養殖真珠の生みの親であり、「真珠王」とも呼ばれた御木本幸吉が横浜港から渡米する時に船上でステッキの先に赤いハンカチを巻き付けて見送り客に向かって高く掲げたという逸話があり、赤いハンカチは鳥羽の歓迎出港セレモニーの中に、再会の約束として今も受け継がれています。
鳥羽港に大型客船が入港した際、出港時にお見送りセレモニーとして、お見送りの遊覧船と大型客船の乗船客の双方で赤いハンカチを振り合う『リメンバー赤いハンカチ』が2002年5月に にっぽん丸が入港した時から脈々と行われています。
そこで8月24日鳥羽にダイヤモンド・プリンセスが入港した際、赤いハンカチでお見送りするセレモニーを体験しようと初めて参加して来ました。
鳥羽駅に着いて先ず目を見張ったのが、官民一体となってダイヤモンド・プリンセスの乗船客をおもてなししている光景です。
あらかじめ鳥羽市観光協会の呼びかけで学生ボランティアを中心に「鳥羽おもてなし隊」が結成されており、鳥羽のマリンターミナルでは、テンダーボートで上陸してくる乗船客をおもてなし隊がお出迎えし、観光ガイドをしたり乗船客に話しかけて歓迎していました。
鳥羽は上陸してからオプショナルツアーに参加しなくても気軽に歩いて散策できる観光名所や「鳥羽なかまち」のような昭和の面影が残る商店街もあり、JRと近鉄の鳥羽駅も近くてクルーズ客船の寄港地としては理想的です。
クルーズ客船が入港しても地元に恩恵がないとの風評が一部でありますが、鳥羽は受入れ体制のインフラが整っており、徒歩で市内散策ができたり、グルメしたりショッピングもできます。
クルーズ客船の寄港地観光のモデルとなるような魅力が鳥羽にはあり、市民も心から歓迎し、地域経済も活性化していると感じました。
最終グループの乗船客を乗せたテンダーボートが桟橋を出ていき、いよいよ出港間近
マリンターミナル1番乗り場で2時30分集合し、赤いハンカチで見送るセレモニーがこれから始まります。
日本の客船をはじめ外国客船の見送りイベントを以前から実施しており、スタッフの人達や集まってきた人も随分慣れた感じです。
停泊中の船がこれから お見送りで乗船する『みつしま』
マリンターミナル前の桟橋で見送るのかと思いきや 赤いハンカチと見送りの船が用意され、見送りする人は事前予約なしで無料で乗せてもらえたのには感心。
『みつしま』と『安盛丸』の2隻体制で赤いハンカチお見送り
赤いハンカチも用意され、予約なしで参加出来て乗船料も無料。
鳥羽市観光協会や三重県の本気度が伝わって来ます。
配布された赤いハンカチと共に添付の由来が書いてある説明書き
見送りの船『みつしま』から眺めるダイヤモンド・プリンセス
『みつしま』はダイヤモンド・プリンセスに近づいていきます。
85人乗りの小さな船なのでダイヤモンド・プリンセスに接近でき迫力満点
4隻のテンダーボートの積み上げが間もなく終わります。
もう1隻の『安盛丸』
『みつしま』よりひとまわり大きく、トランペット奏者が『蛍の光』を演奏。トランペットの音色がダイヤモンド・プリンセスに反響して一層盛り上げます。
ダイヤモンド・プリンセスの周りを1周したあと更に周回
広島カープファンのような赤いポロシャツ着て、赤いハンカチを振って情熱的に見送る人も。
老若男女の人が赤いハンカチを振り、見送りに来た人同士の一体感が出てきました。
鳥羽市観光協会のホームページには下記のお知らせが記載されていました。
~お見送りセレモニー参加者募集のお知らせ~
観光船に乗り込み、大型客船に赤いハンカチを振って見送り、 鳥羽での再会を約束するセレモニー「リメンバー赤いハンカチ」を実施します。
【集合時間】14時30分
【場所】 鳥羽マリンターミナル1番のりば
【参加費】 無料
【お問合せ】TEL 0599-25-3019(鳥羽市観光協会)
ダイヤモンド・プリンセスのデッキには大勢の人が集まり、お互いに手を振り真骨頂
「みつしま」は安盛丸を追尾
「リメンバー赤いハンカチ」のセレモニーを楽しみにして、毎回見送りセレモニーにきているという地元の人も結構いました。
安盛丸はダイヤモンド・プリンセスの右舷側で周回を始めました。
安盛丸も揺れていますが、見送りの人達は船酔いお構いなしで盛んに赤いハンカチを振っています。
「みつしま」はダイヤモンド・プリンセスの周りを2周もしてくれて、見送りの乗船客に大サービス。
錨を巻き上げながら水を放水。錨の海水を洗い流しているようです。
放水艇も前後に2隻登場してお見送り
ダイヤモンド・プリンセスは出港予定時間の3時より10分遅れて汽笛3声鳴らし、高松に向けて出港態勢。
鳥羽を出港し伊良湖に向かう伊勢湾フェリー・鳥羽丸が現れました。
ダイヤモンド・プリンセスに追尾していく鳥羽丸
1時間にわたる赤いハンカチの素晴らしい出港セレモニーに立ち会い、感動的なお見送りが出来ました。
世界中で恒常的にこんなに感動的なお見送りしている港は鳥羽が唯一であるに違いない!!!
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