かつて、西伊豆の静かな入り江にずっと繋留されてホテルシップになっていた北欧生まれの美しい客船スカンジナビアこと「ステラポラリス」M/S STELLAPOLARISのことを覚えてますでしょうか?
自分で描いたこの船の絵をこのブログのタイトル画像にしているぐらいわたしが大好きな船だったのですが、今からちょうど10年前の9月2日、生まれ故郷のスウェーデンに曳航する途中に和歌山県沖の海底に沈んでしまいました。
本日はこの船のことを思い出して記事にします。

ノルウェーのベルゲンラインの依頼でスウェーデンで建造されたのは1927年、
現在でこそクルーズはごく当たり前の旅のひとつになってしまっていますが、彼女は船旅と言えば定期航路しかなかった時代に現れた世界で初めてのクルーズ専用船と言われています。
帆船を思わせる船首のクリッパーバウと船尾のカウンタースターン、見てのおわかりの通りそれはそれは美しい船でした。

1970年に遥かこの極東の地にやってきて以来、小さいころから船好きだったわたしは何度訪れたことがあるかわかりません。
見学や食事だけでも乗船できましたがもちろん、宿泊もしたことがあります。

晩年は赤字続きだったため、営業を終了するというその前々日、最後の乗船に行ってきました。
その日は快晴

その時の乗船チケットがこちら

ボートデッキのボートの船名は当時のまま

ブリッジからは美しい伊豆の海岸の風景が望めます。
もちろん、富士山も

本場の料理人の作る北欧式ビュッフェ「スモーガスボード」は半端なく美味しかったです。

お茶も飲めるメインラウンジ
この日は営業終了直前ということもあってたくさんの見物客が来ていました。

フルコースが食べられるグリルルーム

メイン階段の大鏡

こんな素敵な絵が飾られていました。

フィヨルドを航行中の彼女の写真
この絵をもとに自分でバーニングアートにしつらえたことがあります。

購入した絵ハガキ

そして営業終了
そのあと、清水までドライブした帰りにどうしてももう一度彼女に会いたくなって出かけてみました。

その日は雨模様
誰も訪ねる人のいなくなった彼女ですが、その美しさは全く失われていませんでした。

船と言うよりひとつの芸術作品と断言していいと思います。
これだけ美しい船はもう2度と世の中に現れないのではないでしょうか?

そして翌年の8月31日

生まれ故郷に戻るべく、出航式が行われる現地に行ってきました。

地元の子供たちも参加して華やかなセレモニー

離れる直前の彼女の姿

船としての機能は全く失われていて自走は出来ないので大型タグボートによる曳航で、ゆっくりと36年過ごした西伊豆の入り江を離れました。

故郷で第三の船生を幸せに過ごせよ〜 いつか会いに行くからなぁ
…と心の中でつぶやいていたのですが

この景色が彼女との最後の別れとなってしまいました。
翌々日の2006年9月2日、午前2時ごろ、和歌山県潮岬の沖合の海底約72mで永遠の眠りにつきました。





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