かつて伊豆諸島航路に就航していた東海汽船のフリートを紹介するこの書庫も7隻目になりました。
今回ご紹介するのは、「藤丸」(1117トン、1947年建造)。
戦後すぐに建造された「小型客船28隻組」の1隻で、いまのみなとみらい地区にあたる三菱重工横浜造船所で南洋海運(現東京船舶)の阪神〜高浜航路の客船「淡路丸」として建造されました。
完成後1年で東海汽船に売られ、しばらくはそのまま「淡路丸」を名乗って大島〜航路に就航していましたが1966年やっとこの「藤丸」に改名されたという珍しい経歴の船です。
歴史的名船「橘丸」やぞくぞくと建造されたモダンなスタイルの新造船の陰に隠れて地味な存在でしたが、「椿丸」同様、いかにも昭和の小型客船らしくて好感の持てるデザインです。
客船ファンにとって忘れられないのが1978年、この船の現役最後の年の3月21日、3度目の来日を果たした英国キュナード・ラインの「クイーン・エリザベス2」のお出迎えクルーズを横浜港で行ったことでしょう。
QE2を少しでも長く見ようと619名もの乗船客が片舷側に寄ってしまって「藤丸」が大きく傾いたまま航行したのは今でも古い船ファンの語り草になっています。
わたしはてっきりこのお出迎えクルーズをもって現役を引退したのだと思っていましたが、この手の船にはめっぽう詳しいtoshi@maruさんのお話ではその後、しばらくは東京〜八丈島航路や小笠原航路に臨時的に就航し、同年5月で東京〜式根島・神津島を航海して最後の航海を終えたとのこと。
イラストはそんなQE2を迎える「藤丸」。以前に描いたQE2横浜入港のイラストと対をなす作品です。
晴れているように描いていますが、実際は小雨交じりの寒空だったそうです。
「マリーンシャトル」による「クイーンメリー2」お出迎えクルーズは天気がいいと良いですね。
内緒さん、ありがとうございました。
はじめまして!!東海汽船・・。懐かしいです。子供のころ千葉県保田の港に船が入ってきました。勝山経由館山行きです。なんという名前の船かは忘れましたが、当時はとても大きくてびっくりしました。昭和30年代の話です。しろうとの感想ですみません。
青葉 則さん、はじめまして!コメントありがとうございます。
昔は東海汽船は房総の各港に航路を持っていたようですね。
現在でも館山にはジェット船が就航しています。
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