◆長江を往くレジェンド オブ ザ シーズ
宝山港を出港して、Legend of the Seasはゆっくり10ノットのスピードにて、
海に向かう。
出発前に、安全避難訓練、私は集合場所№1、ここに集合する。
その後の話は割愛するが、SSVでもそうだが形骸化している。やはり全ての乗客がライフベストを着用しその点検の場とすべきと思う。船底下は地獄である。
◆私の集合場所はNO.1。ここは灰皿があるので、緊急以外に最も訪れた
上海の中心部を流れる黄浦江川との交流点を過ぎた頃、キャビンに戻ると、船の後より白く早い船が追いかけてくる。国際ターミナル停泊していた上海⇔神戸 定期フェリー「新鍳真」号だ。
◆キャビンからの画像 窓越し為不鮮明
全速21ノットで、こちらに迫る。いそいで4階デッキに向かう。
実は、今回の旅、21日に羽田より上海フライトが始まりだが、神戸より上海の定期フェリーも検討した。
当初このフェリー船で日本を出航して上海へ、上海よりLegend of the Seasでシンガポール、これぞ神戸→シンガポールのいい船旅と思った。
◆この定期航路がこれだ
しかし、どう見てもこの船に多くの日本人客が乗船しているとは思えない。
旅の手配しているクルーズプラネットのSさんも、「担ぎやさん」が
乗っていそうとの事。
「えっ 担ぎやさん」多分中国本土行商人の事と思うが、やはり熟考のすえ
関西まで行くのも難儀と思い、飛行機になった。
◆全速力の「新鍳真」 あっという間の通過であった
当初計画のフェリーでは、神戸19日出航、上海21日到着であった。
したがって、旅行の手配の順番は
①Legend of the Seasの手配、
②次に上海のホテル二泊〜三泊
③最後に上海までの交通手段となった。
ちなみに定期フェリー「新鍳真」号の一等運賃は25000円。
今回のフライトの半分の料金である。
さてデッキに出ると、こちらの船はまる二日かけて香港。
あちらは全速力で神戸。
早い、早い、あっと言う間に通り過ぎていった。
今度は、いつかあれに乗るぞ、そう思った。
参考 もう一つ大阪⇔上海フェリー
http://www.nts-etravel.com/soshu%20ferry%20information%20.htm
※こちらは日程の関係で今回は検討外、こちらのほうが上質な船旅できそうです。
◆上海フェリーでいく上海ツアー ちょっと滞在期間短いのが難点
http://www.nts-etravel.com/soshu%20ferry-tour.html
この航海で最初に出会った客船、しかしこの後、ほとんど客船には出会わなかった。
◆夕日の長江
私の好きな、杜甫の長江の詩
「登高」 杜甫 作
風急天高猿嘯哀
渚沙白鳥飛廻
無邊落木蕭蕭下
不盡長江滾滾來
萬里悲秋常作客
百年多病獨登臺
艱難苦恨繁霜鬢
潦倒新停濁酒杯
◆読み方
風 急に 天 高くして 猿 嘯(猿嘯く事) 哀し,
渚(なぎさ) く 沙(すな) 白くして 鳥 飛び廻(めぐ)る。
無邊(むへん)の落木 蕭蕭(しょうしょう)として 下(くだ)り,
不盡(ふじん)の長江 滾滾(こんこん)として 來(きた)る。
萬里(ばんり) 悲秋(ひしゅう) 常に 客(きゃく)と作(な)り,
百年 多病 獨(ひと)り 臺(だい)に登る。
艱難(かんなん) 苦(はなは)だ 恨む 繁霜(はんそう)の鬢(びん),
潦倒(ろうとう) 新たに停(とど)む 濁酒(だくしゅ)の杯。
◆共鳴のフレーズによる今の私の杜甫解釈
大河長江の流れは、こんこんと続き。多くの船が行き交う。
ひとり高きデッキ10階より、今までの苦労を思い出し、上海の街を見る。
長年大企業に勤め、一心不乱に仕事をし、いつのまにか髪も白くなった。
年もとり、酒も煙草も控えなければならないとも思う今日この頃だ。
今大きな自然と対峙する時、人のいとなみを振り返りふと空しくなる。
そして、杜甫の「登高」を口ずさむ。
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