サウサンプトン市(City of Southampton)は人口約25万人のイギリス南部のハンプシャー州にあるイギリス最古の港町であり、サウサンプトン港は1942年4月10日に悲劇の豪華客船タイタニック号がニューヨークへの処女航海に出港した港でもある。
市はイギリス本土とワイト島(Isle of Wight)を分けるソレント海峡(The Solent)から北西に深く入るサウサンプトン水道(Southampton Water)の最北部に位置し、中心街の東側にはテスト川(River Test)が西側にはイッチェン川(River Itchen)が流れている。
歴史的には、紀元前1世紀に侵攻してきたローマ人が港町にしたといわれ、その後の支配者だったサクソン人、ノルマン人にも引き継がれて12世紀に城塞が築かれた頃からはヨーロッパ各地と結ぶ貿易港としての地位を確立、近世以降は造船業も大いに発展した。
近代に入ってからは重要な軍港にもなりクリミア戦争、第一次世界大戦、第二次世界大戦では多くの兵士がサウサンプトン港から世界各地の戦地に向かった。
また、20世紀の一時期は航空機産業の拠点都市にもなった。
現在は医学・工学系に強いサウサンプトン大学(University of S0uthampton)を中心として医療や学術が盛んな都市となり、商業の発展と沿岸部の再開発に力を入れている。
港湾施設としては巨大コンテナ船も入港できる水深があるためイギリス有数のコンテナターミナルが有る他、ワイト島とイギリス本土を結ぶフェリーの基地にもなっている。
また、キュナードラインを始めとするいくつかのクルーズ客船の母港となっている。