クルーズセミナー in 高松 (1/3) クルーズ振興の最前線、香川のアウトバウンド志向客船誘致
シリーズ 第5回 クルーズセミナー in 高松
8月4日(土)、香川県の高松にて「第5回クルーズセミナー in 高松」がおこなわれた。
今回で5回目となる香川県主催の本クルーズセミナーは、香川県内のクルーズ人口を増加させ、高松港および日本のクルーズ振興を図ることを目的としたもの。
今年度より香川県の「クルーズ客船誘致アドバイザー」に就任したマーキュリートラベル代表の東山氏を始めとし、ICM(インターナショナル・クルーズ・マーケティング)、オーシャニアクルーズ、オーバーシーズトラベル、ゲンティンクルーズライン、ノルウェージャンクルーズライン、郵船クルーズ、リージェントセブンシーズクルーズの代表者が勢揃いし、セミナー後半のパネルディスカッションでは自社のクルーズ客船の特徴やクルーズ旅行の魅力を語った。
会場となった定員180名の「かがわ国際会議場」は、満席状態。
近年の中国を始めとするアジア配船の外国船クルーズ客を、地元の観光名所の宣伝によって取り込むような「インバウンド志向」だけではなく、日本各地のクルーズ関心度を高め、クルーズ客を発掘しようとする「アウトバウンド志向」によるクルーズ振興。
そんな、日本のアウトバウンド志向クルーズ振興の最前線、香川県高松の客船誘致の様子をお届けします。
(香川県の担当者) このセミナーは香川県の主催で平成25年度から実施し、今回が5回めの開催となります。
このイベントを通して皆様に、よりクルーズ旅行に興味を持っていただくと共に、今後の旅行計画に役立てていただけましたら幸いです。
最初に本日の日程について申し上げます。この後香川県交流推進課により、高松港におけるクルーズ客船の紹介と題しましてお話をさせていただきます。その後、クルーズの旅行商品を取り扱っている7名のパネラーの皆様により、よくあるクルーズの不安と疑問をテーマに、パネルディスカッションをおこないます。
15分ほどの休憩をはさみまして、世界のクルーズエリアをテーマとしたパネルディスカッションをおこない、最後に皆様がたから事前にいただいたご質問へのお答えと、グッズや船内見学へのご招待があたる抽選会をおこないます。
また、会場の後方及びロビーにおきましてパネラーとして参加いただいておりますパネラーの皆様、ならびに県内の旅行会社の皆様がクルーズ旅行に関するアンケートをご用意しておりますので、休憩の折にぜひお立ち寄りいただければと思います。
それではセミナーをはじめさせて頂きます。まずはじめに、香川県交流推進課課長の多田より、高松港へ寄港するクルーズ船のご紹介と題しましてお話をさせていただきます。よろしくお願いいたします。
1. 高松港に寄港するクルーズ客船の紹介
交流推進課の多田氏
多田氏 皆様こんにちは、交流推進課の多田と申します。どうぞよろしくおねがいします。
本日はクルーズセミナーにご参加いただきまして、誠にありがとうございます。私からは高松港から見たクルーズ客船の魅力についてご紹介させていただきます。
本県では交流人口拡大に向けまして、国内外の様々なクルーズ客船にきていただけるよう、高松港への誘致活動をおこなっております。昨年は13件、今年は14件、来年は20件以上予定されております。
2. 最多寄港はポナン
さて、今年高松港に一番多く寄港した船は何でしょうか。日本船でしょうか、実は今年一番多かったのは、春に3回寄港したフランスの客船です。今こちらに写っているのがまさにその船です。
名前がロストラル(L'Austral)と言いまして、ポナン(Ponant)という船会社の客船です。 ポナンはフランス唯一の船会社となります。それでは、船の中はどんな雰囲気なのでしょうか?ちょっと船の中を覗いて見たいと思います。
これは来年秋に高松港への寄港が予定されております、ポナン社のル・ラペルーズ(Le Laperouse)という船を見てみたいと思います。
こちらはラウンジの様子です。クルーズではディナータイムにドレスコードが指定されますが、ポナン社の場合は基本的にシャツやブラウスなどのスマートカジュアルとなります。
こちらはレストランです。食通の船と呼ばれ、ディナーはフレンチのフルコースとなります。食事に合わせて無料のワインも提供されます。
こちらは室内です。全室海側、バルコニー付き、部屋にいながら港や海の景観を楽しむことが出来ます。一番やすい部屋でも20平米、10畳以上の広さが確保されています。
最後にこちらはブルーアイという業界初の海中ラウンジとなります。壁面のデジタルスクリーンは、海中の様子を映し出し、海中の様子を体験することが出来ます。
3. ウィンドスター、アザマラ、シルバーシー、シーボーンも続々寄港
いかがでしたでしょうか。さて、このポナンの他にも高松港には様々なクルーズ船の寄港が予定されています。今後寄港する船を簡単にご紹介いたしますので、お手元にご用意させていただいております、クルーズ客船の入港予定と合わせてご覧いただけたらと思います。
直近では、飛鳥Ⅱが寄港します。恒例となりました、8/13の高松花火大会の日に寄港して、翌日横浜に出航します。
次に10月には2回、ウィンドスター・クルーズ(Windstar Cruises)の客船スター・レジェンド(Star Legend)が寄港します。高松には初寄港となります。建設当時は客室1室あたりの建造費が史上最高額と言われた、小型のラグジュアリー客船です。
来年1月には、ぱしふぃっくびいなすが寄港します。気軽に楽しめる雰囲気のフレンドシップ・クルーズを持ち味にしています。近年、高松への寄港も増加しておりまして、みなさんの中には港でご覧になった方もいらっしゃるのではないでしょうか。こちらのクルーズを運行されております、「日本クルーズ客船」様も本日はお越しいただいておりますので、ぜひブースにお立ち寄りください。
来年3月にはにっぽんまるが寄港します。関連してみなさんにご紹介したい情報がございますので、後ほどみなさんにご紹介したいと思います。
同じく3月、カレドニアン・スカイ(Caledonian Sky)も寄港します。ここ数年、高松港には毎年春に複数回寄港いただいております。
5月にはアザマラ・クエスト(Azamara Quest)が寄港予定です。3万トン、180m、定員700名の小型プレミアム客船で、高松港には初寄港となります。運行するのはアザマラ・クラブ・クルーズ(Azamara Club Cruises)という船会社で、クルーズ中のアルコール代、チップ代もクルーズ代金に含まれておりまして、ドレスコードもなく、くつろぎのあるお時間をおすごしいただくことが可能です。
更に、シルバー・エクスプローラー(Silver Explorer)も5月に寄港する予定です。本日お越しいただいております、ICM様も取り扱っております。シルバーシー(Silversea)という会社の客船で、なんと全室スイートでバトラーサービス付き、料金にはアルコール飲料などの全てのサービス代金が含まれるという小型ラグジュアリー客船を代表する客船のひとつです。北極や南極などの極地の探検をおこなう船ですが、春の時期に日本にやってきます。こちらも高松港には初寄港となります。
こちらはシーボーン・ソジャーン(Seabourn Sojourn)という客船で、同じく5月に寄港します。写真は今年5月に高松に寄港した際に撮影したものでして、2年連続の寄港となります。さきほどのシルバーシーと同様の、アルコール飲料が元々のクルーズ料金に含まれるという制度を業界でも先駆けておこなった、シーボーンという会社の客船です。こちらも全客室が海側、バスタブ付きスイートというラグジュアリー客船の代表格です。本日お越しのオーバーシーズ・トラベル様が取り扱っております。
こちらは6月に寄港する、ル・ソレアル(Le Soleal)です。冒頭にご紹介いたしました、ル・ラペルーズと同じポナン社の客船で、全室オーシャンビューで、そのほとんどにバルコニーがついています。洗練されたインテリアや、本格的なフレンチのフルコースなどが味わえることが特徴です。本日お越しいただいております、マーキュリー・トラベル様が取り扱っております。
今日からちょうど1年後の、来年8月4日に寄港するマースダム(Maasdam)です。ホーランドアメリカラインという、150年近い歴史をもつ船会社の客船で、船内はその伝統を感じさせる、クラシカルで重厚な雰囲気。総トン数は飛鳥Ⅱを少し上回り、高松港にこれまで寄港した客船の中で最大になりますので、ぜひ岸壁でご覧いただきたいと思います。こちらもオーバーシーズ・トラベル様が取り扱っております。
4. 高松港はラグジュアリー客船が中心
さて、高松港に寄港する船をご紹介いたしましたが、いずれもクルーズ船の中で高級な船になります。クルーズにおいてはサービスの程度やそれに比例した料金などに応じまして、ひとつはラグジュアリー客船、プレミアム客船、カジュアル客船と、3つのカテゴリーに分類されています。
最も高級なのはラグジュアリー客船です。このクラスは小型の客船が多く、乗客とクルーの割合が同じくらいになっています。つまり、それだけマンツーマン、ほとんど自分専用のスタッフがついてそれだけ細やかなサービスが受けられるということになります。1泊あたりの料金が安い船でだいたい5万円くらいになります。このクラスの船になりますと、一番安いレベルの部屋でも窓はもちろん、バルコニーもついている客船も多いようです。
次にプレミアム客船です。プレミアムとはいえ、1泊あたり2万5千円程度からの料金と、ラグジュアリー客船の半額ほどで乗船可能なクルーズもあります。こちらも十分落ち着いた雰囲気で、落ち着いた雰囲気を感じられます。尚、みなさんに一番なじみのある日本のクルーズ3つの船はプレミアムからラグジュアリーにカテゴリーされています。
そして、もっとも手頃に乗れるのが、カジュアル客船です。料金は1泊あたり1万5千円程度からとなっています。大型の客船が多く、遊びの施設が充実している傾向がありまして、たとえばボーリングレーンやゴーカートのトラックがある客船もあります。こうした特徴からお子様連れのご参加も多く、船内は賑やかな雰囲気になっています。
世界のクルーズ客船のうち、80%がカジュアル客船なのです。高松港にはカジュアル客船の寄港がありませんが、国内の他の港にはカジュアル客船も寄港しております。
5. カジュアル客船、ノルウェージャン・ジュエル
では、カジュアル客船の雰囲気を少し覗いてみたいとおもいます。本日パネラーとしてお越しいただいております、ノルウェージャン・クルーズ様のノルウェージャン・ジュエル(Norwegian Jewel)です。
(公式ホームページの画像をスライドに映して)
こちらは2つあるメインダイニングの1つです。未来的なセンスを取り入れた様々なメニューを無料で楽しめます。
有料で利用できるレストランです。伝統的なイタリアンが楽しめるレストランのほか、フレンチを楽しめるレストランもあります。
24時間営業のアイリッシュパブです。いつでも気軽にアイリッシュビールや軽食を楽しむことができます。
小ホールです。夜は連日華やかなショーを無料で鑑賞することができます。
こちらはお子様専用エリアで、身体を動かしたり、工作をしたりできるコーナーが備えられており、子供様用のプールもございます。
客室です。海側窓付きや、バルコニー付きのスイートなど様々な部屋タイプがありますが、内側の窓のない部屋は最も手頃な値段で乗ることができます。ご家族で乗船される場合は、広めの部屋もございます。バルコニー付きのファミリー用のスイート・ルームになります。
以上、カジュアル客船内の様子でした。こちらはノルウェージャン・クルーズラインの公式ウェブサイトでもご覧頂けます。国内からの乗船も可能でございまして、東京または横浜からのクルーズも商品化しております。
6. クルーズ旅行ならではの魅力
クルーズ旅行では、船内で過ごしているうちに、次の港に到着しているというところが他の旅行と違う点です。一度船に乗ってしまえば、目的地に着くまで自由に船内の施設で過ごすことができます。
船内のショップ、スパ、カジノ、プールなど、様々な施設があり、中を探検するだけで楽しむことが出来ます。無料のカフェでこれから向かう観光地やお土産を調べるのも良いのではないかと思います。
食事はアルコールなどが有料となる場合もありますが、それ以外は基本的に無料。料金を気にせず旅行を楽しんでいただけます。
また、夜はミュージカルやマジックショーなどが開催され、無料で自由に見ることが出来ます。また自分の部屋はすぐそこですし、時間を気にせずバーでお酒を楽しむのも一案です。
電車や車、飛行機で行く旅行とは違います。クルーズならではの体験ができます。今後ご旅行をご計画の際は、ぜひクルーズ旅行も候補に上げて頂けたらと思います。
ご夫婦の記念に細やかなサービスと落ち着いた雰囲気の高級クルーズ、お子様と一緒にレジャー施設が充実した賑やかな雰囲気のカジュアルクルーズなど、自分にあったクルーズに参加されてはいかがでしょうか。クルーズに参加されたことのない方はカジュアル船などが参加されやすいのではないでしょうか。
説明を聞いてメモしているお客様が大勢見うけられました
また本日は会場内に船会社様、旅行会社様のブースも開設しております。また、このあと、クルーズのプロの方によりますパネルディスカッションもございますので、お話をよく聞いていただきまして、ブースに立ち寄っていただけたらと思います。
以上私から、高松港から見たクルーズ客船の魅力のご紹介でございました。ご清聴ありがとうございました。
それでは、続きましてパネル・ディスカッションに移りたいと思います。
※ 記事内に紹介されているクルーズ船や寄港地の情報については、記事執筆者の経験や情報収集に基づいた参考情報であり、実際の内容と異なる場合や、内容が変更されている場合があります。
※ 最新の情報については船会社や港湾の公式ホームページのご確認や、ご予約に利用される旅行代理店へのご確認をお願いします。