食事について時間を費やした僕らが部屋に帰ったのはPM11:00を廻っていたいただろうか。
部屋に戻るといつものように彼からの船内新聞が届けられている。
明日の入港はAM 8:00だそうだ。
時差のことも書かれている。
明日はギリシャのコルフ島と書かれている。
日本にいる時と同じように毎晩メールのチェックとYahooに目を通すが船内では僕の携帯のシムは思うように電波を拾ってくれない。
妻の携帯に船内で使えるWi-Fiを設定してあるので自分のものがダメだとわかると妻に借りてYahooで明日の天気などを見てみる。
特に大切なメールもなく電話もかかってこない。
せめてこんな大海原にいる時くらいは電話に縛られなくてもいいはずだが縛られないことの不安の方がまだ増している。
仕事現役世代の「病気」なんだろう。
携帯も船内新聞も一通り目を通した僕達は違う意味での時差にも慣れて相変わらずナイトライフを楽しむでもなく眠りに就いた。
携帯の呼び出し音が途切れながら2、3回。
メールも入る気がする。
この日は比較的波が高くクローゼットの扉が磁石の力では耐えきれず左右に流されて行く。
中のスーツケースも狭いスペースながら扉と同時に2つの金属がぶつかる音でグッスリとは眠る事は出来ないが僕等にはその〝 音 〟以外は気にならない。
揺りかごとまではいかないが揺られる気持ち良さを感じていた。
AM3:00頃だろうか娘からの電話。
陸に上がっている時に近況の報告程度はしていたがこちらが楽しすぎるのもあって僕らから電話をする事はほとんどなかった。
日本が何時かは判らないが仕事は終わっているのだろう。
一枚の写真が送られてきた。
我が家の3匹のうちの1匹が〝 血 〟を吐いたと言うではないか。
泣きそうになって戸惑っている娘を宥める方が先で猫の心配どころではない。
イヤ、心配なのだが先ずは娘だ。
ほぼデタラメに僕等がいない事でのストレスだと言っておいた。
娘は明日、掛かりつけの動物病院に連れてゆくと言う。
電話を切った後にこれほど電話が通じると言う事は〝 陸 〟も近いのだと思っているうちにまた眠りに落ちた。
翌日、デタラメに言っていた事がほぼ当たっていたようで娘も落ち着きを取り戻していた様子。
10日も家を空けていれば何かしらはあるものだ。
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