画期的な寄港地観光案内

セレブリティ・ミレニアムの日本周遊チャータークルーズにて

　セレブリティミレニアムの日本周遊クルーズ（９月２２日横浜出港）の船内で画期的な寄港地観光案内を経験した。

　このクルーズには横浜を含めて８つの寄港地全ての港湾関係者も一緒に乗船し、クルーズ期間中は船内のゲストリレーションズ（フロント受付）近くの一角に寄港地毎のカウンターが設けられ、観光パンフレットや地図を用意し、各寄港地の担当者が応対し観光案内が実施された。更にクルーズ２日目の終日航海日には劇場で寄港地毎に３０分間の寄港地説明会がプロジェクターを使用しながら開催された。政治の世界では関係が悪化している韓国の釜山も両方の企画に参加していたのには感心した。

従来の寄港地観光では

　従来のクルーズでは寄港地に着いてから着岸した埠頭付近やクルーズターミナルで観光ガイドや地図を入手して寄港地観光を開始する。入港から出港迄の限られた滞在時間であるため余程事前に調べて計画しておかなければ満足に寄港地観光はできないのが一般的である。

　船側で用意されるオプショナルツアーを利用すれば道に迷う事なく、交通渋滞等で船に戻る時間が遅れた場合でも船に乗り遅れることはなく安心だが、オプショナルツアー料金は1万円以上するのが一般的で寄港地が多ければ多いほど出費がかさむ。見知らぬ外国ならオプショナルツアーを利用する価値はあるが、今回のような日本周遊クルーズであれば言葉の不自由もなく分からない事は気軽に尋ねられるので自力で観光できる。 今回は終日航海日など手持ち無沙汰な時間がある時に寄港地での交通手段や観光情報などを乗船中に知ることができて、寄港地に着いてから満足度の高い寄港地観光ができて理想的だった。

驚きの船内日本酒試飲会

　今回もう一つ驚いたのが秋田県の地酒メーカーによる清酒講義と６種類の日本酒「高清水」試飲会がスカイラウンジで開催された事である。ワインテイスティングは３０ドル位の有料で行われるのが一般的であるが、６種類の日本酒が無料で試飲できるなんて初めての経験である。もし外国人が多いクルーズで開催されていたらもっと感動的なイベントになったに違いない。聞くところによるとセレブリティクルーズのクルー（ソムリエやバーテンダーなど）には日本酒の説明会を船内で実施し、秋田に着いてからは蔵元見学も実施したとの事で秋田の地酒メーカーとセレブリティクルーズの度量の大きさに感心した。

ミキツーリストのチャーターならではの粋な計らい

　今回はミキツーリストのチャータークルーズなので企画できたかもしれない。ミキツーリストが全寄港地に呼び掛けた事や各寄港地が賛同し各地の港湾関係者が多忙にもかかわらず勢揃いし、実際にクルーズを体験し乗船客と対面で寄港地案内した事そしてオプショナルツアーの売上が減るのも承知の上で船内での寄港地観光案内を承諾したセレブリティクルーズの英断に拍手を送りたい。

　いよいよ日本のクルーズにおける寄港地観光にも黎明期到来！！今回を契機に寄港地とクルーズ船社との連携が進み、上質な寄港地観光やクルーズ文化が醸成されることを期待したい。 ウエイターにより秋田の地酒「高清水」がミニカップに注がれた

先着３００人限定で入場整理券が配られ、来場者は６種類の地酒を飲み放題で試飲できた

寄港地案内コーナーではJR東日本の社員さんも制服制帽姿で参加