ポナンが愛される理由
フランスのバカンス船として多くの愛好者を誇るポナン。大型クルーズ船と差別化した小ぶりな船で洒落たサービスと常連客をあきさせない企画力でフランス、ベルギーを中心に多くの人々を魅了してきた。
実際、いろいろなフランス語圏の人と話をすると、ほとんどがリピーターでポナンで世界中を旅している。彼らは永年の常連ゆえに忌憚なく苦言を呈す。けれど、やっぱりポナンの愛好家なのだ。リピーターに他国の船に乗る気はさらさらないからこそ、この船独自のエスプリがぶれるのを嫌うのだ。
しかしながら、今回の不平不満はいつもとは質が違う。先の投稿で書いた通り、急成長による乗客の塩梅と従業員の教育が原因のようである。
例えば、フランスの朝食は一般的にバゲットを細長く切ったものにジャムやバターをつけるタルチーヌとカフェオレやショコラが一般的で、クロワッサンは週末の贅沢といったイメージで、簡素に済ませる。昼と夜は前菜メインデザートとボリュームもアップする。
朝食の際、カフェオレのつもりでコーヒーと牛乳を頼んだフランス人のところに、毎度冷たい牛乳をもってくる給仕。なぜだ?いちいち言わないと冷たい牛乳がでてくる。その一方で米豪組は、なんでいつも同じビュッフェばかりなんだと怒る。チーズやハム、ベーコン、ソーセージ、サラダにフルーツと豊富なチョイスがビュッフェに並ぼうと、メインの卵をオーダーできたとしても、彼らのテイストには飽きてしまうようだ。モーニングステーキがないからか??まぁ、それだけではないでしょうが。
昼食、夕食のワインのサービスもこれまで経験したポナンと比べて遅いし、人数が足りずサービスがうまくまわっていないのか、注文もよく間違えるのが話題になっていた。どちら側の給仕がより酷い技量なので座らない方がよい等の情報が国籍を超えて飛び交う始末。
昼食夕食のメニューは私も好きだし、ヨーロッパ人は満足なのだが、どうも、このフレンチスタイルが、米豪組には豪快さが足らない故か、お気に召さないらしい。
ある日の夕食は、最近よく見るアジアテイストを取り入れたメニューであった。いろいろな国籍の乗客に満足いくようにとの有難いサービスのはずが、出てきた広東ライス、マグロのタタキに、ベジタリアン用のサンラータンはいたって評判が悪い。
広東ライス、、、どうやって作ったんだろうか。厨房にはアジア人もいるのにこの固いコメに謎のジンジャー風味。
マグロのタタキ、あまいタレにごま油を混ぜ合わせた特製ソース。付け合わせの海藻もゴマ油まぶし。あーーーーーあり得ない。
ビュッフェの前菜に意味不明の寿司がビュッフェに並んでいたことも。
これならば、本来のフランス式で貫いてほしい!ちなみに昼夜いつでも常駐のポナンバーガーのお味は、パテは美味しいので、バンズにもう少し改良が加わればパーフェクトになろう。
ポナンはフランスの船ゆえに、食に対しては特に人々の大きな期待値を背負う運命にある。
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