船旅なんて絶対イヤ!船酔いしても途中で下りられない。だいたい退屈が大嫌いな自分が、この「監禁生活」に耐えられるのか。支払いは幾ら位になるの?
つい最近までそう思っていました。でも共に何度も海外に出かけた高齢の母が、こう呟いたのです。「今度こそもう最後だわ。一度憧れのクルーズ旅行をしてみたい。」
クルーズ初心者にとって、準備は決して楽ではありませんでした。シーズンオフのせいか団体ツアーでは行きたいコースが見つからず、十一月中旬にイタリアやギリシャを巡るルビー・プリンセス号に、個人参加で乗船することにしました。それに伴い、フライト、前後泊のホテルや観光等のプランも自分で決めました。日本語スタッフは乗船していません。寄港地観光ツアーも英語が苦手の母の為にほぼ参加せず、自分達だけで観光することに。
最も綿密に調べたのは、各地での移動手段です。クルーズの旅は夜寝ている間に移動でき、重い荷物を持ち歩く事なく各地を観光できます。しかし、空港やホテルから船までの移動は(船会社のシャトルバス等を利用できる場合以外)自己責任が鉄則です。出航時間に間に合わなければ、置いていかれます。乗船後も、船会社の寄港地観光ツアーに参加しない日は、夕方の出航時間に注意!交通や治安状況の良くない国に行く場合など、思いがけず時間に戻れない事もありえます。実際今回もアテネでタクシー利用時に高額請求されるなど、幾つかトラブルが・・・ 渡航前から不安な気持ちだった私ですが、ラッキーだったのは、IACEトラベルさんに手配をお願いした事、そして担当がクルーズ事業部の日原さんだった事です。殆ど利益もないような二人旅の為に幾通りも見積もりをして頂くなど、誠心誠意尽くして下さいました。予め色々な情報も戴いたお陰で、船上や各地で慌てずに対応できた気がします。
あまりベタ褒めすると日原さんのお仕事が更に増えてしまうのではないかと不安ですが、感謝の意を込めて今回寄稿致しました。船内で関西からグループで参加した方とお話ししましたが、やはりIACEトラベルさんで手配して頂いて、大変良かったとのご感想でした。私は以前、航空券やホテルの手配を他の支店でお願いしたのですが、その際の担当の方もとても親切でした。
プリンセスクルーズは大人向けの船で、アメリカ船にしてはイベントやお祭り騒ぎも少ない気がします。子供も見かけませんでした。私たちはいい年で、シャイな日本人(?)の典型。かえってよかったです。静かにクルーズライフを楽しめました。船旅は退屈かと思いきや、昼間は下船して観光、朝夕は船内を歩き回るだけで結構疲れます。多少時間がある時はうたた寝をしたり、ガイドブックで翌日の寄港地の予習をしていました。季節柄プールは肌寒くて入りませんでしたが、ショーは英語がダメな人でも楽しめるものもあります。カジノが案外空いていることを見ても、皆さん退屈していないという事でしょう。
アメリカ船のいい所は、食事がバラエティに富み、口に合う点だと思います。他の船に乗った事はありませんが、一週間毎日の事なので、相当調べたのです。船会社によっては日本食や中華、アジア料理等も楽しめるとか。イタリア船の場合は、レストランが数ある大型船でも料理は殆どがイタリアンのようです。プリンセスクルーズの食事は基本は洋食ですが、大きく分けるとメインダイニング、ブッフェ、軽食等が楽しめて、いずれもメニューが豊富です。メインダイニングも「エニタイム・ダイニング」と言うシステムがあり、好きな時間に自分達だけで食事ができます。決められた時間と場所で、外人さんに囲まれて・・・のディナーが不安な方にはお勧めです。ブッフェは早朝から深夜まで開いております。
結論。クルーズの旅はとても快適です!私も友人等と旅行する時は、夜遅くクタクタになるまで街ブラしますが、中高年の方にとっては朝船から身軽に出発し、夕刻無理なく戻って来るのはかなり負担が軽いようです。夜元気が余っていたら船内で色々なお楽しみもあります。それから、大型のクルーズ船で船酔いする人は殆どいないと思います。ギリシャのカタコロンでは悪天候の為残念ながら上陸できなかったのですが、船はさほど揺れず、「海、そんなに荒れているのかな?」と皆さん言っていました。最後に金額。 本当に安かったです。クルーズがお金持ちだけの娯楽だった時代は終わりましたね。 母も今回の旅はとても満足したようです。これで最後と言っていたのに「またクルーズに行きたいわ」等と言い始めました。