Fred. Olsen Cruise Lines 「Balmoral」

運航：Fred. Olsen Cruise Lines 総トン数： 43,537トン船長： 217.91 m (714 ft 11 in) 船幅： 28.21 m (92 ft 7 in) 吃水： 7.25 m (23 ft 9 in) 最大速力： 22.5ノット船客定員：1,778名乗組員： 471名建造：Meyer Werft, Papenburg, West Germany 改造：Blohm + Voss repair shipyard in Hamburg, Germany

1988年にギリシャの船会社"Royal Cruise Line"（以下RCL）が建造した"Crown Odyssey"という船が元。その後、1992年にNorwegian Cruise Line（以下NCL）にRCLが吸収され、1996年から"Norwegian Crown"となる。しかし、船の性格上、NCLのフリートとしては異端であったことも事実で、結局NCLは、傘下の"Orient Lines"へこの船を移籍（2000年）させ、再び"Crown Odyssey"の名前に戻ることになる。NCLそのもののStar Cruisesへの吸収なども経て、再びNCLの所属（2003年）となり、船名も"Norwegian Crown"に戻るが、保有船舶の大型化を計っていたNCLにとっては居場所は無くなりつつあったのは事実で、2006年に"Fred.Olsen"へと売却される。（ただし、2007年まではすでに計画されていたクルーズを消化するためNCLにチャーターバックされて運航を続けていた）。2008年の２月から"Balmoral"として運航。

結局、船名としては次のような変遷を経たことになります。 1988−1996: Crown Odyssey 1996−2000: Norwegian Crown 2000−2003: Crown Odyssey

※香港で2003年に撮影。 2003−2007: Norwegian Crown 2007− : Balmoral なお現在、運航は"Fred.Olsen"が行っていますが、オーナーは"Balmoral Cruise Ltd"という会社になっています。これはNCL時代からの話で、2004年からすでにNCLは自社の船としてではなく、"Crown Odyssey Ltd"という会社の船として運航していたものです。

この船、移籍を繰り返すたびにいろいろな改造が加えられ来た船で、オリジナルの面影こそ残ってはいますが、現在の船影は登場時とは似ても似つかない姿になっています。船内は勿論ですが、エクステリアの改造も甚だしいもので、一番の変更点は、"Fred.Olsen"移籍後に行われた船体のストレッチでしょう... その改造は主に2007年中に行われ、Bremerhavenにある"Schichau Seebeckwerft"で作られた30mにも及ぶ船体中央部のブロックをBlohm + Voss repair shipyardで組み込んだのです。これにより、客室は186室増え、クルーのキャビンも53室増えました。この改造に併せて、バルコニー付きキャビンへの改造なども行われ、結局、60室ものバルコニー付きキャビンが増えたのでした。丁度、ブリッジがあるデッキの部分が解りやすいですが、ココがバルコニー付きのデッキに変わっています。（後述の"Crown Odyssey"時代の写真を良くご覧くださいませ...）総トン数は34,242トンから43,537トンに。船長は187.71 mから217.91 mに吃水も6.80 mから7.25 mに増えています。船体中央部のテンダーボートが無い部分がストレッチされた部分です。現在、"Fred.Olsen"が運航する客船では最大の客船です。