先日、「オリエンタル・エスエラルダ」の絵を描いたとき、参考のために久しぶりにこの本を本棚から引っ張り出してきました。
かつて、わたしが船好き少年だった頃にむさぼるように読んだ(というか眺めた)保育社のカラーブックス「世界の船−豪華客船と船旅−」です。
昭和48年(初版は昭和45年)の出版ですので、もう35年も前の本。
文庫版の小さなサイズでありながら、カラーブックスの名前の通りカラー写真がふんだんに使われ、わたしの海外の客船への憧れを十分に満たしてくれるものでした。
初版のころに購入したものはすでにこの手に無く(物に対する執着心というか、保存収集および管理が出来ない、つまりは実にいい加減な性格のため)現在持っているのは、後日神田の古本屋で購入したものですが・・・
ページをパラパラめくってみると、商船三井客船の初代「にっぽん丸」(二代目「あるぜんちな丸」)からはじまり、アメリカ客船「ユナイテッド・ステイツ」まで古今東西、大小さまざまな客船が網羅されています。
この本に載っている客船(当時就航中)で現在生き残っている船を調子に乗って調べてみました(
ヒマ人って言うなぁ!)
●「ぶらじる丸」(1954年)〜中国、湛江市にて保存船として現存、シンジラレナ〜イ(古っ)
●「クイーン・エリザベス2」(1969年)〜まもなく引退、ドバイにて保存船予定。郵船クルーズは買い取りません。
●「スピリット・オブ・ロンドン」(1972年)〜スペイン客船「ニュー・フラメンコ」として現役。この当時はまだ完成予想図です。
●「キュナード・アドヴェンチャラー」(1971年)〜キプロス客船「コーラル」として現役。当時最新鋭のクルーズ専用船。
●「アンセルビル」(1962年)〜中国客船「明華」として活躍ののちシンセン市にて保存船として現存(たぶん)船のまわりは埋め立てられています。
●「ルネッサンス」(1966年)〜ギリシャ客船「ブルー・モナーク」として現役。インドネシア客船「アワニ・ドリーム」と名乗っていたことも・・・
●「フェルケルフロイウンドシャフト」(1948年)〜ポルトガル客船「アテナ」として現役。その昔、イタリア客船「アンドレア・ドリア」に激突して沈めてしまったいわくつきの船。改造に改造を重ねて当時の面影はまるでありません。それにしても船名長すぎ!
●「ハンブルグ」(1969年)〜前「マキシム・ゴーリキー」米ソ冷戦終結の立役者。ついこのあいだまで引退を表明していたのにアメリカ客船「マルコポーロ」として現役続行することになりました。めでたしめでたし。
●「ロッテルダム」(1959年)〜オランダ、ロッテルダム市にて保存公開予定。新造船当時の姿にフルレストアされたそうです。うらやましいなぁ
●「サガフィヨルド」(1965年)〜イギリス客船「サガローズ」として現役。昔はよく日本に来ていました。一昨年来日の「サガ・ルビー」の準姉妹船です。
●「ソング・オブ・ノルウェー」(1970年)〜ピースボートの客船「クリッパー・パシフィック」として現役。建造当時はマイアミ起点のカリブ海クルーズ専用の最新鋭客船でした。もちろん当時は大浴場はありません。
●「クングスホルム」(1966年)〜洋上大学船「オーシャニック」として現役、いまや新造船当時の美しかった面影はまるでありませんが、2010年にスウェーデンで保存され「ロッテルダム」同様にフルレストアされるようです。めでたしめでたし。
●「オーシャニック」(1965年)〜スペイン客船「オーシャニック」として現役。「オーシャニック」のつく船名をいくつも経て、昔の名前で出ています。もちろん新造のときの会社ではありません。
●「くれない丸」(1960年)〜横浜港内クルーズ客船「ロイヤルウイング」として現役。みなさん、乗ったこと・・・ありますよね?
以上14隻(うち保存船3隻)。どうです、名前の知っている船がずいぶんあるのではないでしょうか?
さらには、つい最近まで解体されたと日本では思われていた「ぶらじる丸」のような例もありますので、本当はもう1〜2隻多いかもしれません。
自慢ではありませんがわたしはこのうち、8隻をこの目で見たことがあります。エヘン!(ってしっかり自慢してるし・・・)
そのほか、本の中には「クイーン・アンナマリア」のようにピースボートの「ザ・トパーズ」としてこのあいだまで現役で、しかも日本人になじみの深かった船も載っています。
また、外国航路の客船だけでなく、「さんふらわあ」(初代)や「フェリー阪九」「橘丸」と言ったような懐かしい国内航路の客船・フェリーも多数掲載。
「タイタニック」「浅間丸」に代表される戦前の太平洋・大西洋航路の花形客船を紹介するページもたくさんあります。
古い客船に興味をもたれた方はぜひ、古本屋さんやネット通販で探してみてください。
表紙の「プレジデント・ウィルソン」のデッキの写真ももちろんですが、先代「オリアナ」の大桟橋出港風景など、涙無しでは見られません(ってかなり大げさ)
初版本持ってます。ビニールカバーつき。(物持ちいいなあ・・)
コメントを送ったら、野間様から丁寧なお手紙を頂き、本はさんであります。
当時は船の本は少なかったです。
APLのマークの4ッ星が今はありませんが、どうしたのだろう??疑問です。
たかまる
歴史ある愛読書を拝見いたしました。
二冊目を手に入れたくらいですからその愛着ぶりはさぞやと
想像いたし、奥床しいことです。
根っからの船好きなのですね。
ただ乗っていればいいという当方とは全く次元が違う...
今更に思い知らされています。素敵なことです!
絵としてもポチ論!です!
こじ太郎さん、鉄道シリーズは各私鉄があって充実していましたね。
わたしもこのほかに何冊か持っていました。「熱帯魚」とか「自動車」とか・・・懐かしいです。
とんとんしゃん、ポチありがとうございます。
のーむさん、その「世界の客船」も持っていました!もちろん、今は現存していません(泣)
わたしが結婚するときにほとんどの書物とレコード(古っ!)を処分してしまったのでその中に含まれていたのではないかと思います。
でも「ノルウェー」や「QE2」の写真は覚えています。
また機会があったら眺めてみたいですね。
音実さん、ポチありがとうございます。思ったよりも現存しているものです。
ジムニーさん、「オリアナ」のウィスキーボトルってどんなものか凄く気になります。ブログにアップしてくださいませ。
小野勇雄さん、本当に小さいですが中身は極上な本ですね。
「明華」はよく日本にも来ていましたが、現存しているなら見に行ってみたいですね。
「アテナ」もぜひ来日してもらいたいものです。
たかまるさんもやっぱり持ってましたか!
当時の客船好きのバイブルのような本でしたからねぇ・・・
そういえば最近のAPLのコンテナ船を見ていてもイーグルマークのまわりの星4つがありませんね。
なにか意味があるのだと思いますが・・・
らつ子さん、逆に高嶺の花で乗ることが出来ないがゆえにこういった本で想像を膨らませて喜んでいたわけです。
もっとも、今でも状況はまるで変わりありませんが・・・
ポチ論、ありがとうございます。
「世界の船」は知りませんでしたがアマゾンでも古本でまだ簡単に手に入る様ですね。この間郵船歴史資料館に行ったら図書室に「世界の客船」揃っていましたよ。適当に一冊手に取ったら最後、すっかり見入ってしまいました。「フランス」が完成予想図だったので1960年版か1961年版だったのでしょうか。
ハイ、リクエストにお答えしてアップしておいてます。
http://blogs.yahoo.co.jp/jimny1962/26091378.html
つうせいさん、この機会にぜひ、手に入れてみてください。
1ページ、1ページに目が釘付けになりますよ。
どこへでも持って歩けるサイズなのもポイント高いです。
ジムニーさん、ありがとうございます。さっそく見に伺います。
懐かしいですね、いつのまにかどこかに行ってしまいました
QE2の本もあったように記憶していますが、こんど古本屋で探してみます
わたしも持っていました。客船の多くの知識はこの本からです。
7度の引越しで無くなった本のうちの一冊です。私は7隻見ました。といっても後身の客船が多いですけど。懐かしいですね。
朝日新聞社刊の「世界の客船」と瀬戸内海の定期船を集めたビニールカバーのシリーズ本(出版社は不明)もなくなってしまい、たまに古本屋さんで探しています。
駒さんも無くしてしまった人ですか!
古本屋さんで探すとこういう本は結構出てくるかも知れません。
見つかるといいですね。
SAKIさん、「瀬戸内海の定期船を集めたビニールカバーのシリーズ本」ってなんだかすごく気になります(笑)
探し出したらぜひ購入してブログでアップしてくださいね。
「世界の客船」の記事、楽しく読ませていただきました。
私も同様のポケット版持ってます。
もう昔で忘れてたのですが、思い出して探してみた次第です。
それと同時に、その当時買った、海文堂から出版されてた、ハードカバーの「世界の客船」も見つかって、懐かしくページを開きました。
丸さん、はじめまして
この記事でこの本のことを思い出してくれてうれしいです。
「世界の客船」もまた手に入れたいものです。
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