もう夏前から駄目だろうという話は聞いてはいましたが、東京〜小笠原父島航路に就航予定だった、新時代の高速船「テクノ・スーパー・ライナー」(略称TSL)の就航が絶望になりました。
15000トン近い巨体を浮かせて39ノットという高速で走るこの船は、今までの所要時間を10時間も短縮できるものの、3倍の燃料を食い(しかも軽油)、200トンしか貨物を積めず、荒天時の航行も難しいとあって、当初から就航は危ぶまれていました。
大学時代に始めたスキューバダイビングの集大成で、卒業旅行に父島に行って以来、その素晴らしい海の魅力にとりつかれたものの、経済的にも、日数的にも、なかなか行くことが出来ず、TSLの就航でやっといけるかなあと思っていたのですが・・。本当に残念です。
今は造船所に係船されたまま、転用のめども立っていません。
だいたいこの船、本来であれば、今年(平成17年)の4月には就航する予定だったのですが、昨年夏の台風の際、船の運航を左右する重要な部品を破損し、今年の11月まで就航が延期になった経緯があります。4月といえばまだ今のような原油の高騰がはじまる直前ぐらいで、台風の被害がなかったら、もしかしたら、いまごろ予定通り就航していたのかもしれません。
そうやって考えると運命のいたずらのようなものを感じますが、この船の建造にかかわった人たちの気持ちを考えるとそんなものではすまないような気がします。
先日の公式試験運転で計画速度を4ノット近くも上回る42、8ノットも出したのは、望まれずに生まれてきたこの船の最後の意地だったのでしょうか?
小笠原TSL就航絶望に
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悪天候に弱いので、今の船と併用して運行する話もあったみたいで、いろいろな噂を聞きました。このTSLが就航されていたら、小笠原は随分変わっていたでしょうね。でも一度は乗って見たかったです。
船としての味わいには少し欠けるかもしれなかったですけど、島民のかたは期待していたと思います。でもあの感激的なお見送り風景は見られなくなったかも・・・。いずれにしろ複雑な問題を抱えた美しい島です。
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