Cruise Criticのレビュー15万件を分析!クルーズ本場の口コミ評価を徹底検証!!
世界には数多くのクルーズラインがあり、デスティネーション、寄港地もまた数多く存在しています。
世界中のクルーズ旅行者が各クルーズラインやデスティネーションに対してどのような評価をつけているか、気になった事はありませんか?
そこで今回は、クルーズ旅行の本場であるアメリカで最大級のクルーズ旅行口コミサイト「Cruise Critic」(クルーズ・クリティック)に投稿された乗船口コミレビューを分析してみます。
Cruisemansのエンジニアチームが、Cruise Criticに投稿された15万件以上の乗船口コミレビューを収集、分析しました。
1. 対象期間、分析方法、注意事項
今回の分析の対象は1999年〜2017年にかけてCruise Criticに投稿された口コミレビュー約15万件です。
ディステネーションやクルーズラインの区分け、取り扱いについては、基本的にCruise Criticの仕様に従う形で分析しました。
本分析は特定のディスティネーションやクルーズラインの良し悪しを問うものでは無く、Cruisemansの目指すクルーズ旅行に関するディープでリアルな情報の整理、発信の一環として行なったものです。
日本で馴染みの薄いクルーズラインや、ディステネーションが素晴らしい評価を受けている等、クルーズ好きの読者の方々にとって何か少しでも新しい発見や刺激となれば幸いです。
2. ディステネーションの評価
各ディステネーションのスコア(1〜5)の平均値は以下のようになりました。レビューが100件に満たないディステネーションは分析対象外としています。
最も高いスコアとなったのは「アジア・リバー」で、2位に「ヨーロッパ・リバー」、3位に「北米リバー」と、TOP3をリバークルーズが独占する結果となりました。4位以下が僅差でひしめく中で、1〜3位は頭1つ抜けたスコアとなっています。
一方で最下位は「大西洋横断クルーズ」となっています。
各ディステネーションのスコアの内訳は以下のとおりです。色ごとに、濃い青(スコア5 / とても素晴らしい)、青(スコア4 / 良い)、水色(スコア3 / 普通)、オレンジ(スコア2 残念)、赤色(スコア1 / 恐ろしくひどい)をそれぞれ表しています。
3. クルーズラインの評価
各クルーズラインのスコア(1〜5)の平均値は以下のようになりました。レビューが100件に満たないクルーズラインは分析対象外としています。
見事1位となったのはアメリカの高級リバークルーズラインであるユニワールド・ブティック・リバー・クルーズ・コレクション(Uniworld Boutique River Cruise Collection)です。昨年にはミレニアル世代向けの姉妹ラインであるユー・バイ・ユニワールド(U By Uniworld)を発表するなど、目が離せません。
他にも上位には、バイキング・クルーズ(Viking Cruises)、アマ・ウォーターウェイズ(AmaWaterways)、アヴァロン・ウォーターウェイズ(Avalon Waterways)など、やはり高級クルーズラインが並ぶ結果となりました。
一方で、MSCクルーズ(MSC Cruises)やコスタ・クルーズ(Costa Cruises)といったイタリアのクルーズラインは共に低い評価となりました。このあたりは、Cruise Criticユーザーのメイン層であるアメリカ人、イギリス人の気質にイタリア客船の雰囲気が合わない為という側面があり、手間味噌ではありますが、やはりCruisemansのような日本人の口コミが集まるプラットフォームが必要と改めて感じました。
各クルーズラインのスコアの内訳は以下のとおりです。
4. 出港月(シーズン)、出港年の評価
出港月(クルーズシーズン)毎のスコアは以下のようになりました。
4月のクルーズの評価が高く、11月、12月が低くなっています。
もちろん、クルーズのベストシーズンに関しては、ディステネーションとの組み合わせで考えることが重要ですので、こちらに関しては後記します。
次に、クルーズ旅行の年ごとスコア遷移を出してみました。
全体的に少しづつスコアが低下傾向にあるようです(特に2013年から2015年にかけて大きく平均スコアを下げています)。
これは毎年クルーズ旅行者の目が肥えてきているということかもしれませんが、それ以外にも、Cruise Criticのサービス内でスコアが低く出るような仕様変更があった可能性もあります。
年月ことのスコア内訳の遷移は以下のとおりです。
5. 出発月(シーズン)とディステネーションの関係
各ディステネーションと出港月(クルーズシーズン)の組み合わせスコアは以下のようになりました。レビューが10件に満たない組み合わせは分析対象外としています。
クルーズラインによって各ディステネーションに就航するシーズンに違いがあるため、クルーズライン自体の評価の偏りもこの中に含まれてしまっているため、おおよその目安として参考にしてください。
6. クルーズラインとディステネーションの関係
各クルーズラインとディステネーション組み合わせスコアは以下のようになりました。レビューが10件に満たない組み合わせは分析対象外としています。
各クルーズラインのディステネーション毎の評価を俯瞰するのに便利な表となっており、ディステネーション毎に配船されている客船の評価自体も強く影響していると考えられます。
7. 乗船経験(レビュー投稿回数)による影響
分析した約15万件のレビューに関して、各ユーザーのレビュー投稿数の分布は以下のようになりました。横軸がレビュー数、縦軸がユーザー数の割合です。
これを見ると、レビューを1件しか投稿していないユーザが約85%、2件以下のユーザーが約95%となっています。つまり、3件以上の乗船レビューを投稿しているのは全ユーザーの5%程度となり、クルーズ旅行のリピート率の高さを考慮すると、少し残念な数字です。
Cruisemansでは、1000人のユーザー様がそれぞれ1件づつ口コミを投稿するよりも、100人のユーザー様がそれぞれ10件づつ口コミを投稿して頂けるようなサービスを目指して開発、運営していきたいと考えています。
次に、各ユーザーが投稿したレビューの番目ごとの平均スコアを分析すると以下のようになりました。横軸がレビュー投稿の番目、縦軸が平均スコアです。
1件目のレビューの平均スコアは3.96、2件目のレビューの平均スコアは4.19のようになっています。
全体的にレビューの回数が増えるほど、平均スコア(クルーズの満足度)は上昇する傾向になっています。特に1件目と2件目では平均スコアが大きく跳ね上がっています。
この要因としては、
・そのクルーズ旅行が気に入らなかった人(スコアが低い人)は、次回以降のクルーズ旅行に行かない(レビューを投稿しない)可能性が高い。
・ 各クルーズ旅行者が、クルーズ経験を重ねながら、知識や体験を蓄え、徐々に自分の趣味嗜好にフィットしたクルーズ旅行を選べるようになってくる。
などが考えられますが、主要クルーズラインだけでも年間20,000以上のクルーズがある中で、自分の趣味嗜好に合ったクルーズ旅行を選ぶことの重要性を改めて感じる結果と言えます。
Cruisemansでは、クルーズの知識豊富で信頼のおける事業者との提携や、機械学習を用いたレコメンドシステムの開発など、サービスを通して各ユーザー様の条件や趣味嗜好に合ったクルーズ旅行が簡単に選べるようなプラットフォームを目指しております。
8. 寄港地の評価
各寄港地のスコア(1〜5)の平均値は以下のようになりました。レビューが100件に満たない寄港地は分析対象外としています。
1位のドイツのパッサウ(Passau)、2位のスイスのバーゼル(Basel)は共にクルーズラインのランキングで上位となったバイキング・クルーズ(Viking Cruises)や、アマ・ウォーターウェイズ(AmaWaterways)が多く寄港しています。
ヨーロッパの寄港地が上位を占める中、3位に入ったのはカリブ海のセント・マーチン島(St Maarten Island)で、ロイヤル・カリビアン(Royal Carribean)や、カーニバル・クルーズ・ライン(Carnival Cruise Line)などのメガシップが多く寄港しています。
9. 客船の新しさ(建造年数)による影響
客船の経年とスコアの関係を分析すると以下のようになりました。横軸が建造年からの経年で、縦軸が評価スコアです。
客船が古くなるに連れて緩やかに評価は下がっていきますが、建造0年目(建造された年)だけが例外として、評価スコアが低くなっています。
この要因としては、各客船のデビューシーズンのクルーズには、過度な期待が寄せられたり、目の肥えたクルーズ上級者の割合が高くなること等が考えられます。
10. キャビンの評価
キャビン種別毎の評価は以下のようになりました。
内側、海側、海側バルコニー、スイート、と料金に合わせて評価も上がる妥当な結果となっていますが、内側と海側の評価スコア(満足度)にはほとんど差がありません。
内側キャビンを選ぶクルーズ旅行者は、最初から内側キャビンのデメリット(外の眺めが見れない等)を折り込み済みの「価格重視」であるため、海側と変わりない満足度を得ているものと推測されます。
最後は、クルーズライン毎のキャビンタイプの評価分布です。レビューが10件以下の組み合わせについては分析対象外としています。
カーニバル・クルーズ・ラインは各キャビンタイプの中でスイートが最も低い評価になるなど、各クルーズラインによって多様な分布となっています。
シーボーン(Seabourn)やシルバーシー(Silversea)は一部を除きオールスイート(全室スイート)のため、スイートのみのスコアとなっています。
以上となりますが、最後までお読み頂きありがとうございました。
※ 記事内に紹介されているクルーズ船や寄港地の情報については、記事執筆者の経験や情報収集に基づいた参考情報であり、実際の内容と異なる場合や、内容が変更されている場合があります。
※ 最新の情報については船会社や港湾の公式ホームページのご確認や、ご予約に利用される旅行代理店へのご確認をお願いします。