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ギリシャの小さな島を巡る幸福 2

シリーズ  Le Bougainville - Ponant

Cytera, Greek
Photo: Cytera, Greek

リゾートと暮らし

ギリシャの小さな島々を巡る喜びを熱く語ってくださった、2017年夏にご一緒したリリアルのキャプテン。今回の航路、東地中海の島々に寄港し終着港のイスタンブールまで、ギリシャ・ローマ・オスマントルコの盛衰を肌で感じながら、つくづくキャプテンのことばを思い出した。

地中海性気候の特色は、夏の強烈な日差しと乾燥した空気と冬の雨にある。島々の家は夏の強烈な日差しを遮り、風遠しがよいつくりになっている。それぞれの寄港地でそこに居を構える人々の暮らしが垣間見られる。そしてギリシャの島々にはたくさんの猫が共存している。猫歩きの写真家岩合光昭氏は猫ちゃんは平和の象徴だという。美しい風景と地元の人々、行き交う観光客と一体となっている猫ちゃんは、人懐こくすり寄ってきたり、シャーシャー威嚇してきたり、今となっては東京では味わえない外猫との交流が昭和的で懐かしく、楽しい。

近頃、クルーズ公害がメディアを賑わせており寄港地の人々の日常に多少の潤いを与えはするが、大半の人にとって破壊的なイメージが伝えられているものの、どこにいっても人々は優しかった。たくさんの猫を飼っている庭先で立ち止まれば、優しく声をかけてくれる。

パトモス島では、エクスカーションは申し込まず、スクーターをレンタルしてあちこち巡った。8時間20ユーロという安さで、島中、勝手気ままに巡り、美しいビーチを見つけては立ち寄り、遥か遠くの丘の上に気になる教会を見つければ、そこを目指して一っ走り。UVケアなど気にしている余裕もなく優雅さとはかけ離れているが、学生時代に戻ったみたいに無邪気な気分に浸った。

トルコに近づくにつれて、家々の屋根が白から赤茶に変化していく。歴史でひとくくりにギリシャ、ローマ、ビザンツ、オスマントルコと大雑把な学び方しかしていないが、この小さな島々にそれぞれの歴史があり、夢の跡はあちこちに痕跡を残しており向学心をそそる。

クルーズ船でなければ短期間にこれだけの旅程を優雅に巡ることなどできないだろう。この航路はもう一度、機会があれば、勉強をし直した上で訪れたい。

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