長距離フェリーに新造船を投入する動きが相次いでいる。
船旅を楽しむクルーズ人気と共に貨物の海上輸送の浸透が背景にあるようだ。 地震や台風などの自然災害の多い日本においては陸上交通だけでは限界があり、長距離フェリーは人や物を大量に運べて頼りになる存在だ。
日本長距離フェリー協会によると現在会員8社が運航する航路は14あり20の港を35隻が結んでいる。このうち4割の14隻が2015年以降に投入された新造船で、老朽化した既存船から入れ替えられ新しいステップへと移行し進化しつつある。 例えば2017年に新潟~小樽航路で就航した新日本海フェリーの「らべんだあ」「あざれあ」、大洗~苫小牧航路で就航した商船三井フェリーの「さんふらわあ ふらの」「さんふらわあ さっぽろ」、2018年には東予~大阪南港航路で就航した四国オレンジフェリーの「おれんじえひめ」「おれんじおおさか」、大阪~志布志航路で就航したフェリーさんふらわあの「さんふらわあさつま」「さんふらわあきりしま」、本年1月には仙台~苫小牧航路の太平洋フェリーの「きたかみ」が旧船に置き換わり相次いで就航した。
雑魚寝のイメージから、動く海上ホテルへ
かつては雑魚寝というイメージの長距離フェリーのイメージが大きく変わりつつある。 四国オレンジフェリーの「おれんじえひめ」「おれんじおおさか」は動く海上ホテルをコンセプトとしてスイートルームもあり客船のように完全個室化されており、就航してから20年以上も経過しているにっぽん丸、ぱしふぃっくびいなす、飛鳥Ⅱのキャビンよりはよっぽど斬新で魅力がある。
フェリーの船内
最新の長距離フェリーを見たくなり、太平洋フェリーの新きたかみの船内見学会に昨日行って来た。新きたかみも乗客が雑魚寝する大部屋をなくし、個室を189室と大幅に増やし、家族連れを意識して2段ベッドを2台巧みに組み合わせた新仕様の客室やペットと一緒に泊まれる客室なども新設した。また運転手向けスペースを完全個室化してより快適に過ごせるように改善している。これならトラック運転手は航行中休息でき、労働時間や交通安全の観点からも理想的である。
フェリーの時代が到来か?
陸上交通の補完機能として生まれた中・長距離フェリーは高速道路の無料化政策や原油の高騰等で経営が厳しい時代もあったが、最近はカーフェリーを利用してトラックそのものを航送しCO2排出を削減し地球に優しく大量輸送を可能にする「モーダルシフト」とドライバー不足という追い風を受けて船舶も更新されて波に乗っているようだ。
客船の数も少なく容易に乗れない昭和の時代にはフェリーで船旅気分を味わったものである。その頃はフェリーに乗り、潮風に吹かれながら海を眺めているだけで船旅に満足し、自分にとってはクルーズの入門編でもあった。 現在においては日本の3客船をはじめ多くの外国客船も日本発着クルーズを運航するようになり、気軽に優雅なクルーズが楽しめるようになってきた。
長距離フェリーもクルーズブームの波に乗り、クルーズ入門編として人々に船旅の楽しさを知ってもらう機会になればクルーズ愛好家が増え、日本のクルーズ業界も弾みがつくような予感がする。 横浜や名古屋で船内見学会が開催され多くの見学者が訪れた。 ペットテラスもありペットも一緒に船旅を楽しめる。 カーフェリーは自動車そのものを航送しCO2排出を削減。地球に優しく大量輸送を可能にし、手軽に船旅も楽しめるフェリーは素晴らしい乗物だ。
柴田さん!フェリーも随分進化を遂げてますね 更にクルーズにも拍車がかかりますね
最近の新造船フェリーの進化は目を見張るものがあります。定期航路のフェリーは定期運航されているので、船旅気分を味わいたい時に気軽に乗れて計画を立てやすいのが良いですね。リタイアおじさんの私では客船のスイートルームは手も足も出ませんが、フェリーのスイートルームなら少し奮発すれば可能です。2年前には太平洋フェリーの「いしかり」のスイートルームを利用し名古屋⇒仙台まで乗船し、帰りはマイカーで日光や東京見物しながら楽々で帰って来ました。こんな旅ができるのもフェリーならではです。
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