすクルーズカード(IDカード)私はシルバー会員:27年前の1991年にQE2に乗船した乗船券原本がバウチャーとして認められ、キュナード・ワールドクラブ(リピーター登録)上は2回目の乗船。次回乗船するとゴールド会員に昇格します。
リピーター客への歓迎状シルバー:1回目のクルーズ終了後ゴールド:2回目または20泊のクルーズ終了後プラチナ:7回目または70泊のクルーズ終了後ダイヤモンド:15回目または150泊のクルーズ終了後
船内新聞のDaily Program(英語版)
日本人ホステスにより和訳された日本語版のデイリープログラムも配布
英語版の観光案内も配布
日本語版の寄港地観光ニュース
キャビンで見れるテレビガイド日本語映画も用意されていましたが、専ら操舵室からのカメラ生中継や船の現在場所が分かる航海情報を見ていました。
デッキ2船首にあるキュナード社の歴史を物語る史料コーナータッチパネル形式で色々と検索。
往年の政治家や映画俳優や芸術家の写真がずらりと展示され、まるで美術館か資料館みたい。
コーナーを回っても往年の有名人の写真がずらり
デッキ2の船首部分の展示コーナー
船内の廊下や階段やロビーはまるで資料館と呼べるほど写真や絵画がいっぱい
デッキ3右舷側にあるアートギャラリー
デッキ7後方の廊下にキュナード175周年記念の象徴としてQE・QM2・QV3隻が並んだ写真を掲示時を超え人々に愛され続けているキュナードの歴史と伝統を感じます。
QE2とQM2のランデブーシーンの絵画
エレベーター付近に設置のフロア案内図エレベーターと階段は前方から順番にA、B、C、Dと4か所に設置
エレベーター付近に設置の船内案内図
船長が筆頭の高級オフィサー紹介写真キュナードではクルーとスタッフとオフィサーの階層が明確になっていると感じました。
ホテル部門スタッフの紹介写真
エンタテイナーの紹介写真
デッキ2のグランドロビーに通じる広々としたプロムナード
デッキ3のアトリウムに設置の鐘とクイーンメリーの壁画
クイーンメリー2の艦船接頭辞RMS(Royal Mail Steamer英国郵便汽船)が物語るデッキ2ロビー設置の赤い郵便ポスト絵葉書や定型サイズの手紙を1枚につき$1.60で世界中に送れる。(投函した後の寄港地から発送)
2層の劇場イルミネーション典雅な雰囲気はキュナードの格調高さを感じます
デッキ8の中央部に位置し、ベランダ付きで快適なマイキャビン。振動もなく海が荒れていても殆ど揺れず、船上にいる事を忘れそう。寝ている時に聞こえた音は推進軸の音ではなく空調の音でしょうか?
キュナード社のリピーターであることからキャビンのテーブルにはスパークリングワインがプレゼントされていました。
ご覧のようにベランダの向うには救命艇が視界を遮っています。バスタブはありませんが、ベランダ付きでお値打ちなグレードです。
航行中にキャビンからこんな光景も
世界最大規模を誇る船内図書室
日本語図書コーナーも発見
SHOPにはキュナードに関する専門書が色々揃っており見応えがあります。帰りの荷物が重くなるので購入するのは諦めて立ち読みしました。
図書室前方に設けられ視界良好の椅子席。ここはキャビンと同じフロアにあり、お気に入りの場所です。
BOOK SHOPと客室の間にあるQM2の絵画コーナー
デッキ9船首にあるコモドアクラブ進行方向前方の景色をゆったりと楽しめます
洋上では史上初のプラネタリウム(デッキ4前方に配置)
ゴディバ・カフェ試しに入ろうと思っていましたが、利用するタイミングを逸しました。
Qマークの幕が目印のクイーンズルームでは毎日3時30分からのアフタヌーンティーはハープ演奏されていて優雅な雰囲気
美味しいケーキが次々と
この日のアフタヌーンティーではバイオリン奏者4人がポピュラー音楽を演奏
クイーンズグリルとプリンセスグリル入口手前にあるグリルラウンジ
OFFの時間帯にちょっとお邪魔してQカテゴリー対象のクイーンズ・グリルをパチリ。最上級のQカテゴリーは部屋には専属のバトラー(執事)がつき、荷物の荷ほどきやパッキングなどをしてくれるらしい。
続いてPカテゴリー対象のプリンセス・グリルにお邪魔してパチリ。Pカテゴリーの乗船客にはパーソナル・コンシェルジュが好みに合わせて、スパの予約やショアエクスカーションなどの要望に応えてくれるとの事ですが、庶民派の私は自分で探したり予約しに行ったりして難なく船内生活を送れました。
ブリタニア・レストランの名称の通り、ブリタニアの壁画が待ち構えます。天井はキュナード社のリバプール本社ルーフと同じデザイン
リバプール本社のルーフと大きさもデザインも同じ
2層になっているブリタニア・レストラン船室等級で利用するレストランが区分されており、私達はこちらを利用します。
ブリタニア・レストランの上層階
ブッフェ形式のキングスコート。風景画が数多く展示され開放的な雰囲気
昼間のクイーンズルームでは男女のダンサーが講師役でダンスレッスンを開催。ダンスレッスンは12時15分から開催され、ランチ時間帯なので2回しか参加できませんでした。
毎晩生演奏でダンスが楽しめるクイーンズルーム。欧米人は粋なムードで踊り、さすがです。日本人は表情が硬過ぎる!いつかはここで軽やかに踊ってみたいなぁ
バーに立寄りマンハッタンを一飲みし、ほろ酔い気分でディナーに向かいます。
ブリタニア・レストラン入口にある座席入力画面。窓側の席などと希望すると メートルディーがこれに入力してウエイターが空いている席まで誘導してくれます。
前菜の盛り付けもお洒落
主菜は赤ワインとサーロインステーキ
ビュッフェ形式のキングスコートでは美味しそうな料理が選び放題食べ放題
今宵の主菜はヘルシーな魚料理
洒落たアクセントのデザート
日本人ホステス山本さんが希望者に厨房見学ツアーをしてくれました。(前日夜に配布されたチケットを持っている人限定)
ブリタニア・レストラン奥の回転ドアを潜り、厨房に入ると食器洗い場があり、冷製前菜や温製ホットプレスなどのコーナーがあり、熱心に作業している光景が見れました。
ウエイターが注文を受け、注文表に入力するとコンピューターにデータ入力されバーコードチェックが発行され、自動的に厨房内の2つのスクリーンに反映され、どのメニューがいくつ注文されているか、シェフが確認できるようになっていました。
ブリタニア・レストランで食事する1,200人の1回の食事で15,000以上の食器、フォーク、スプーン、ナイフが使用、洗浄され残飯は液体状にして国際海域12海里のところで海に流すそうです。
フォーマルナイトに行われたカクテルパーティーで愛嬌をふりまく上級オフィサー。インフォーマル化の趨勢の中でキュナードはフォーマルナイトでは頑なに正装を求めているようです。
嬉しいことにフォーマルナイトの日にディナー招待状が届きました。
キャプテンズテーブル10人席で団体旅行ではない個人旅行のキュナードや船旅の超愛好家が集い、自己紹介したり船旅談義して話の花が咲きました。
今宵ばかりはタキシード。このタキシードは1991年カリブ海クルーズの際に新調したものですが、以来あまり着る機会もなく箪笥の肥やし状態。今回久しぶりの出番登場でしたが、日頃あちこちを動き回っている甲斐あり、体形も変わらずサイズもピッタリで新品同様に着れました。今回のクルーズで食べたい放題で過ごしても体重は殆ど変わりがなく、いかに船内ウオッチングや観光で沢山歩き回ったかが分かります。
左舷船首にある展望専用のエレベーター
デッキ6のキャビンが一番長く配置されており、廊下は300m以上真っ直ぐに一直線。デッキを歩くと風当たりがきついので、廊下を周回したり階段を昇り降りして運動不足解消を図るのが日課に。
洗濯機、乾燥機、洗剤、アイロンが無料で利用できる洗濯室
ブリッジ(操舵室)を後方から見学できるコーナー(デッキ12)
撮影禁止箇所である事を知らずに撮ってしまいました。悪しからずご了承ください。
デッキ7のフィットネスルーム
スパクラブのプール身体の不自由な人でもプールに入れる機具が設置されているのには感心。
スパクラブのプール更衣室
スパクラブのリラックスラウンジではセルフ方式のソフトドリンク。
右舷側の海を眺めながら寛げるリラックスラウンジスパクラブ利用券を購入して利用(1日券40$、3日券75$、6日券105$)。試しにプールとリラックスラウンジを利用しましたが、1日券40$支払う程の価値は感じられませんでした。マッサージやトリートメントを利用すれば無料で利用可能。
お子様対象の託児所ゼロゾーン2歳から17歳までの子供対象に年齢に合わせたチルドレンズ・プログラムを用意
ゴールデン・ライオン・パブ(デッキ2)
ゴールデン・ライオン・パブにはダーツもあり、気軽にダーツを楽しめ各国の人が集まり参戦
今日の昼食はゴールデン・ライオン・パブで英国風パブランチ
九州からきた皆さんと仲良くランチ
クルーズ終盤のインフォーマルのディナーのひと時隣席はお互いに一人で世界一周クルーズしている4人の女性
下船時に通常の下船の流れでは帰国のフライト時間に間に合わないため、セルフ方式で下船する「ディスエンバケーション・カード」を発行してもらい、通常より早く下船しました。
香港の景色を眺めながら下船前に最後の朝食
乗船客が心に残るサービスを提供した乗組員を推薦する「WHITE STAR SERVICE」の投票用紙私は迷わず日本人ホステスの山本さんとルームサービスのフィリピン人・ファーディ(カタカナも書けて日本語が達者)を推薦しました。以上の通り、船内を何でも見てやろうと思い色々と散策しましたが、8泊9日のクルーズで動き回っても廻りきれず、やり残した感じをもちながら名残惜しく下船しました。
同船に乗船し、写真時に同席していた僕です。詳しく乗船記を書かれ面白く読みました。他の乗船記も読みました。
5代目グレー色のロッテルダム号は、乗船した時、入口のふさふさした絨毯につまずいた記憶があります。
真っ白のロイヤルバイキングスカイ号に乗船した記憶もあります。色々名前が変わっていたのですね。
ms.trveljyubeiさま
ブログや乗船記を読んでいただきありがとうございます。
QM2に乗船して4年以上経過しましたが、船内で同席した方からコメントをいただき、とても嬉しく思います。
あの頃のように安心して海外クルーズに行けるようになると良いですね。
5代目ロッテルダムやロイヤルバイキングスカイにも乗船されたとの事でお互いにクルーズでは年季が入っていますね。今後ともよろしくお願いします。
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