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船のマメ知識 「SOLAS条約」

シリーズ  書庫:船のマメ知識

トパーズの傭船延長が決まったようです。

トパーズという船は、船齢も古く、もともとSOLAS条約への適合が危ぶまれていた船で、
これの件もあって、ピースボートとしては、当初の傭船契約を結んでいたと思っていた
んですけど、何らかの状況変化があったって言うことなのかなと私自身は思っています。

"Overseas Cruise Maniacs"には、コラムの欄があるのですが、書いては見たものの、
陽の目を見ていない記事なんかがあったりします。
そのうちのひとつ。

「SOLAS 2010概略」
http://www.overseacruise.com/cruisemaniacs/column14.htm

を見ていただけると、古い船に対する厳しい条約の姿が見えてきます。

上記コラムからちょっと引用すると、SOLASとは、

"Safety of Life at Sea"

の頭文字をとったもので、日本語訳では、

「海上における人命の安全のための国際協定」

ということになります。
船舶のみならず、港湾施設への対応をも含めた総合的な協定です。
このコラム自身が3年ほど前に書いたものなので、現在では又少し状況が変わっています。
テロ行為に加え、海賊船による海上船舶への被害などを踏まえて、新たに付け加わっている
部分があります。
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(1)船舶自動識別装置(AIS)の早期導入
国際航海に従事する旅客船及びタンカー以外の総トン数300トン以上50,000トン未満の船舶は、2004年7月1日以降の最初の安全設備検査又は2004年12月31日のいずれか早い時期までにAISを搭載すること。(なお、新造船、旅客船、タンカー及び総トン数50,000トン以上の船舶については2004年7月1日までに措置するよう既に措置されている。)

(2)船舶識別番号の表示
国際航海に従事する旅客船及び総トン数500トン以上の貨物船のうち、2004年7月1日以降に建造される新造船については建造時に、それ以外の現存船については、2004年7月1日以降の最初のドック時期までに、船体外板、水密隔壁等に船舶識別番号を表示すること。

(3)履歴記録の備え付け
国際航海に従事する旅客船及び総トン数500トン以上の貨物船は、2004年7月1日以降、主管庁の発行する旗国の名称、当該国に登録された日付、船名、船籍港等の情報が含まれた履歴記録を船内に備え付けること。

(4)保安計画の策定等
2004年7月1日までに、国際航海に従事する旅客船及び総トン数500トン以上の貨物船並びにこれらの船舶が使用する港湾施設を対象に以下を措置すること。

船舶内の立入制限区域の設定、船内巡回の実施、部外者の出入りのチェック等を内容とする船舶保安計画の策定及び船舶保安計画に責任を有する保安職員を船舶及び会社のそれぞれに配置すること。
港湾施設内の立入制限区域の設定、港湾施設への出入りのチェック等を内容とする港湾施設保安計画の策定及び港湾施設保安計画に責任を有する保安職員を配置すること。
(5)警報装置の導入
2004年7月1日以降に建造される新造船については建造時に、それ以外の現存船については、船舶の積荷の種類等に応じて定められる期日(旅客船、総トン数500トン以上の油タンカー、液体化学薬品ばら積み運搬船、ガス運搬船、バルクキャリア及び高速船:2004年7月1日以降の最初の無線設備の検査日、その他の総トン数500トン以上の貨物船:2006年7月1日以降の最初の無線設備の検査日)までに、テロ等により船舶が危険な状況にあることを沿岸国等に通報する警報装置を設置すること。

(6)寄港国による監督措置
上記改正条約等の要件を船舶が満たしていることを確認するため、寄港国は監督を行い、要件を満たしていない船舶が港内にある場合には、従来のポートステートコントロールによる出航差し止め等の措置に加え、港からの排除といった強制措置を執ることができ、また、このような船舶が領海内で港に入ろうとしている場合には、入港拒否を含む所要の措置を執ることができることとされた。
ただし、港湾からの排除及び入港拒否といった強力な強制措置は、急迫した脅威があり、その脅威を除くために他に適切な方策がない場合にのみ執ることができることとされた。
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厳しいですよね。上記条約文の中で、国際航海船舶とは、
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国際航海(一国の港と他の国の港との間の航海)に従事するすべての旅客船と総トン数が500トン以上の貨物船(もっぱら漁業に従事する船舶や500トン未満の貨物船等は除きます。)
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を示し、かつ、国際航海船舶には以下のような内容がが義務付けられます。
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保安措置の実施(船舶への出入管理、貨物の取扱管理、船舶内外の監視等)
船舶警報通報装置の設置
保安管理者の選任
上記をとりまとめた保安規程の作成
※ 国による保安規程の承認、船舶検査に合格し、「船舶保安証書」の交付を受けなければ国際航海に従事できません。
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次が今回のトパーズの契約延長には特に問題の部分。
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2002年7月1日以降に建造の全てのSOLAS条約船に搭載が義務付けられるほか、既存の船舶にも順次搭載が義務づけられ、2008年7月1日には全てのAIS適用船(注)に搭載義務が発生。
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12/24の横浜入港は、実はドック明けだったっていうことは、皆様ご存知の通りだと
思います。これが、どういうドック入りだったのかっていうのがポイントになります。
条約の中味から言うと、今後も世界航海をトパーズが続けるためには、今回のドック
入りで条約をクリアする設備を備えていなければなりません。
もし、これを行っていないとすれば、2008年7月で終わりという事になります。

ピースボートへの傭船を最後に、持ち船会社がスクラップへの選択をしたという懸念
が拭えないというのが私の見解です。

「トパーズ」晴海初入港の時の写真です。
http://www.overseacruise.com/tpz20030610/tpz20030610.htm

リョウ

わたしの学校の所有する実習船で国際トン数600tのためSOLAS条約が適用されるので乗船実習の際は乗り遅れることがないようにと先生に言われ続けました。(笑)

リョウさん、こんばんは。
いろいろなところに波及してるんですね...

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