非日常のクルーズ旅行をもっと身近に。
クルーズマンズではじめよう
私はこれまでに、にっぽん丸に4回、ぱしふぃっくびいなすと飛鳥2に各1回ずつ、乗船しました。ですが、今まで日本人以外の乗客に、一度も出会ったことがありません。恐らくドイツ語はほとんど通じないでしょう。
そのドイツ人ご夫婦が、日本の客船に何を求めているのかわかりませんので、的確なオススメはむずかしいですが、私の知る限りでの各船の特徴、3船に乗って感じた印象の違いなどを列記します(ただし全て標準客室の経験です)。
・にっぽん丸(1990年9月就航、2010年3月改装、22,472トン、旅客524名/乗組員230名)
母港は東京。世界一周はしていない。ほぼ日本近海のみで、長くて10日間程度の短期クルーズが主体。
夕食は和洋交互、朝昼は和か洋の選択が可能。和食がおいしく、パンやフルーツのレベルも高い。プールサイドのリドカフェで食べられる、ホットドッグやハンバーガーがおいしく、ゴディバのショコリキサーが毎日飲み放題。
客室は14平米、全室窓側。シャワーのみ(非常に狭くて使いにくい)。大浴場あり。
プールは小さくお子さんの水遊びレベル(ただしかなり深い)。パブリックスペースは狭い。日本人クルーが他の客船にくらべて多い印象。
・ぱしふぃっくびいなす(1998年4月就航、26,594トン、旅客620名/乗組員220名)
母港は神戸。日本近海だけでなく、世界一周、長期外洋クルーズなど、多彩な航路。
参加したクルーズでは、昼食は和、夕食は洋。レストランは1カ所のみ。軽食がサンドイッチやケーキで、特徴ある定番の一品がないようで残念。
客室は15.3平米、全室窓側。シャワーのみ。大浴場はあるがやや小さめ。
他の2船に比べるとクラシック、昭和な雰囲気。プールはにっぽん丸よりやや大きいくらい。かなり広いダンスホールがある。日本人クルーが一番少ない印象。
(注:木更津市制75周年記念チャーターの1泊クルーズだったため、通常運航とは多少異なる可能性あり。)
・飛鳥2(1990年7月就航(当時クリスタル・ハーモニー)、2006年3月改装(飛鳥2として就航)、50,142トン、旅客872名/乗組員470名)
母港は横浜港。日本近海だけでなく、世界一周、長期外洋クルーズや、特色のあるイベントクルーズなどがある。
参加したクルーズでは、昼食は和、夕食は洋、翌日は逆になった。食材が一点豪華主義(?)で、和昼食の鰻、洋夕食のアワビステーキが絶品。和夕食はイマイチ。標準客室用のレストランは1カ所(朝のみ2カ所)。朝食は洋が11デッキのリドカフェ、和が5デッキのダイニングと分かれていて、家族で好みが異なり両方食べたいとき不便。リドカフェでは、美味しい黒毛和牛100%ハンバーガー、ピザ、4~5種のアイス、かき氷など、また、ザ・ビストロではサンドイッチなどの軽食が食べられる。別料金の寿司カウンターの他、お酒の飲めるバーも数カ所あり。
客室は18.4平米、全室窓側。バス付き。展望大浴場(グランドスパ)あり。
プールは広く、温水ジャグジーもある。他の2船に比べると、パブリックスペースが圧倒的に充実している。
以上が概要になります。3船で、クルーのサービスレベルには、大きな違いは感じませんでした。欧米の中~大型船に乗り慣れている場合、にっぽん丸や、ぱしふぃっくびいなすは、客室だけでなくパブリックスペースも狭いので、かなり窮屈に感じると思います。広さなどに特にこだわらないのであれば、日本船クルーズの特色ともいえる、豊富なラインアップの短期クルーズから気に入った航路を選び、いずれかの日本船を体験されるのも一案かと思います。
日本船にも何度か乗船していますがスイートルームは使ったことが無いのでそのドイツ人ご夫婦がスイートをご希望でしたら見方が異なるでしょうが、欧米プレミアム船並の雰囲気を重視するなら飛鳥Ⅱ、そこそこの豪華さとこじんまりとした雰囲気の良さを感じたいのならにっぽん丸、庶民的な気楽さで日本船を味わいたいのならぱしふぃっくびーなすだと思います。
サービスの質は3船とも東南アジア系サービススタッフが増えているとはいえおもてなしの日本船なので大して差を感じませんが、5万トンの飛鳥Ⅱに対して他の2船は2万トンクラスとほぼ半分の大きさですからパブリックスペースは少々狭く、体の大きな方だと窮屈に感じるかもしれません。