MSCクルーズの客船クラスは6段階!クラスの違いを徹底解説(前編)
MSCクルーズは多数の客船を保有している中で、客船をクラス分けしています。その数なんと6段階!クラスによってどんな違いがあるのか?客船設備はどう違うのか?などを解説いたします。
(前編/後編に分けて解説した記事です。後編はコチラ)
1. そもそもMSCクルーズでいう「クラス」とは?
クルーズ客船における「クラス」と聞いて、ピンとくる方もそうでない方もいるかと思います。 MSCクルーズの客船クラス分けとはどのようなものなのでしょうか?
1-1. クルーズラインカテゴリーではない独自の客船クラス分け
クルーズ旅行を包括的に見た場合に、クルーズラインが提供するサービス面の質、もしくはクルーズ客船のサイズなどで、ハイクラスから順に「ラグジュアリー」「プレミアム」「カジュアル」と評論家によってクラス分けされていますが、今回解説する客船クラスの概念は、MSCクルーズがMSCクルーズ客船をクラス分け(種類分け)している独自のものとなります。
1-2. MSCクルーズ客船は全6クラスに分けられる
MSCクルーズの客船クラスについて(図説)
MSCクルーズは2022年1月現在、客船名を公開しているものだけで全21隻の客船を発表しています。(他に、現在造船中の客船もあります)そういった客船の中で、客船は全6クラスに分けられており、発表された時期が古いものから順に並べると、以下のクラス名称となります。
リリカクラス(Lirica Class)
ムジカクラス(Musica Class)
ファンタジアクラス(Fantasia Class)
シーサイドクラス (Seaside Class)
メラビリアクラス(Meraviglia Class)
ワールドクラス(World Class)
最小クラスの客船MSCリリカ
2. どんな方法でクラス分けされているの?
MSCクルーズ全21隻の客船。どんな方法で分けられているのでしょう?
2-1. 年代サイクルごとのクラス分け
それはずばり、「年代サイクルごとに」分けられていると言えます。
大体2〜5年ほどのサイクルで1クラスごとに、同タイプでほぼ同コンセプトの客船4隻がローンチされています。
MSCクルーズの客船クラス別客船名(図説)
2-2. クラス別の目安となるデータ
リリカクラス
就航/2003〜2005年、総トン数/65,542〜65,591トン
ムジカクラス
就航/2006〜2010年、総トン数/92,409〜95,128トン
ファンタジアクラス
就航/2008〜2013年、総トン数/137,936〜139,072トン
シーサイドクラス
就航/2017〜2021年・2023年、総トン数/153,516〜169,500トン(シーサイドEVOクラス含む)
メラビリアクラス
就航/2017〜2021年・2023年、総トン数/167,600〜181,541トン(メラビリアプラスクラス含む)
ワールドクラス
就航/2022年〜、総トン数205,700トン
3. 客船クラスの変遷と今後の見通し
現在6つのクラス分けがおこなわれているMSCクルーズの客船。 リリカクラスの発表から、今年就航予定である最新クラスのワールドクラス客船をローンチするまでの約20年。この間に客船クラスはどのように変化してきたのでしょうか?
3-1. 客船サイズが年々拡大している!
上記のリストを見ても分かる通り、2003年にデビューしたリリカクラスの最小客船の総トン数が65,542トンなのに比べ、2021年にデビューした現在MSCクルーズが保有する客船で最大級のMSCビルトゥオーサ(メラビリアプラスクラス)が総トン数181,541トンであることを見ると、客船サイズが年々拡大しているということが分かります。
MSCクルーズ最大級クラス客船MSCビルトゥオーサ
MSCリリカ3隻分の客船サイズ
サイズ比率 => リリカクラス:メラビリアクラス=1:3
世界中のクルーズラインでも、昨今はクルーズ船体の巨大化が注目されていますが、MSCクルーズに至っては最小クラスと最大クラスの大きさを比べると、その差はなんと3倍!
MSCクルーズの最大級客船で最新客船のMSCビルトゥオーサ(メラビリアクラス)は、最小客船のMSCリリカ(リリカクラス)3隻分もの大きさであるということになります!※総トン数で比較
最小客船MSCリリカ3隻分もの大きさを誇る最大客船MSCビルトゥオーサ(図説)
3-2. 環境保護を重視した次世代型客船
MSCワールド・エウローパは総トン数205,700トンで、超大型だというハード面は言わずもがな。
しかし、最大の特徴は「環境保護を重視」しているという点です。
MSCクルーズ最初のLNG客船
環境負荷を抑えるエネルギーである液化天然ガスのLNGを動力にした、MSCクルーズで初めてとなるLNG次世代型客船です。
2022年12月のMSCワールド・エウローパの処女航海以後、2024年、2025年、2027年に姉妹船を就航させる計画があります。
MSCワールド・エウローパの船尾、Y字部分は開放感溢れるデザイン
「環境保護」を重視した機能面はもちろんのこと、船体デザインもこれまでのMSC客船とは一線を画しており、客船後部がY字型に分かれていたり、プロムナードに沿った部分に客室が設けられることなどが現在発表されています。
まさに次世代型の客船と言える、ワールドクラス。 最新クラス客船が生み出すMSCクルーズ独自の価値が今後もどんどん高まっていきそうですね。
4. まとめ
1クラスごとに約4隻の客船を継続的にローンチし続けているMSCクルーズ。
現在発表されているクラスは全部で6クラスとなっており、2022年も最新クラス「ワールドクラス」の客船ワールド・エウローパの就航が予定されています。
今回の記事では、MSCクルーズにおける「客船クラス」とその変遷に注目してきました。
次回は各客船クラスごとの特徴についてを解説します。
※ 記事内に紹介されているクルーズ船や寄港地の情報については、記事執筆者の経験や情報収集に基づいた参考情報であり、実際の内容と異なる場合や、内容が変更されている場合があります。
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