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北方領土交流船「えとぴりか」船内見学

興奮冷めやらぬ「セレブリティ・ミレニアム」の初来日の記事はしばらく置いておいて、思いのほか反響が大きかった北方領土交流船「えとぴりか」(1124トン、2012年建造)の船内をご紹介します。

まずは後部デッキから前方をみたところ・・・

煙突の左右に見えるのは水を使った横揺れ防止装置のタンクです。

左の小型のボートと、もう一艘の大きめのボートを搭載しており、前回のこの船の記事で船尾に開いた謎の穴はどうやらこうしたボートに乗り込むためのもののようです。

煙突のマークはこの船の名前にもなった北国に生息する鳥のエトピリカ・・・

この鳥について検索してみると、1年の大半は外洋で過ごし、夏場の繁殖期だけ北の島の海辺の高い崖の上に巣を作って子育てをするようです。

この船も5月から10月までの快適なシーズンは北の海で航海し(約50航海)、厳しい寒さの冬場は生まれ故郷の広島、江田島の造船所に戻ってのんびりと過ごすとのこと。

今回もそんな広島から根室に向かう途中の立ち寄りらしいです。

ブリッジは結構広々とスペースを取っています。

最新鋭の航行機器の向こうに見えるのは色々なお方たちの聖地・・・東京ビッグサイトです。

ちなみに各クルーズ会社もブースを設けている旅行博もここで開催されます。

ここで、判りやすいようにこの船でいただいたデッキプランを張り付けておきます。

けっこう充実した船内であることがお分かりいただけるかと思います。

まずはこの船のメインエントランスであるエレベーターロビー

おねいさんの向こうの階段をエトピリカが飛んでいます。

今回、ほかの用事の途中に立ち寄ったのでクルボンを持ってきませんでした・・・大失敗!

上の写真を階段側から見たところ・・・右端にバリアフリー対応のためのエレベーターが見えます。

こんな千トンちょっとのちいさな船のエレベーターって初めて乗りましたが、思ったよりもずっと広く、ドアが前後に一枚ずつあって、止まる階で開くドアがそれぞれ違うのが面白かったです。

ちなみにこの写真では見にくいですが、階段も最初の一段目がLEDライトでグリーンに点滅するようになっていてここもバリアフリー対応になっているのがわかります。

この船のメインダイニング・・・船腹いっぱいにスペースを取った一番広い部屋で乗客84名が同時に食事ができます。

レセプションや会議、講演にも使われるそうです。

それにしてもここの居心地の良い椅子に座ってお茶を飲みながらくつろいでいると、巨大クルーズ客船では得られないなにかほっとするような癒され感を味わえますね。

いいなぁ、こういう小さな客船も・・・

休憩室と呼ばれるこの船のメインシアター兼カードルーム兼ゴロ寝部屋

バリアフリータイプの2人部屋・・・質素ですが、快適そうな部屋です。

ちなみに根室〜国後間は航海時間は3時間ほどでこんな個室はいらないのですが、国後〜択捉間は約7時間で一泊の航海になります。

また択捉島や色丹島に滞在中は島に宿泊施設がないので停泊中のこの船に泊まることになるそうです。

2段ベッドの6人部屋

こちらは2人部屋ですね。

こんな昔ながらのじゅうたん敷きの8人部屋もあります。

こういう部屋って日本人はいいでしょうが、ロシアの人はどうなのでしょうか?

ちなみにわたしは生粋の日本人ですが、こういう部屋はちょっと苦手かな。

いかがですか?小さいながらも快適そうな客船でしょう。

でも、こんど北海道に旅行に行ったらこれに乗って北方4島をクルーズしてみようかなって思った貴方・・・残念ながらそれはほぼ、ごめんなさいです。

ご存じのとおり、北方領土は日本の領土(たぶん)でありながらロシアが実効支配する土地・・・この船は「ビザなし交流」と言って元島民やその家族子孫、政府関係者、報道関係者などに限って乗船するために建造されたものなのですね。

ロシア人もやはり島民に限定で乗船が可能というわけで、両国とも一般人の乗船はいっさい認められていません。

そんな意味でも今回の船内見学は非常に貴重な体験だったといえると思います。

またいつか見学してみたいですね。

おしまい

Penmi

階段のところのエトピリカの絵が超カワイイ!(*^O^*)
この船を利用する乗客、特に日本人には高齢の方が多いでしょうからバリアフリー仕様は必須でしょう。確かに小さいながらとても居心地のよさそうな船ですね!
私の住む呉からほど近い江田島の造船所に、確かに晩秋からつい先日までいました。
どこか不具合があって里帰りの長期ドック入りかと思っていましたが、そういうことならまた半年後に私はこの船に会う機会があるわけですね!
でもさすがに地元の造船所での船内見学会はないので、見学乗船されたPUNIPさんがとても羨ましいです!

ペンミさん、どの部屋もなんの飾り気もない質素な造りですが、好感が持てます。
客船でありながら商業ベースではない不思議な存在だからでしょうか?
広島でも見学会を開いてくれるといいですね。

kos*nma**25

エトピリカは先程、国後島のフルカマップ沖に投錨しました。わたしも昨年この船で択捉島にいってきました。ちなみに記事中に小樽〜国後とありますが根室〜国後ですので訂正いただければ幸いです。

kos*nma**25さん、ご指摘ありがとうございます。
たしかに小樽からではあまりに遠すぎますよね〜なんでこんなケアレスミスをしてしまったんだろ…(汗)
この船で択捉島に行けたなんて羨ましいです。
「ロサ・ルゴサ」にもお乗りになったのですか?

dka*f*09

ビザなし渡航で来月択捉島へ行く予定です。
船の情報を知りたくてネットで探していたらこちらに辿り着きました。
とても詳しく船内の様子がわかり参考になりました!ありがとうございます。
本家の連盟サイトよりわかりやすくて良かったです。
乗ったら、写真や動画をfbでアップしようと思っています。
ご興味があるようでしたらお伝えします。

> dka*f*09さん
見学した限りではとても快適そうな船でした。
海さえ静かならば素敵なクルーズが楽しめると思いますよ(^_^)

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