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クルーズマンズではじめよう
私の場合造船所固有の特徴と聞かれるとすぐ思い浮かぶのが、船体前方部をヴェネツィア、後方部をジェノバで造れるFincantieri等です。
質問様は船の形とか見た目で造船所の判断が付くのか?と言う事ですが、形だけでなく他にも判断材料があります。(回答の趣旨がずれていたら申し訳ありません)
近年の船は短期間のうちに量産したいと言う傾向から、同型船を量産する傾向にあります。
カーニバルとコスタでは設計図を流用して造船した(開発・設計コストを抑える為)くらい、オンリーワン設計の船は減ってきています。
同型船は基本的に同じ造船所で造られるので、造船所の主要取引先から連想することが出来ます。
それぞれ主要な取引先を簡単に纏めてみます。
・Fincantieri - Cantieri Navali Italiani S.p.A.
カーニバル
ホーランドアメリカ
プリンセス
P&O
ポナン
・Meyer Werft GmbH & Co. KG
アイーダ
セレブリティ
ノルウェージャン
・STX France → Chantiers de l'Atlantique
※破産の為現在は名称が変わっている
アザマラ
セレブリティ
MSC
ロイヤルカリビアン
※造船会社が3か所以上ある船会社(コスタ等)を除く
こんな感じでしょうか。例えばカーニバル傘下の船は大体Fincantieriであり、RCIの世界最大級の船はシンフォニー以外は旧STXのみ(途中で破産)等、ある程度規則的なもので見当は付きます。
セレブリティもソルティスクラスはMeyer Werft、それ以外(エクスペディション除く)はChantiers de l'Atlantiqueと言った感じです。
勿論例外はありますが、ご参考までにどうぞ。
長文失礼しました。
私は外観で判別することは殆ど無理ではないかと思います。
例えば、Disney Cruse LineではMagic、WonderはFincantieriですがDreamやFantasy、新造船のWishはMeyer Werftです。 基本的な船体デザインはDisneyが行なっていますので造船所に拘らず外観は似た作りになります。
違いがあるとすれば、一般には目にすることの無い、内部や船底の鋼板の接合方法、ユニットの組み方やサイズと言った躯体部分の形状ではないかと思います。
他には、造船所が所有する巨大なゴライアスクレーンが何トンまで持ち上げられるかによって建造できる船の大きさが決まるので、大型船の造船は限定されると思います。
一方、乗船すれば一眼で造船所が判別できるものが、船体識別番号の書かれたプレートで、乗客が見ることのできる場所に掲示されています。
私はボート造船には詳しいものの、本船造船には精通していないので何とも正しい答えになるかは分かりませんが、造船所というより『どこで設計されたか、デザインされたか、どんなオーダーを発注元より受けたか』で決まってくると思います。
Fincantieriで造られたカーニバルCLと、コスタCの船ではディテールを除き同じ設計のものがいくつも散見されますし、同造船所で作られたグランドプリンセス等と三井造船で作られたダイヤモンドプリンセスの造形が近似しているのも、造船所よりも元の設計に大きく依存しているものと存じます。
また、Meyer Werftで造られたディズニーCLの船とノルウェージャンCL、AIDAの船から共通点を見出そうとすると、一部ブリッジ(操船室)の造形に類似性が見られる場合はあるも、予備知識無しで外観から造船所を判断するのは難しいでしょう。
とどのつまり、新造船建造時に共通化を図って建造費を安くあげるか、デザインからゼロスタートで設計し、高額ではあっても新たなコンセプトを導入するのか、CLの経営判断によるところが多いかと。
因みに新鋭CLである【Virgin Voyages】の1番船【Scarlet Lady】は、Fincantieriで造られましたが、そのヤバい「OnlyOne」のデザインを見た時、造船所の特定をするのはほぼ困難な事です(笑
大型同型船を多量に作る傾向は今後も続くのか、それともコスタ スメラルダの様にLNG動力を採用するような新たなECO SHIPが登場するのか、外観は一緒でも動力システムなどが変わると、そこに造船社の得手不得手があり、イニシアチブや勢力図が変わる場合もあるので、私もこれから色々注目していこうと思います。 以上、長文にて失礼しました☆