MSCクルーズ 環境配慮型のLNG客船2隻、最新情報
MSCクルーズの超最新鋭で環境負荷に配慮したLNG客船、ワールド・エウローパとエウリビア2隻の最新情報がリリースされました!2船の直近のニュースや客船の特徴などをご紹介。2隻のデビューが待ちきれません!
1. 仏造船所より。2隻のデビューまでの道のりは順調
MSCクルーズの最新客船2隻、客船MSCワールド・エウローパ(MSC World Europa)と、客船MSCエウリビア(MSC Euribia)は現在、フランスの大西洋側の港町のサン=ナザールに位置する造船所、Chantiers de l’Atlantique造船所にて造船作業が進められています。
そんな最新客船2隻について、MSCクルーズが2022年6月20日に最新のニュースをリリースしました。
1-1. MSCワールド・エウローパが初の航海テストを実施
MSCクルーズ史上初のLNG客船、そして世界最大級のLNGを動力としたクルーズ客船として2022年の冬に就航予定のMSCワールド・エウローパが大西洋での初の航海テストを実施したことを明らかにしました。
調査項目としては、エンジンの稼働、船の操作性、燃費の効率調査、安全システムについて、スピードや客船の停止距離などで、すべての項目についての調査を完了しました。
MSCワールド・エウローパ
1-2. MSCエウリビアは進水フェーズを完了
MSCクルーズ客船中の2隻目のLNG客船として、2023年6月に就航予定である客船MSCエウリビアについては、浸水フェーズを完了したことを発表。引き続き、来年のデビューに向けて、マイルストーンを着実に進めています。
©️Bernard Biger - Chantiers de l’Atlantique/MSC Cruises (USAより)
1-3. 3隻目のLNG客船の計画も進行中
MSCワールド・エウローパ、そしてMSCエウリビアというLNG客船2隻の就航について、それぞれの客船の造船フェーズを着々と進めているMSCクルーズ。
なんと、3隻目のLNG客船についての計画も進行中。 「ワールド・クラス2」(World Class II)として、先の2隻と同じく、サン=ナザールのChantiers de l’Atlantique造船所にて造船予定で、来年の初旬に造船がスタートするとのこと。
2. 船体形状が目新しい。MSCワールド・エウローパ
2022年6月に航海テストをおこなった、客船MSCワールド・エウローパ。 「ワールド・クラス」という新しい客船クラスに属する客船で、これまでのMSCクルーズ客船と比べても、珍しい船体形状なのが特徴的です。
特に船尾のデザインが目新しく、そのような形状となっているのにも大きな意味があるのだとか。 船体形状や、船内の施設について近頃リリースされた最新情報などについてご紹介。
2-1. 初のワールド・クラス客船
客船MSCワールド・エウローパは、MSCクルーズの客船クラス中で最新の「ワールドクラス」客船の第1隻目。 MSCクルーズは、2021年までに就航した客船を含めて、これまでに全5種類のクラスを設定しています。 この客船クラスは年代サイクルごとに分けられており、2003〜2005年「リリカクラス」、2006〜2010年「ムジカクラス」、 2008〜2013年「ファンタジアクラス」、2017〜2021年・2023年「シーサイドクラス」(シーサイドEVOクラス含む)、2017〜2021年・2023年「メラビリアクラス」(メラビリアプラスクラス含む)がありました。
「ワールドクラス」は、6つめのクラスとなります。
2-2. 船尾のシェイプが革新的。デッキの使い方が見どころか
なんといっても、この客船は船尾のシェイプが特徴的。 これまでのMSCクルーズ客船では類を見ないデザインになっています。
船尾がY字になっており、このエリアからは海や空を見渡すことができるという、開放的で贅沢なビューが楽しめる船体設計となっています。
2-3. 最大級のキッズエリアで新体験のファミリークルーズを
MSCワールド・エウローパは、MSCクルーズ史上最大級のキッズエリアを備え、その面積766平米。 船上に、キッズエリアだけでおおよそ野球のダイヤモンドと同じくらいの広さといえば、驚きの面積を感じていただけるでしょうか。
キッズサービスも、0歳の赤ちゃんから親と離れて自立して遊びたいティーン世代の17歳まで、それぞれの年齢に合わせて手厚いケア、サービスを提供します。
- 「ベビークラブ」
(〜3歳) ベビーをケアする資格を持ったクルーがお世話
- 「ミニクラブ」「ジュニアクラブ」
(3〜11歳) 3歳の幼児から11歳までのキッズをお世話
- 「ヤングクラブ」「ティーンクラブ」
(12〜17歳) 新たに「TEENS LAB」というハイテクなアクティビティが体験できるルームを使用
MSCワールド・エウローパのキッズエリア
MSCワールド・エウローパのキッズエリア
3. 船体デザインに注目!海との融合を目指したMSCエウリビア
来年の就航へ、その建造マイルストーンを着実にすすめているMSCエウリビア。 船体デザインを募集して決定するという、MSCクルーズ初の試みをおこなった客船としても知られています。 デザインのテーマは「海への愛、持続可能な海洋環境へのリスペクト」とし、世界中のデザイナーやアーティストに向けて、船体をキャンバスに見立てた、デザイン募集コンテストがおこなわれました。
3-1. 「海へのリスペクト」は日本からも
客船MSCエウリビアは、MSCクルーズとしては史上初めて、船体デザインがコンテストで決定されました。 その際の募集キーテーマは「海への愛、持続可能な海洋環境へのリスペクト」。
そんな壮大なテーマが設けられたこの客船の名前の由来「Euribia」は、ギリシャ神話に出てくる女神「エウリビア」。コンテストではこの名前に捉われないアイディアを求められていました。
世界を舞台に開催されたコンテストの応募国数は59カ国にのぼり、日本からは見事ファイナリスト5名のうちの1名にTamiyo Hashimoto氏の作品が選出されました。
Tamiyo Hashimoto氏のデザイン
3-2. 大賞はドイツのアーティスト「#SAVE THE SEA」
海洋生物が住む、海中世界を船体に表現して見事大賞に選ばれたのはドイツのアーティストのアレックス・フレミング氏。
大賞のアレックス・フレミング氏のデザイン
4. まとめ
最新鋭の大型客船を次々にローンチすることで知られているMSCクルーズですが、ただ革新的な船体設備や大型の施設を求めているのではなく、海洋環境に配慮してサスティナブルにクルーズ産業を継続していけるようなアイディアに心を配っている姿勢が感じられます。
MSCクルーズ初のLNG客船となるMSCワールド・エウローパは今年の12月、カタールのドーハから処女航海をおこなう予定で、2022年12月〜2023年3月を「アラビアン・シーズン」とし、UAE、サウジアラビア、カタールをめぐり、ドバイ、アブダビ、シルバニヤ島などの寄港地をめぐることが決まっています。
そして後を追う形で半年後にはMSCエウリビアが、ドイツのキール港から処女航海をおこなうことが決まっています。
環境に配慮し、海洋へのリスペクトを忘れないMSCクルーズの最新客船事情をこれからもウォッチしていきたいと思います。
※ 記事内に紹介されているクルーズ船や寄港地の情報については、記事執筆者の経験や情報収集に基づいた参考情報であり、実際の内容と異なる場合や、内容が変更されている場合があります。
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