国土交通省の調査結果によると、2018年の日本人のクルーズ人口は32.1万人で、過去最多を更新したそうです。
年々日本でもクルーズが盛り上がってきているのはファンとしてはうれしい限りです。
クルーズブームの背景には、日本発着船の増加により手を出しやすくなったということもあると思います。
2018年には日本発のクルーズが589回行われ、これは対前年比で21.9%増にもなるそうです。
2019年7月に、私は人生11回目のクルーズ旅行に出かけました。
コスタクルーズの「コスタネオロマンチカ」に乗船する、金沢発着の5泊6日の日程です。
乗船記を書こうかと思ったのですが、すでにたくさんの方が詳細に書いてくださっているので、私は今回の旅行を通じて感じた「コスタネオロマンチカはまさに初めてのクルーズにぴったり」という視点からレポートしたいと思います。
そう思った理由について、1つ1つ解説していきます。
おすすめ理由1:日本発着かつ、豊富なコースから選べる
私のこれまでのクルーズ経験11回の内訳は、日本発着が3回、残りは全て海外発着です。
今回日本発着クルーズ船に乗ってみて思ったのは、とにかく楽だということです。
東京在住なので金沢に行くまでの移動はありましたが、それでも海外に行くときのようなビザ取得の要否や時差を気にしなくてよかったので、船に乗るという旅行の一番の目的までのハードルがかなり低かったです。
また乗船日当日は、金沢駅から金沢港までの専用シャトルバスも乗船日と下船日の往復で500円で利用できたのでアクセスも快適でした。
単に日本発着のクルーズということであればもちろん日本船があります。
しかし船内でも海外旅行の雰囲気や非日常感を味わいたい場合には、外国船の日本発着コースがおすすめです。
また、外国船はカボタージュ規制により外国に寄港しなくてはならないので必ず海外を含む日程になります。
日本発着の外国船には、単発で来日(?)してくるもの(旅行会社のチャータークルーズ含む)と、ある程度長い期間日本の周りをぐるぐると回っているものがあります。
前者はコース本数が少ないので、たまたま行ける日程で、かつ、いいコースの船が来ていれば選択肢になると思います。
今回乗船したコスタネオロマンチカは後者になります。
2018年は春~夏にかけて連続的に様々な場所、期間のコースを販売していましたので、会社員夫婦の私たちにとっては、休みが取れる日に合わせて選ぶことができたのでとても都合がよかったです。
外国船の中でも比較的所要日数の少ないプラン(3泊~)を打ち出しているのもコスタクルーズの特徴だと思います。
同じく長期間日本周辺に配船されている外国船としてはその他にプリンセスクルーズの「ダイヤモンド・プリンセス」もあります。
こちらは乗船未経験ですが、いつか乗船することがあればまたこちらでレポートしたいです。
海側プレミアム客室
# おすすめ理由2:"適度"な非日常感と安心の日本語サービス
理由1でも「非日常感を味わいたい場合には、外国船の日本発着コースがおすすめ」と書いたのですが、その点についてもう少し深堀りしたいと思います。
コスタネオロマンチカにはカジノがあります。
国際水域12マイル(領海)の外側にいればカジノを営業できるということで、日本国内の寄港地から次の寄港地に行く間も夜の間はカジノを楽しむことができました。
これは日本船にないメリットになります。
船内には数十台のスロットマシーンのほか、本格的なテーブルゲームもありました。
コスタクルーズはイタリアの会社で、「海の上のイタリア」をうたっているように、船内には様々なところでそこはかとなくイタリアの雰囲気が漂います。
まずは食事です。
クルーズ料金に含まれる食事だけでも、毎晩立派なコース料理がいただけますが、船内の有料レストランもまた格別です。
私は今回、ミシュラン3つ星シェフが監修したメニューが楽しめるというイタリアンレストランの「リストランテ カサノバ」と、ピッツェリアの「ナポリピッツァ」に行きました。
「リストランテ カサノバ」はUS$59で、本格的な高級イタリアンのフルコースが味わえました。
前菜からデザート後のペストリーまで計8皿ものコースだったので、最初は全部食べられるだろうかと心配になりましたが、一つ一つのポーションが小さめだったのでちょうどよかったです。
個人的に一番好きだったのは、フォアグラのローストです。
ヘーゼルナッツと何かに漬け込んだ葡萄が添えてあり、異なる食感を楽しめました。
またバイオリンの生演奏も華やかな色を添えていました。
フォアグラのロースト
「ナポリピッツァ」は、船内の窯で焼いたピザ1枚(日本のサイズ的にはLくらいありそう)とデザートがそれぞれ選べてUS$8ちょっとでした。
ピザの種類が豊富で目移りしてしまいます。
デザートにはティラミスをいただきました。
ちなみに「リストランテ カサノバ」でもティラミスを食べたのですが、それぞれ異なる作りになっていて、同じ船内でもデザートが使いまわされていないことに感激しました。
そしてもちろんどちらも絶品でした。さすがイタリア。
船内で焼いたピザ
イタリアンな雰囲気は船内イベントにもありました。
毎晩異なるおすすめドレスコードが船内新聞に記載されており、夜にはそのテーマのパーティが開催されていました。
もちろん、自由参加なので、全く無視しても全力で楽しんでもどちらでもOKです。
今回の5泊の期間中にあったテーマは、仮面パレード、Gala(フォーマル)、イタリアン(緑、白、赤)、ホワイトナイト、トロピカルでした。
以前、コスタクルーズの別の船(コスタディアデマ)には数年前に乗船したことがありこのようなテーマナイトがあることは知っていたので、私はその時に船内で購入した仮面舞踏会のマスクを船に持っていきました。
今回も船内で仮面の販売はしていたので持っていない方もご安心を。(普通持ってませんよね・・・)
毎晩夜10時には、その日のテーマに合わせたパーティが開催されており、音楽に合わせてみんなでダンスをしたりして楽しかったです。
もちろん静かに過ごしたい方には、そのような場所もたくさんあります。
さて、ここまで「非日常感」を前面に出すと、日本人的に気になるのが英語ができなくても大丈夫だろうか?という点かと思います。
これについては断言できます。
全く英語ができなくても大丈夫です!
船内放送、船内新聞、レストランとバーのメニュー、フロント(カスタマーサービス)、イベント時の案内全てが日本語対応でした。
一方で、レストランのウエイター、客室係として多くの多国籍なクルーが働いていますので、英語で会話してみたいという方もいくらでもその機会はあります。
特にいいなと思ったのは、レストランのメニューに番号が振ってあったことです。
ウエイターさんは外国の方なので、メニューは日本語でも、どれを頼みたいかを彼らに伝える必要があります。
数字が振ってあり番号を読み上げるだけでよかったので注文が簡単でした。
ぜひ日本発着でない海外クルーズ船でもそうしてもらいたいです。
おすすめ理由3:船のサイズが大き過ぎない
コスタネオロマンチカは、総トン数57,150トン、乗客数1,800人と、昨今巨大化が進んでいるカジュアル船と比べるとコンパクトなサイズになります。
コスタネオロマンチカは、エレベーターの設置場所が前方、後方の2か所しかなく、客室のある階では船首側が青、船尾側が赤に塗り分け割れているので、自分の今いる場所や部屋までのルートが簡単にわかります。
コンパクトとはいえ、港で外から見ると十分に大きいですし、クルーズ醍醐味である船内イベントや、寄港地観光、メインダイニングでのコース料理など、「いかにもクルーズ体験」なところきっちり抑えられていて、かつ日本語OKのコスタネオロマンチカはやはりファーストクルーズにはもってこいの船だと思います。
クルーズ船はどれかに1度乗ったことがあれば、ほかのクルーズ船に乗っても作法的に共通の部分が多く、困惑することも少なくて済むと思いますので、今後海外でクルーズ船に乗る前のお試しにもとてもいいと思います。
コスタネオロマンチカ(舞鶴港)
ビギナーさんにおすすめする一方で、私は今回11回目のクルーズ旅行でしたが、日本発着であることや会社員にも参加しやすいショートクルーズを含む豊富なコース設定は、ぜひまた利用したいと思うものでした。
また別の港をめぐる日程にいつか乗ってみたいと思います。
コスタネオロマンチカで訪れた金沢港、境港、釜山港、博多港、京都舞鶴港での散策の様子はこちらの記事にまとめてありますので、もしよろしければあわせてお読みください。
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